1990年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ

1990年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは10月4日に開幕した。アメリカンリーグの第22回リーグチャンピオンシップシリーズ(22nd American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、6日から10日にかけて計4試合が開催された。その結果、オークランド・アスレチックス西地区)がボストン・レッドソックス東地区)を4勝0敗で下し、3年連続15回目のリーグ優勝および14回目のワールドシリーズ進出を果たした。

1990年アメリカンリーグ
チャンピオンシップシリーズ
チーム 勝数
オークランド・アスレチックス 4
ボストン・レッドソックス 0
シリーズ情報
試合日程 10月6日–10日
観客動員 4試合合計:16万8340人
1試合平均:04万2085人
MVP デーブ・スチュワート(OAK)
殿堂表彰者 トニー・ラルーサ(OAK監督)
ハロルド・ベインズ(OAK指名打者)
デニス・エカーズリー(OAK投手)
リッキー・ヘンダーソン(OAK外野手)
ウェイド・ボッグス(BOS内野手)
リー・スミス(BOS投手)
チーム情報
オークランド・アスレチックス(OAK)
シリーズ出場 3年連続9回目
GM サンディ・アルダーソン
監督 トニー・ラルーサ
シーズン成績 103勝59敗・勝率.636
西地区優勝

ボストン・レッドソックス(BOS)
シリーズ出場 2年ぶり4回目
GM ルー・ゴーマン
監督 ジョー・モーガン
シーズン成績 088勝74敗・勝率.543
東地区優勝

 < 1989
ALCS
1990

1991 > 

 < 1989
NLCS
1990

1991 > 
ワールドシリーズ

この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、アスレチックスが8勝4敗と勝ち越していた[1]。両球団がリーグ優勝決定戦で対戦するのは1988年以来2年ぶり3度目で、今シリーズも前回対戦と同じくアスレチックスが負けなしの "スウィープ" で制した。アスレチックスは1989年リーグ優勝決定戦・第4戦から続くポストシーズンでの連勝を、レッドソックスは1986年ワールドシリーズ第6戦から続くポストシーズンでの連敗を、それぞれ10に伸ばした。アスレチックスの連勝記録は歴代2位であり[注 1][2]、レッドソックスの連敗記録も歴代2位タイである[注 2][3]シリーズMVPには、第1戦と第4戦の2度の先発登板でいずれも8.0イニングを投げて勝利投手となり、防御率1.13という成績を残したアスレチックスのデーブ・スチュワートが選出された。しかしアスレチックスは、ワールドシリーズではナショナルリーグ王者シンシナティ・レッズに0勝4敗で敗れ、ポストシーズン連勝記録を止められたうえに2年連続10度目の優勝も逃した。

試合結果

1990年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月6日に開幕し、途中に移動日を挟んで5日間で4試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付試合ビジター球団(先攻)スコアホーム球団(後攻)開催球場
10月06日(土)第1戦オークランド・アスレチックス9-1ボストン・レッドソックスフェンウェイ・パーク
10月07日(日)第2戦オークランド・アスレチックス4-1ボストン・レッドソックス
10月08日(月)移動日
10月09日(火)第3戦ボストン・レッドソックス1-4オークランド・アスレチックスオークランド・アラメダ・
カウンティ・コロシアム
10月10日(水)第4戦ボストン・レッドソックス1-3オークランド・アスレチックス
優勝:オークランド・アスレチックス(4勝0敗 / 3年連続15度目)

第1戦 10月6日

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
8回表、カーネイ・ランスフォードの適時打でアスレチックスが1点を勝ち越し(39秒)
9回裏、デニス・エカーズリーがマイク・グリーンウェルを二ゴロに打ち取り試合終了、アスレチックスが先勝(36秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
オークランド・アスレチックス 0 0 0 0 0 0 1 1 7 9 13 0
ボストン・レッドソックス 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 5 1
  1. デーブ・スチュワート(1勝)  ラリー・アンダーセン(1敗)  
  2. 本塁打
    BOS:ウェイド・ボッグス1号ソロ
  3. 審判
    [球審]リッチ・ガルシア
    [塁審]一塁: ジョン・ハーシュベック、二塁: ジム・エバンス、三塁: テリー・クーニー
    [外審]左翼: ビック・ボルタジオ、右翼: ラリー・マッコイ
  4. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時30分 試合時間: 3時間26分 観客: 3万5192人 気温: 74°F(23.3°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
オークランド・アスレチックスボストン・レッドソックス
打順守備選手打席 打順守備選手打席
1R・ヘンダーソン1J・リード
2W・マギー2C・キンタナ
3J・カンセコ3W・ボッグス
4DHH・ベインズ4E・バークス
5C・ランスフォード5M・グリーンウェル
6T・スタインバック6DHD・エバンス
7M・マグワイア7T・ブラナンスキー
8W・ワイス8T・ペーニャ
9M・ガイエゴ9L・リベラ
先発投手投球先発投手投球
D・スチュワートR・クレメンス

第2戦 10月7日

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
9回裏、デニス・エカーズリーが代打ダニー・ヒープを遊ゴロに打ち取り試合終了、アスレチックスが連勝(31秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
オークランド・アスレチックス 0 0 0 1 0 0 1 0 2 4 13 1
ボストン・レッドソックス 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 6 0
  1. ボブ・ウェルチ(1勝)  グレッグ・ハリス(1敗)  Sデニス・エカーズリー(1S)  
  2. 審判
    [球審]ジョン・ハーシュベック
    [塁審]一塁: ジム・エバンス、二塁: テリー・クーニー、三塁: ビック・ボルタジオ
    [外審]左翼: ラリー・マッコイ、右翼: リッチ・ガルシア
  3. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時15分 試合時間: 3時間42分 観客: 3万5070人 気温: 71°F(21.7°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
オークランド・アスレチックスボストン・レッドソックス
打順守備選手打席 打順守備選手打席
ボストン・レッドソックス先発ラインナップの守備位置
D・キーカー
D・キーカー
C・キンタナ
C・キンタナ
J・リード
J・リード
L・リベラ
L・リベラ
T・ブラナンスキー
T・ブラナン
スキー
1R・ヘンダーソン1J・リード
2W・マギー2C・キンタナ
3J・カンセコ3W・ボッグス
4DHH・ベインズ4E・バークス
5M・マグワイア5M・グリーンウェル
6C・ランスフォード6DHD・エバンス
7R・ハッシー7T・ブラナンスキー
8W・ワイス8T・ペーニャ
9M・ガイエゴ9L・リベラ
先発投手投球先発投手投球
B・ウェルチD・キーカー

第3戦 10月9日

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
アスレチックスの元バットボーイでラッパーのM.C.ハマーによる始球式(41秒)
アスレチックスのウィリー・ランドルフが4回裏に勝ち越し適時打、6回裏に適時打を放ち計2打点を挙げる(1分5秒)
9回表、デニス・エカーズリーが代打ダニー・ヒープを二ゴロに打ち取り試合終了、アスレチックスがリーグ優勝に王手をかける(36秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ボストン・レッドソックス 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 8 3
オークランド・アスレチックス 0 0 0 2 0 2 0 0 X 4 6 0
  1. マイク・ムーア(1勝)  マイク・ボディッカー(1敗)  Sデニス・エカーズリー(2S)  
  2. 審判
    [球審]ジム・エバンス
    [塁審]一塁: テリー・クーニー、二塁: ビック・ボルタジオ、三塁: ラリー・マッコイ
    [外審]左翼: リッチ・ガルシア、右翼: ジョン・ハーシュベック
  3. 試合開始時刻: 太平洋夏時間UTC-7)午後0時20分 試合時間: 2時間47分 観客: 4万9026人 気温: 75°F(23.9°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ボストン・レッドソックスオークランド・アスレチックス
打順守備選手打席 打順守備選手打席
1J・リード1R・ヘンダーソン
2C・キンタナ2C・ランスフォード
3W・ボッグス3J・カンセコ
4E・バークス4DHH・ベインズ
5M・グリーンウェル5M・マグワイア
6DHD・エバンス6D・ヘンダーソン
7T・ブラナンスキー7T・スタインバック
8T・ペーニャ8W・ランドルフ
9L・リベラ9M・ガイエゴ
先発投手投球先発投手投球
M・ボディッカーM・ムーア

第4戦 10月10日

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
2回裏、レッドソックス先発投手ロジャー・クレメンスがストライク/ボールの判定に文句をつけたとして、球審テリー・クーニーに退場処分を下される(2分15秒)
次打者マイク・ガイエゴの2点二塁打でアスレチックスが3点差に突き放す(47秒)
8回表、アスレチックス先発投手デーブ・スチュワートがルイス・リベラを左飛に打ち取ってイニングを終わらせる(24秒)
9回表、リック・ハニカットがマイク・グリーンウェルを遊ゴロに仕留めて試合終了、アスレチックスのリーグ3連覇が決定(1分20秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ボストン・レッドソックス 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 4 1
オークランド・アスレチックス 0 3 0 0 0 0 0 0 0 3 6 0
  1. デーブ・スチュワート(2勝)  ロジャー・クレメンス(1敗)  Sリック・ハニカット(1S)  
  2. 審判
    [球審]テリー・クーニー
    [塁審]一塁: ビック・ボルタジオ、二塁: ラリー・マッコイ、三塁: リッチ・ガルシア
    [外審]左翼: ジョン・ハーシュベック、右翼: ジム・エバンス
  3. 試合開始時刻: 太平洋夏時間UTC-7)午後0時20分 試合時間: 3時間2分 観客: 4万9052人 気温: 71°F(21.7°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ボストン・レッドソックスオークランド・アスレチックス
打順守備選手打席 打順守備選手打席
1E・バークス1R・ヘンダーソン
2J・リード2D・ヘンダーソン
3W・ボッグス3J・カンセコ
4M・グリーンウェル4DHH・ベインズ
5T・ペーニャ5C・ランスフォード
6DHD・エバンス6T・スタインバック
7T・ブラナンスキー7M・マグワイア
8C・キンタナ8W・ランドルフ
9L・リベラ9M・ガイエゴ
先発投手投球先発投手投球
R・クレメンスD・スチュワート

脚注

注釈

  1. 当時のポストシーズン最長連勝記録は、ニューヨーク・ヤンキースが保持していた。1927年のワールドシリーズ第1戦から1932年のワールドシリーズ第4戦にかけて、12連勝を達成している。
  2. 当時のポストシーズン最長連敗記録は、フィラデルフィア・フィリーズの11。1915年のワールドシリーズ第2戦から1976年ナショナルリーグ優勝決定戦・第3戦にかけて記録した。2位でレッドソックスと並ぶのはカンザスシティ・ロイヤルズで、1980年のワールドシリーズ第5戦から1985年アメリカンリーグ優勝決定戦・第2戦にかけて10連敗を喫した。

出典

  1. "1990 Oakland Athletics Schedule," Baseball-Reference.com. 2021年4月10日閲覧。
  2. Mark Maske, "MORE SCORNED THAN PITIED, A'S ABOVE ALL ARE ENVIED," The Washington Post, October 14, 1990. 2021年4月10日閲覧。
  3. Ray Corio, "Question Box," The New York Times, October 22, 1990. 2021年4月10日閲覧。

外部リンク

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