第61回東京優駿

第61回東京優駿1994年5月29日東京競馬場で施行された競馬競走である。ナリタブライアン皐月賞に続き連勝し、二冠を達成した。

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映像外部リンク
1994 日本ダービー
レース映像 jraofficial(JRA公式YouTubeチャンネル)による動画

※年齢は全て旧表記にて表記

レース施行時の状況

1994年の牡馬クラシックナリタブライアン皐月賞に優勝し、その競走内容に対する評価は高く、東京優駿における最有力馬と目されていた。同馬の対抗馬には弥生賞を優勝したサクラエイコウオーのほか、故障により皐月賞に出走することができずNHK杯を優勝したナムラコクオー、獲得賞金の不足から皐月賞に出走することができず、この年から重賞に昇格したトライアル青葉賞を優勝したエアダブリンなどナリタブライアンとの対戦経験のない競走馬が挙げられた。サクラローレルは、右後脚球節炎を発症したため出走できなかった。

トライアルの結果

第1回青葉賞
着順競走馬名騎手タイム着差
1エアダブリン牡4岡部幸雄2.28.8
2ノーザンポラリス牡4的場均2.28.91/2馬身
3サクラローレル牡4小島太2.28.9アタマ
第42回NHK杯
着順競走馬名性齢騎手タイム着差
1ナムラコクオー牡4南井克巳2.01.9
2ヤシマソブリン牡4坂井千明2.02.32馬身1/2
3セントギャロップ牡4田中勝春2.02.61馬身3/4

出走馬と枠順

枠番馬番競走馬名騎手オッズ調教師生産牧場
11フジノマッケンオー牡4武豊23.2(5人)中村好夫本桐牧場
2サムソンビッグ牡4田所秀孝183.3(18人)鹿戸幸治サムソン牧場
23サクラエイコウオー牡4小島太15.9(3人)境勝太郎谷岡牧場
4エアダブリン牡4岡部幸雄21.0(4人)伊藤雄二社台ファーム
35ヤシマソブリン牡4坂井千明57.1(10人)松山康久三石橋本牧場
6オフサイドトラップ牡4安田富男28.6(6人)加藤修甫村本牧場
47メルシーステージ牡4河北通76.8(13人)小野幸治三石ファーム
8トロナラッキー牡4村本善之183.2(17人)高橋成忠富田牧場
59セントギャロップ牡4横山典弘89.4(14人)野平好男西山牧場
10ナムラコクオー牡4上村洋行8.6(2人)野村彰彦伊藤正嗣牧場
611イイデライナー牡4岸滋彦57.7(11人)大久保正陽グランド牧場
12マルカオーカン牡4河内洋175.9(16人)瀬戸口勉川上悦男牧場
713エクセレンスロビン牡4藤田伸二149.1(15人)山内研二社台ファーム
14ドラゴンゼアー牡4加藤和宏38.5(9人)中尾謙太郎マークリ牧場
15ノーザンポラリス牡4的場均33.6(7人)森秀行社台ファーム
816アイネスサウザー牡4柴田善臣37.9(8人)本郷一彦岡田牧場
17ナリタブライアン牡4南井克巳1.2(1人)大久保正陽早田牧場
18スギノブルボン牡4松永昌博70.5(12人)松永善晴平岡牧場

レース結果

優勝馬ナリタブライアン
1996年3月9日 阪神競馬場
第44回阪神大賞典
優勝騎手・南井克巳
2011年6月4日 東京競馬場
着順枠番馬番競走馬名タイム着差
1817ナリタブライアン2.25.7
224エアダブリン2.26.65馬身
335ヤシマソブリン2.26.92馬身
411フジノマッケンオー2.26.9ハナ
5715ノーザンポラリス2.27.11馬身1/4
6510ナムラコクオー2.27.63馬身
7612マルカオーカン2.27.6クビ
836オフサイドトラップ2.27.81馬身
959セントギャロップ2.27.9クビ
10714ドラゴンゼアー2.28.01/2
1123サクラエイコウオー2.28.21馬身1/4
12611イイデライナー2.28.83馬身1/2
13816アイネスサウザー2.29.11馬身3/4
1448トロナラッキー2.29.42馬身
15713エクセレンスロビン2.29.61馬身
16818スギノブルボン2.31.210馬身
1747メルシーステージ2.34.2大差
1812サムソンビッグ2.34.2ハナ

レース展開

序盤はメルシーステージが、やがてアイネスサウザーが先頭に立った。1番人気のナリタブライアンは序盤から馬群の外を走り、第3コーナーでスパートを開始して第4コーナーでは2番手に立った。これは東京競馬場における騎乗法としてはセオリーに反する早めのスパートであったが、同馬はそのまま全出走馬中最も速い上がりを記録して優勝した。

データ

1000m通過タイム60.0秒(アイネスサウザー)
上がり4ハロン48.9秒
上がり3ハロン36.4秒
優勝馬上がり3ハロン36.2秒

払戻金

単勝式17120円
複勝式4320円
5520円
17110円
枠連2-8580円
馬連4-171020円

レースの記録

※優勝馬ナリタブライアン。新冠早田牧場新冠支場産。父ブライアンズタイム。母パシフィカス。母の父ノーザンダンサー。ここまで通算11戦8勝[1]。この後、秋の菊花賞を制し、史上5頭目の三冠馬。また年末の有馬記念を制し、4歳にして四冠を制す。これはシンボリルドルフ以来史上2頭目。翌年春は阪神大賞典を勝つも股関節炎を発症して天皇賞(春)を断念。秋は天皇賞(秋)から3連敗。翌々年再び阪神大賞典に勝って天皇賞(春)を目指したが、同期のサクラローレルに交わされて五冠ならず。生涯通算21戦12勝。以後は種牡馬として北海道に戻ったが1998年死去[2]

※大久保正陽調教師・南井克巳騎手とも初勝利。

※8着オフサイドトラップ。この4年後の天皇賞(秋)で1番人気サイレンススズカが骨折する中で優勝する。この時8歳(現7歳)であった。

レースにまつわるエピソード

※単勝配当110円は史上最低配当。従来の記録は1984年シンボリルドルフの130円。また単勝支持率は1973年のハイセイコーの66.8パーセントに次ぐ61.8パーセント[1]

※ナリタブライアンが三冠競走で2着馬につけた着差は皐月賞が3馬身半、日本ダービーが5馬身、菊花賞が7馬身[1]

※当時負傷加療中で同レースをテレビ観戦していた柴田政人は、ナリタブライアンが第3コーナーでスパートするのを見て「早い!」と叫んだ。

テレビ・ラジオ中継

本レースのテレビ・ラジオ放送の実況担当者

出典

  1. 「Gallop・日本ダービー70年史」106P ナリタブライアン
  2. 「Gallop・日本ダービー70年史」138P ダービーと日本の馬産
  3. 競馬「第61回日本ダービー」 - NHKアーカイブス
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