一般化された超幾何関数
数学において、一般化された超幾何関数(いっぱんかされたちょうきかかんすう、英: generalized hypergeometric function)は、一般に
を単に超幾何級数という[2][3][4]。なお、厳密にいうと、右辺の級数が超幾何級数であり、左辺の記号は原点の近傍で絶対収束する冪級数の和とそれから解析接続によって定義される解析関数としての超幾何関数を表すものである。
超幾何級数
級数 の連続する項の比が n の有理関数であるとき、これを超幾何級数(hypergeometric series)という[5]。慣習的にはあらかじめ初項を括り出しておき、定義に t0 = 1 も含め正規化する。定義から
となる n の多項式 P(n), Q(n) が存在する。
は超幾何級数で、この場合
ゆえ P(n) = z, Q(n) = n + 1 となる。
分母分子を一次式の積へ分解することで有理関数を
の形に書くことができる。ここで z は分母分子の最高次係数の比である。歴史的な理由により分母の因子 n + 1 を仮定しているが、必要なら分子に同じ因子を掛ければよいので一般性は失わない。以上から級数は
の形に書くことができる。この右辺を通常
と表記する。
収束条件
超幾何級数は、であれば絶対収束し、であれば発散する。の場合は、であれば絶対収束し、であれば発散する。の場合は、であれば絶対収束し、であれば発散する。但し、又はが正でない整数である場合は、となってで収束、或いはとなってで発散する場合がある。
脚注
- Weisstein, Eric W. "Hypergeometric Series". MathWorld (英語).
- Whittaker & Watson 1927, p. 281.
- 原岡喜重. (2002). 超幾何関数. 朝倉書店.
- 時弘哲治. (2006). 工学における特殊関数. 共立出版.
- この比が定数の場合を幾何級数と呼ぶのだった。
- Weisstein, Eric W. "Raabe's Test." From MathWorld--A Wolfram Web Resource. http://mathworld.wolfram.com/RaabesTest.html
- Huelsman, C. B. (1965). RAABE'S TEST. Pi Mu Epsilon Journal, 4(2), 67-70.
参考文献
- 西本敏彦『超幾何・合流型超幾何微分方程式』共立出版、1998年11月。ISBN 4-320-01593-2 。
- Whittaker, E. T.; Watson, G. N. (1927). A Course of Modern Analysis (Fourth ed.). en:Cambridge University Press. ISBN 0-521-58807-3. Zbl 0951.30002
関連項目
- オイラー積分
- ガンマ関数
- q超幾何級数
- en:confluent hypergeometric function
- en:elliptic hypergeometric series
- 特殊関数
- ベッセル関数
- マイヤーのG関数 ・・・ さらに一般化された超幾何関数
- アペルの超幾何関数 ・・・ 2変数に一般化
- 超冪根(ブリング根) ・・・ 一般化された超幾何級数で書ける。一般的な五次方程式は、超冪根を代数的操作と許容した場合、代数的に解ける。
- カンペドフェリエの超幾何関数(カンペドフェリエ関数、カンペ・ド・フェリエ関数) ・・・ 2変数に一般化(一般的な六次方程式の解法で使用)
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