ジョー・ブラントン

ジョー・ブラントンJoe Blanton、本名:ジョゼフ・マシュー・ブラントンJoseph Matthew Blanton, 1980年12月11日 - )は、アメリカ合衆国テネシー州ナッシュビル出身の元プロ野球選手投手)。右投右打。愛称はジョー・B[1]

ジョー・ブラントン
Joe Blanton
フィラデルフィア・フィリーズでの現役時代
(2008年8月1日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 テネシー州ナッシュビル
生年月日 (1980-12-11) 1980年12月11日(42歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
255 lb =約115.7 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2002年 MLBドラフト1巡目追補(全体24位)でオークランド・アスレチックスから指名
初出場 2004年9月21日 テキサス・レンジャーズ
最終出場 2017年10月1日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴

プロ入り前

ケンタッキー州のフランクリン・シンプソン高等学校を卒業するまでは捕手をしていた。ケンタッキー大学進学後に投手となる。大学でのチームメイトにはブランドン・ウェブがいる。

プロ入りとアスレチックス時代

2002年MLBドラフト1巡目追補(全体24位)でオークランド・アスレチックスから指名され、プロ入り。

2004年9月21日テキサス・レンジャーズ戦でメジャーデビューを果たす。この年は、3試合に登板した。このシーズン終了後、緊縮財政下にあるアスレチックスは年俸総額削減のため、先発ローテーション "ビッグ3" のうちティム・ハドソンマーク・マルダーを他球団へ放出した。

2005年、ブラントンは実質1年目ながら先発ローテーションに定着。先発登板33試合はオークランド移転後の球団新人記録を更新、12勝は同最多タイだった[2]。また、防御率3.53・WHIP1.217はともにリーグ10位。同じくこの年にローテーションに定着した同い年のダン・ヘイレンやブラントンの活躍で、アスレチックスは前年より勝ち星を3つ減らしただけで済んだ(88勝74敗)。

2006年は16勝を挙げたが、被安打が大きく増加し防御率4.82も前年より1.29悪化、リーグの先発投手平均より悪かった。

2007年は230.0イニング(リーグ2位)を投げ14勝10敗・防御率3.95を記録した。シーズン途中でポストシーズン進出が絶望的となったアスレチックスは、数年後を見据えた動きを始める。それは、主力選手をトレードで放出して見返りに相手球団の将来有望な若手選手を集めることだった。チームのエースだったヘイレンもアリゾナ・ダイヤモンドバックスへ移籍した。

2008年はブラントンがヘイレンに代わってエースとなった。こうして3月25日日本東京ドームで開催された開幕戦に登板しボストン・レッドソックス松坂大輔と投げ合ったが、6回途中3失点で降板している。ブラントンはこの年不調で、前半戦終了時点で5勝12敗・防御率4.96と低迷。一方のアスレチックスはシーズン開幕後も主力放出・若手獲得を進める。7月8日には、3月の日本開幕シリーズでブラントンに続いて第2戦に先発したリッチ・ハーデンシカゴ・カブスへ移籍している。

フィリーズ時代

2008年7月17日フィラデルフィア・フィリーズへ若手3選手とのトレードで移籍することになった。移籍後は4勝留まり(無敗)で計9勝12敗と初の負け越しで4年連続二桁勝利にはならなかったが、自身初出場となったワールドシリーズでは第4戦に登板して勝利投手となり、打者としても本塁打を放った。この年フィリーズはワールドシリーズを制した。

ドジャース時代

2012年8月にロサンゼルス・ドジャースへ移籍した。オフにフリーエージェント(FA)となった。

エンゼルス時代

2012年12月12日に2年1500万ドル(3年目は800万ドルのオプション)でロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムに移籍した[3]

2014年3月26日に自由契約となった[4]

古巣復帰と現役引退

2014年3月31日にアスレチックスとマイナー契約を結んだ[5]。傘下のAAA級サクラメント・リバーキャッツへ異動となり、2試合に先発した。4月13日に現役引退を発表した[6]

現役復帰・ロイヤルズ時代

2015年2月13日カンザスシティ・ロイヤルズとマイナー契約を結んだ。4月5日に傘下のAAA級オマハ・ストームチェイサーズへ配属された[7]5月16日にメジャー昇格した。7月28日DFAとなった[8]

パイレーツ時代

2015年7月29日に金銭トレードで、ピッツバーグ・パイレーツへ移籍した[9]。オフの11月2日にFAとなった[10]

ドジャース復帰

2016年1月19日、ドジャースと1年契約を結んだ[11]。この年は復帰してから本格的にリリーフ専任となり、リーグ8位タイ・チームトップ[12]となる75試合に登板。7勝2敗・防御率2.48・WHIP1.01という素晴らしい成績を残し、通算100勝まであと1とリーチをかけた。また、前年に開花した三振奪取能力も健在で、投球イニング数と同数の80三振を奪った。オフの11月3日にFAとなった[13]

ナショナルズ時代

2017年3月2日ワシントン・ナショナルズと1年400万ドル+出来高最大100万ドルで契約を結んだ[14][15]。この年は51試合に登板し通算100勝を達成したが、防御率5.68と打ち込まれた。11月2日にFAとなった[16]

投球スタイル

球を低目に集めて相手打者を打たせて取るタイプの投手で、2007年の与四球率1.57がリーグ4位になるなど四球が少ない。球種は88 - 93mph(約141.6 - 149.7km/h)のフォーシームシンカーカット・ファスト・ボールの3種類の速球と、大きく曲がるカーブ、そしてスライダーチェンジアップ[17]。投球フォームは、かつて捕手をしていたことが影響しているのか、腕を後ろに引く動作が小さくなっていて、まるで捕手が送球するような投げ方になっている。本人はこのフォームについて「僕にはこれが自然な投げ方。きっと、打者はタイミングを取りにくいんだろう」とコメントしている[18]

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2004 OAK 300000000----308.061200600555.631.00
2005 3333200121200.500835201.11782367351164286793.531.22
2006 3231110161200.571856194.1241175845107301111044.821.54
2007 3434311141000.583950230.0240164044140311061013.951.22
2008 202000051200.294550127.0145123531621074704.961.42
PHI 131300040001.00030570.266103103491036334.201.37
'08計 333300091200.429855197.2211226634111201101034.691.40
2009 313100012800.600837195.11983059481637089884.051.32
2010 29280009600.600765175.220627436313420104944.821.42
2011 1180001200.33318041.1525901350023235.011.48
2012 21202128900.471560133.11412218231154074684.591.18
LAD 10100002400.33324657.26671630511032324.991.42
'12計 3130212101300.435806191.0207293453166501061004.711.26
2013 LAA 282000021400.125611132.21802934441089096896.041.61
2015 KC 1540002220.50017241.2436710400019183.891.20
PIT 21000050001.00013734.12619413920761.571.02
'15計 3640007220.77830976.06971651792026242.841.12
2016 LAD 75000072028.77831580.05572642803023222.481.01
2017 WSH 5100002407.33319544.153101321391029285.681.49
MLB:13年 42725283310197235.51075441767.21896223467444112844139148604.381.34
  • 2017年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

記録

MiLB

背番号

  • 64(2004年)
  • 55(2005年 - 2008年途中、2013年、2015年途中 - 2016年)
  • 56(2008年途中 - 2012年、2017年 - )
  • 49(2015年 - 同年途中)

脚注

  1. Explaining Nats Players Weekend nicknames MLB.com (英語) (2017年8月25日) 2017年9月22日閲覧
  2. "2005 Career Highlights," The Official Site of The Oakland Athletics. 2008年1月24日閲覧。
  3. Alden Gonzalez (2012年12月12日). Angels finalize deals with Joe Blanton, Sean Burnett (英語). MLB.com. 2015年7月29日閲覧。
  4. Joey Nowaklanguage=英語 (2014年3月26日). Blanton granted unconditional release by Angels”. MLB.com. 2014年3月27日閲覧。
  5. Spencer Fordin (2014年3月31日). A's sign veteran Blanton to Minor League deal (英語). MLB.com. 2014年4月1日閲覧。
  6. Bill Baer (2014年4月13日). “Joe Blanton has retired from baseball” (英語). NBC Sports. http://hardballtalk.nbcsports.com/2014/04/13/joe-blanton-has-retired-from-baseball/ 2015年7月29日閲覧。
  7. Jeffrey Flanagan (2015年4月6日). “Royals put their Opening Day roster in place” (英語). MLB.com. http://m.royals.mlb.com/news/article/116487132/kansas-city-royals-put-their-opening-day-roster-in-place 2015年5月4日閲覧。
  8. Sean d'Oliveira (2015年7月28日). “Royals DFA Joe Blanton” (英語). FANTASY NEWS (CBSSports.com). http://fantasynews.cbssports.com/fantasybaseball/update/25252582/royals-dfa-joe-blanton 2015年7月29日閲覧。
  9. Adam Berry (2015年7月29日). Pirates pick up righty Blanton from Royals (英語). MLB.com. 2015年7月30日閲覧。
  10. Transactions | pirates.com (英語). MLB.com (2015年11月2日). 2015年11月4日閲覧。
  11. Dodgers ink reliever Blanton to 1-year deal (英語). ロサンゼルス・ドジャース 公式サイト (2016年1月19日). 2016年1月29日閲覧。
  12. 2016 Los Angeles Dodgers Pitching Statistics - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年12月27日閲覧。
  13. MLB公式プロフィール参照。2017年3月4日閲覧。
  14. Jamal Collier (2017年3月2日). Nationals, Blanton agree on one-year deal (英語). MLB.com. 2017年3月4日閲覧。
  15. Jamal Collier (2017年3月2日). Blanton officially signs, arrives at camp (英語). MLB.com. 2017年3月4日閲覧。
  16. Key free agents for all 30 MLB teams MLB.com (英語) (2017年11月5日) 2017年12月27日閲覧
  17. Lindy's, "2008 Preview: Oakland Athletics," FOX Sports on MSN, 2008年3月16日。 2008年4月13日閲覧。
  18. 「■アスレチックス――若さ武器 接戦必勝」 『読売新聞 MLB開幕戦特集』2008年3月21日付朝刊別刷り、2面。

関連項目

外部リンク

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