GRANDAME-JAPAN

GRANDAME-JAPAN(グランダム・ジャパン)は、地方競馬全国協会が主催する牝馬限定の世代別ポイント制シリーズである。略称は「GDJ」。

概要

牝馬競走の振興と入厩促進を図るため、2010年から創設された。「GRANDAME」とはフランス語の「GRANDE」(偉大な)と「DAME」(婦人)を組み合わせた造語である。キャッチフレーズは「ロジータふたたび」。2016年度の公式サイトにはロジータに加え、仔のカネツフルーヴ、孫のレギュラーメンバーも登場している。

ポイント

「最終戦及びダートグレード競走」「全国交流競走」「地区内限定重賞」の3つに分けられ、「全国交流競走」で他地区レースに出走した場合は通常より加算したポイントが適用される。

地区分類は「北海道」「東北」「南関東」「北陸・東海・近畿・中四国」「九州」の5ブロックに分けられる。

各世代でポイント累計獲得数3位までの馬の関係者には日本軽種馬協会を通じて賞金が授与される。賞金の授与対象は「シリーズに2戦以上出走」「いずれかの競走で3着以内」「シリーズ最終戦の時点で地方競馬所属」をすべて満たす馬となっている。また賞金の按分は馬主9割:調教師1割となっている[1]

2017年より3歳・古馬シーズン最終戦におけるエクストラポイントが追加され、地方馬最先着、地方馬内2着、地方馬内3着の馬にそれぞれポイントが加算されることになった[2]

2022年シリーズ
レース区分1着2着3着4着5着6着以下
最終戦・ダートグレード競走201510752
全国交流競走(他地区出走)1597531
全国交流競走(自地区出走)1064210
地区内限定重賞743210
地方馬最先着地方馬内2着地方馬内3着
エクストラポイント(3歳・古馬)15105
  • 競走中止・発走除外などで着順なしの場合は全て0ポイント。
  • 同着時はポイントの案分はせず、そのまま加算する。
  • 最終獲得ポイントが同点だった場合は、最終戦の着順にて順位を決定する。

対象競走

レース体系は「2歳」「3歳(春季限定)」「古馬(3歳夏以降)」の3つに分けられ、それぞれ行なわれる。

地区名がかっこ書きのものは、所属地区の馬か否かにかかわらずポイントが変わらないもの(ダートグレード競走ならびに最終戦)を示す。

以下の競走一覧は2023年のものによる[3][4]

2歳シーズン

賞金は1位300万円、2位200万円、3位100万円。賞金配分は馬主90%、調教師10%。

レース名開催地地区ポイント適用備考
園田プリンセスカップ園田北陸・東海・近畿全国交流競走
金沢シンデレラカップ金沢北陸・東海・近畿全国交流競走2016年に対象競走に追加[5]。2021年は対象外。
エーデルワイス賞門別(北海道)ダートグレード競走
ラブミーチャン記念笠松北陸・東海・近畿全国交流競走2014年に「プリンセス特別」から改称。
ローレル賞川崎南関東全国交流競走
プリンセスカップ盛岡東北全国交流競走2012年に対象競走に追加・重賞格上げ。[6]
2019年は11月25日に施行予定であったものの取り止め[注 1]

2020年までは水沢競馬場での開催だった。

東京2歳優駿牝馬大井(南関東)最終戦

3歳シーズン

賞金は1位400万円、2位200万円、3位100万円。賞金配分は馬主90%、調教師10%。

レース名開催地地区ポイント適用備考
若草賞土古記念名古屋北陸・東海・近畿全国交流競走2011年に対象競走に追加。
2013年までは福山競馬場で開催。
2023年に「若草賞」から改称。
桜花賞浦和南関東全国交流競走
ル・プランタン賞佐賀九州全国交流競走
東海クイーンカップ名古屋北陸・東海・近畿全国交流競走2012年に対象競走に追加。
東京プリンセス賞大井南関東地区内限定重賞
のじぎく賞園田北陸・東海・近畿全国交流競走
留守杯日高賞水沢東北全国交流競走
関東オークス川崎(南関東)最終戦

古馬シーズン

賞金は1位1000万円、2位200万円、3位100万円。賞金配分は馬主90%、調教師10%。

レース名開催地地区ポイント適用備考
佐賀ヴィーナスカップ佐賀九州全国交流競走2018年に対象競走に追加[7]
スパーキングレディーカップ川崎(南関東)ダートグレード競走2011年に対象競走に追加[1]
ノースクイーンカップ門別北海道全国交流競走
兵庫サマークイーン賞園田北陸・東海・近畿全国交流競走
読売レディス杯金沢北陸・東海・近畿全国交流競走2021年のみ対象競走から外れる(競走記事参照)。
ブリーダーズゴールドカップ門別(北海道)ダートグレード競走2014年に対象競走に追加。
ビューチフル・ドリーマーカップ水沢東北全国交流競走2021年・2022年は盛岡競馬場で施行。
秋桜賞名古屋北陸・東海・近畿全国交流競走
レディスプレリュード大井(南関東)最終戦2011年に「TCKディスタフ」から改称。

過去の対象競走

区分レース名開催地地区ポイント適用備考
古馬トゥインクルレディー賞大井南関東地区内限定重賞2010年をもって競走廃止。

歴代チャンピオン

3歳シリーズ

実施年チャンピオン馬所属獲得P桜花若草日高ル・プラ東海Q東京Pのじぎく関オー
2010年エレーヌ笠松43ポイント不出走-1着1着-所属外1着6着
2011年マンボビーン兵庫34ポイント中止2着不出走1着-所属外1着11着
2012年メイレディ兵庫29ポイント不出走2着不出走1着不出走所属外2着不出走
2013年エイシンルンディー笠松34ポイント5着不出走2着1着不出走所属外7着5着
2014年トーコーニーケ兵庫45ポイント不出走1着不出走不出走1着所属外1着2着
2015年トーコーヴィーナス兵庫31ポイント2着不出走不出走不出走1着所属外1着7着
2016年クラトイトイトイ船橋39ポイント不出走1着不出走不出走1着不出走2着不出走
2017年ステップオブダンス大井29ポイント5着不出走不出走不出走不出走3着不出走3着
2018年ゴールドパテック川崎33ポイント7着不出走不出走不出走不出走3着不出走2着
2019年トーセンガーネット浦和42ポイント1着不出走不出走不出走不出走1着不出走3着
2020年アクアリーブル船橋47ポイント1着不出走不出走不出走不出走1着不出走2着
2021年ケラススヴィア浦和47ポイント1着不出走不出走不出走不出走1着不出走2着
2022年スピーディキック浦和42ポイント1着不出走不出走不出走不出走1着不出走3着
2023年マルグリッド兵庫36ポイント不出走不出走不出走1着不出走不出走2着5着

古馬シリーズ

実施年チャンピオン馬所属獲得PSLC読売サマーBD杯TL賞NQC秋桜レディ
2010年キーポケット兵庫27ポイント-1着2着不出走所属外不出走2着15着
2011年エーシンクールディ笠松40ポイント不出走1着1着不出走-不出走1着3着
2012年エーシンクールディ笠松29ポイント不出走1着3着不出走-不出走2着4着
2013年アスカリーブル船橋22ポイント不出走不出走2着2着-不出走不出走6着
実施年チャンピオン馬所属獲得P佐賀ヴィSLC読売サマーBD杯BGCNQC秋桜レディ
2014年アスカリーブル船橋28ポイント-9着不出走2着1着不出走不出走不出走7着
2015年サンバビーン北海道32ポイント-不出走不出走不出走1着7着1着不出走5着
2016年トーコーヴィーナス兵庫41ポイント-不出走1着2着不出走不出走不出走1着2着
2017年ララベル大井37ポイント-2着不出走不出走不出走不出走不出走不出走4着
2018年ディアマルコ高知52ポイント1着不出走4着1着不出走不出走不出走1着8着
2019年クレイジーアクセル大井52ポイント不出走不出走不出走不出走1着不出走1着不出走4着
2020年サラーブ大井46ポイント不出走6着2着不出走不出走不出走不出走1着5着
2021年グランデストラーダ大井45ポイント不出走3着-不出走不出走不出走不出走1着5着
2022年ダノンレジーナ浦和47ポイント1着不出走不出走1着不出走不出走不出走1着9着

2歳シリーズ

実施年チャンピオン馬所属獲得P園田エーデ金沢ローレラブミプリC東京2
2010年クラーベセクレタ船橋27ポイント不出走4着-不出走不出走-1着
2011年ショコラヴェリーヌ大井17ポイント不出走不出走-2着不出走-3着
2012年カツゲキドラマ笠松32ポイント1着不出走-4着1着不出走4着
2013年カクシアジ北海道47ポイント1着7着-不出走1着1着不出走
2014年ジュエルクイーン愛知35ポイント不出走2着-不出走1着不出走5着
2015年モダンウーマン川崎50ポイント不出走2着-不出走1着不出走1着
2016年アップトゥユー川崎45ポイント不出走2着不出走1着不出走不出走2着
2017年エグジビッツ北海道44ポイント3着不出走1着不出走3着1着不出走
2018年アークヴィグラス大井50ポイント不出走1着不出走1着不出走不出走1着
2019年テーオーブルベリー北海道39ポイント2着不出走不出走不出走1着取止[注 1]2着
2020年ケラススヴィア浦和30ポイント不出走不出走不出走1着不出走不出走1着
2021年スピーディキック浦和40ポイント不出走1着-不出走不出走不出走1着
2022年ボヌールバローズ大井30ポイント不出走不出走不出走不出走1着不出走2着

脚注

  1. 2019年11月10日の岩手競馬(盛岡競馬場)において禁止薬物陽性馬が発見されたことを受け、同年11月18日から25日の岩手競馬(盛岡競馬場・水沢競馬場)の開催が取り止めとなったため。2019年の日本競馬#11月を参照。

出典

  1. グランダム・ジャパン2011概要 (PDF). 地方競馬情報サイト. 地方競馬全国協会 (2011年2月24日). 2011年2月24日閲覧。
  2. グランダム・ジャパン2017 実施概要決定”. 地方競馬情報サイト TOPICS-2017. 地方競馬全国協会 (2017年2月28日). 2017年2月28日閲覧。
  3. お知らせ|地方競馬情報サイト”. 2022年3月1日閲覧。
  4. グランダム・ジャパン2023日程”. 地方競馬全国協会. 2023年3月31日閲覧。
  5. グランダム・ジャパン2016 実施概要決定”. 地方競馬全国協会 (2016年2月24日). 2016年2月28日閲覧。
  6. 第29回プリンセスカップ”. 岩手競馬公式サイト. 2014年11月15日閲覧。
  7. グランダムジャパン2018日程 (PDF). 地方競馬情報サイト. 地方競馬全国協会 (2018年2月28日). 2018年2月28日閲覧。

各年の開催方式・結果の出典

外部リンク

ウィキニュースに関連記事があります。モダンウーマンが「第39回東京2歳優駿牝馬(SI)選定馬重賞」を勝利、GRANDAME-JAPANの2歳シーズンをも制覇する【2016年1月30日】

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