第59回有馬記念

第59回有馬記念(だい59かいありまきねん)は、2014年12月28日中山競馬場で施行された競馬競走である。このレースを最後に引退を表明したジェンティルドンナが優勝し、有終の美を飾った。

第59回有馬記念(優勝馬: ジェンティルドンナ (4番馬))
映像外部リンク
2014 有馬記念
レース映像 jraofficial(JRA公式YouTubeチャンネル)による動画

ファン投票の結果

11月22日から12月7日までファン投票が行われ、11月27日に第1回中間発表、12月4日に第2回中間発表、12月11日に最終発表が行われた[1]。最終の有効件数は143,863件、有効投票総数は957,708票だった。

以下の表において、出走馬は灰色の枠で表示する。

最終順位馬名性齢第1回第2回最終出否
票数順位票数順位票数
1位ゴールドシップ牡512,678139,337166,796出走
2位ジェンティルドンナ牝59,428431,524455,699出走
3位ハープスター牝310,546233,466354,954回避
4位イスラボニータ牡310,394333,606253,745回避
5位ジャスタウェイ牡58,405727,337752,324出走
6位フェノーメノ牡58,906629,075549,520出走
7位ワンアンドオンリー牡38,930527,550645,418出走
8位エピファネイア牡43,373816,6401241,854出走
9位スピルバーグ牡56,587922,115840,764回避
10位トーホウジャッカル牡36,729819,497931,729回避
11位ウインバリアシオン牡66,0871018,4131031,252出走
12位メイショウマンボ牝41,498199,2981230,698出走
13位ヌーヴォレコルト牝35,6421116,9191126,268回避
14位キズナ牡45,1631213,4391319,913回避
15位ラキシス牝43,1841410,1681417,638出走
16位トゥザワールド牡31,260157,5751512,118出走
17位デニムアンドルビー牝41,717166,5921611,800出走
18位トーセンラー牡6889275,6921811,694出走
19位ヴィルシーナ牝51,672185,6161910,354出走
20位サウンズオブアース牡31,708175,115208,119回避
  • 最終登録を行った馬のうち、最終順位21位以下で100位までに入った馬の順位
最終順位馬名性齢第1回第2回最終出否
票数順位票数順位票数
21位ラブイズブーシェ牡51,151233,582257,884除外
22位フェイムゲーム牡41,439204,578217,672除外
23位ラストインパクト牡4850283,005296,899出走
38位サトノノブレス牡4553391,995403,677出走
42位ナカヤマナイト牡6224601,453453,214除外
49位タマモベストプレイ牡4221611,033592,396除外
56位ショウナンラグーン牡3370471,272512,149除外
59位オーシャンブルー牡621863933631,962出走

レース施行前の状況

各競走の結果

施行日レース名着順競走馬名
06月29日第55回宝塚記念(GI)[4]1着ゴールドシップ
2着カレンミロティック
09月28日第60回オールカマー(GII)[5]1着マイネルラクリマ
10月05日第93回凱旋門賞(G1)[6]6着ハープスター
8着ジャスタウェイ
14着ゴールドシップ
10月12日第65回毎日王冠(GII)[7]1着エアソミュール
10月14日第49回京都大賞典(GII)1着ラストインパクト
10月26日第75回菊花賞(GI)1着トーホウジャッカル
2着サウンズオブアース
11月02日第150回天皇賞(秋)(GI)1着スピルバーグ
2着ジェンティルドンナ
11月09日第52回アルゼンチン共和国杯(GII)1着フェイムゲーム
11月16日第39回エリザベス女王杯(GI)1着ラキシス
2着ヌーヴォレコルト
11月30日第34回ジャパンカップ(GI)1着エピファネイア
2着ジャスタウェイ
12月06日第48回ステイヤーズステークス(GII)1着デスペラード
第50回金鯱賞(GII)1着ラストインパクト

施行直前の状況

この年はファン投票の上位馬に回避が少なく、上位20頭のうち13頭が出走を表明し、GI競走の勝ち馬は10頭、出走16頭すべてが重賞優勝馬と豪華な顔ぶれになった。また、登録馬も21頭と多く5頭が除外対象となっていたが、出走可能馬で回避馬が1頭もいなかったため、除外対象馬はすべて除外された。

ジェンティルドンナ、ジャスタウェイ、トーセンラー、ヴィルシーナの4頭はこのレースで引退することが陣営から発表された。[8]また、ジェンティルドンナは同日の全レース終了後に引退式を行うことも発表された。[9]

この年の出走馬のうち、関東馬はフェノーメノ1頭のみで、残り15頭はすべて関西馬であった。[10]

ハープスターとイスラボニータ、スピルバーグはジャパンカップ後、トーホウジャッカルは菊花賞後、ヌーヴォレコルトはエリザベス女王杯後休養に当てるため出走登録は行わなかった。また、キズナは天皇賞(春)のレース中に骨折しており、年内は休養することになった。

この年はJRA史上初めて、指名された馬の関係者が枠順を選択する方式が採用された。指名はニューヨーク・ヤンキース田中将大投手と松山康久元調教師が交互に行った。[11]

1番人気のゴールドシップは2012年の皐月賞菊花賞の2冠馬で、2年前の同レースの覇者でもある。2013年に宝塚記念を優勝し、2014年は史上初の宝塚記念連覇を達成した。海外遠征となった凱旋門賞は14着に敗れ、今回はその凱旋門賞以来約3カ月ぶりのレースとなったが、陣営は3着だった前年の同レースよりも状態がいいと述べていた。[12]

2番人気のエピファネイアは前年度の菊花賞の優勝馬で、2014年の春は未勝利に終わったが、前走のジャパンカップでは豪華メンバーの中、2着馬に4馬身突き放す圧勝を決めてGI2勝目をあげた。[13]

3番人気のジャスタウェイは前年度の天皇賞(秋)4馬身差の圧勝でGI初制覇を飾ると、2014年は中山記念ドバイデューティーフリー安田記念と重賞を連勝した。特にドバイデューティーフリーは2着に6馬身以上突き放す圧勝で、それまでのコースレコードを2秒以上短縮する非常に強い内容だった。このドバイデューティーフリーで国際クラシフィケイションにおいては130ポンドを獲得し、日本競馬史上初の単独1位にランクインされた。海外遠征となった凱旋門賞では8着に敗れたが、ジャパンカップでは2着に入り、健在ぶりをアピールした。

4番人気のジェンティルドンナは2012年度の牝馬三冠馬で、同年のジャパンカップで三冠馬オルフェーヴルを叩き合いの末に下し、3歳牝馬史上初制覇の快挙を成し遂げた。2013年は史上初となるジャパンカップ連覇を達成し、2014年はドバイシーマクラシックを制し、一線級の牡馬とも互角以上の実績を見せていた。3連覇のかかったジャパンカップでは4着に敗れ、当初はこのレースを最後に引退する可能性もあったが、敗戦が「不完全燃焼」であったことから出走を表明した。[14][15]なお、ジェンティルドンナは中山のレースには一度も出走経験がなく、今回が最初で最後の中山出走となる。[16]

単勝オッズ1桁台の馬は以上の4頭で、3番人気のジャスタウェイまでがほぼ固まったオッズとなっており、ジェンティルドンナが離れた4番人気という構図になった。

出走馬と枠順

枠順は12月25日に東京・お台場フジテレビ本社ニューヨーク・ヤンキース田中将大投手をゲストに発表された。[17]

2014年12月28日 第5回中山競馬第8日目 第10競走
天気:晴、馬場状態:良、発走時刻:15時25分[18]

負担重量は4歳以上牡馬・セン馬57kg、4歳以上牝馬及び3歳牡馬55kg、全馬日本 (日本の旗) 調教馬。

枠番馬番競走馬名騎手調教師単勝オッズ
11トーセンラー牡6武豊藤原英昭22.8(8人)
2ヴィルシーナ牝5内田博幸友道康夫77.7(12人)
23ワンアンドオンリー牡3横山典弘橋口弘次郎11.8(5人)
4ジェンティルドンナ牝5戸崎圭太石坂正8.7(4人)
35ラキシス牝4C.デムーロ角居勝彦36.3(11人)
6トゥザワールド牡3W.ビュイック池江泰寿31.2(9人)
47ラストインパクト牡4菱田裕二松田博資17.6(7人)
8メイショウマンボ牝4武幸四郎飯田祐史86.3(14人)
59ウインバリアシオン牡6藤岡康太松永昌博34.9(10人)
10フェノーメノ牡5田辺裕信戸田博文15.3(6人)
611サトノノブレス牡4池添謙一池江泰寿81.0(13人)
12デニムアンドルビー牝4浜中俊角居勝彦118.6(16人)
713エピファネイア牡4川田将雅角居勝彦4.0(2人)
14ゴールドシップ牡5岩田康誠須貝尚介3.5(1人)
815ジャスタウェイ牡5福永祐一須貝尚介4.6(3人)
16オーシャンブルー牡6蛯名正義池江泰寿87.1(15人)

レース結果

レース展開

ゲートが開くとまずメイショウマンボが出遅れた。それ以外の馬はほぼ揃ったスタートを決め、大方の予想通りヴィルシーナがハナを切った。外枠発走となったエピファネイアが2番手につけ、その後ジェンティルドンナ、トーセンラー、ラキシス、ワンアンドオンリーと続き、ゴールドシップが中団やや後方、ジャスタウェイはさらに離れた後方を追走し1周目のホームストレッチに入った。

1000m通過は63秒0と非常に遅いペースとなり、3コーナーまで隊列がほとんど変わることなく進んだが、3〜4コーナー中間点でヴィルシーナが失速し、エピファネイアが押し出される形で先頭に立ち、ジェンティルドンナはマークする形で2番手に上がった。このあたりでゴールドシップがまくりをかけて先団にとりついた。

直線に入るとジェンティルドンナがエピファネイアに競りかけ、残り100mでエピファネイアが後退し先頭に立った。後方からトゥザワールドとゴールドシップが差を詰めてきたが、ジェンティルドンナが4分の3馬身の差で押し切って先頭でゴールし、有終の美を飾った。

1番人気のゴールドシップはトゥザワールドとの写真判定の結果3着、2番人気のエピファネイアは5着、3番人気のジャスタウェイは後方から追い込むも4着にそれぞれ敗れた。

レース着順

着順馬番競走馬名タイム着差上がりタイム
14ジェンティルドンナ2:35.334.1
26トゥザワールド2:35.43/433.8
314ゴールドシップ2:35.4ハナ33.9
415ジャスタウェイ2:35.5クビ33.4
513エピファネイア2:35.5ハナ34.6
65ラキシス2:35.5アタマ34.1
77ラストインパクト2.35.5クビ33.7
81トーセンラー2:35.7134.4
912デニムアンドルビー2:35.7クビ33.9
1010フェノーメノ2:35.7アタマ34.2
1111サトノノブレス2:35.91.1/233.6
129ウインバリアシオン2:35.9ハナ34.1
133ワンアンドオンリー2:36.01/234.4
142ヴィルシーナ2:36.1クビ35.4
158メイショウマンボ2:36.4233.9
1616オーシャンブルー2:36.4ハナ34.2

データ

ハロンタイム7.0 - 11.8 - 12.3 - 12.6 - 12.5 - 13.6 - 13.2 - 13.0 - 12.3 - 12.4 - 11.5 - 11.2 - 11.9
1000m通過タイム63.0秒(ヴィルシーナ)
上がり4ハロン47.0秒
上がり3ハロン34.6秒
優勝馬上がり3ハロン34.1秒

払戻

単勝4870円
複勝4280円
6500円
14160円
枠連2-32,610円
馬連4-612,350円
馬単4-621,190円
3連複4-6-1415,250円
3連単4-6-14109,590円
ワイド4-63,390円
4-14850円
6-141,190円

達成された記録

入場者数・レース売り上げ

  • 入場人員:11万5878人
  • 売上金:388億2561万8100円[21]

エピソード

  • 中山競馬場の全レース終了後に、ジェンティルドンナの引退式が行われた。[22]

テレビ・ラジオ中継

脚注

注釈

    出典

    1. 第59回有馬記念ファン投票 上位100頭!
    2. 第59回有馬記念ファン投票 第1回中間発表!
    3. 第59回有馬記念ファン投票 第2回中間発表!
    4. JRAホームページ
    5. JRAホームページ
    6. Number Web
    7. JRAホームページ
    8. 有馬でラストランを迎える名馬たち引退戦にかけるそれぞれの思い
    9. ジェンティルドンナ号の引退式を有馬記念(GI)当日に中山競馬場で開催
    10. 唯一の関東馬フェノー坂路で調整/有馬記念
    11. 有馬記念の枠順決まる 田中将大投手が運命のくじ引き
    12. ゴールドシップ、昨年とは雲泥の差
    13. JRAホームページ第34回ジャパンカップ
    14. “【JC】ジェンティルドンナは有馬で引退へ”. デイリースポーツ. (2014年11月30日). http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141130-00000074-dal-horse 2014年12月29日閲覧。
    15. “4着で3連覇ならずのジェンティルドンナ 有馬が引退レースに”. 産経ニュース. (2014年11月30日). http://www.sankei.com/sports/news/141130/spo1411300041-n1.html 2014年12月29日閲覧。
    16. 【競馬】名牝ジェンティルドンナがJCの借りを有馬で返す!
    17. “【有馬記念】16頭の枠順確定、エピファネイアは13番”. http://keiba.radionikkei.jp/keiba/post_4976.html
    18. “JRAホームページ 第59回有馬記念”. http://jra.jp/datafile/seiseki/g1/arima/result/arima2014.html
    19. “戸崎騎手(壬生出身)が年間最多勝 146勝、有馬記念も初制覇”. http://www.shimotsuke.co.jp/category/life/personality/news/20141229/1823018
    20. . http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141228-00000522-sanspo-horse=【有馬記念】ジェンティルドンナGIV7で有終の美
    21. “【有馬記念】売り上げ388億円、前年比10%UP 入場者はダウン”. https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/12/29/kiji/K20141229009537740.html
    22. “ジェンティル引退式 花婿は2頭に絞られる”. sanspo.com. (2014年12月28日). http://race.sanspo.com/keiba/news/20141228/ope14122819200020-n1.html 2015年1月6日閲覧。
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