昭和31年台風第9号
昭和31年台風第9号(しょうわ31ねんたいふうだい9ごう、国際名:バブス/Babs)は、1956年8月に、北海道に上陸した台風である[1][2]。バブス台風とも呼ばれるほか[3]、秋田県大館市において、フェーン現象による大火を引き起こした[4][5]。
昭和31年台風第9号 バブス台風 | |
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カテゴリー3の タイフーン (SSHS) | |
発生期間 | 1956年8月12日6時(UTC) - 8月18日18時(UTC) |
寿命 | 156時間(6.5日間) |
最低気圧 | 960 hPa |
最大風速 (気象庁解析) |
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最大風速 (米海軍解析) |
105 kt(1分間平均) |
被害総額 | |
移動距離 | 3,056 km |
死傷者数 | 死者33人・行方不明者3人・負傷者213人 |
被害地域 | 日本 |
概要
1956年8月12日、フィリピンの東海上で発生した台風9号は、当初は中心気圧1,000 hPa前後であったが、その後徐々に勢力をながら北上し、15日に最盛期を迎えて中心気圧960 hPaとなる[1]。16日から17日にかけて、9号は九州・中国地方など西日本にかなり接近し[6]、日本海を縦断して北東に進んだ後、北海道の渡島半島付近に上陸[7][2]。その後消滅した。
被害
- 死者 - 33人[8]
- 行方不明者 - 3人[8]
- 負傷者 - 213人[8]
- 損壊住家 - 37,341棟[8]
- 浸水住家 - 10,431棟[8]
- 被害を受けた耕地の面積 - 11,285 ha[8]
- 船舶被害 - 2,700隻[8]
台風が接近した長崎県の端島では、2年前に建設された日本初のドルフィン式稼働桟橋が台風によって流失したほか、西側と南側の護岸が100 mにわたって随所で崩壊、木造の商店街も全壊するなど、大きな被害を受けた[9][10]。
台風通過後の8月18日23時45分頃、秋田県大館市で戦後3度目となる大火が発生した[11][4][6]。出火元は東大館駅前の旅館で、台風通過後のフェーン現象による強風の影響で火は瞬く間に燃え広がり、中心市街地の大町一帯は消失した[5]。火は15万6,984 ㎡に及ぶ敷地を焼いて約6時間後に鎮火したものの、全市街の約4分の1にあたる1,321戸が焼失、負傷者16人、損害額約40億円に達した[11]。煙草の火の不始末が出火の原因だとされている[12][11]。
脚注
- “デジタル台風:台風195609号 (BABS) - 総合情報(気圧・経路図)”. agora.ex.nii.ac.jp. 2020年4月9日閲覧。
- reiwa153 (2019年9月28日). “北海道への台風上陸回数は?その台風はどんなルートを通ったのか”. メニドラ|気象予報士北上大が綴る気象談話室. 2020年4月9日閲覧。
- “東京湾,伊勢湾および瀬戸内海における風速の極値の推定”. 土木学会. 2020年4月9日閲覧。
- “放送ライブラリ公式ページ”. 放送ライブラリ公式ページ. 2020年4月9日閲覧。
- “大館大火(1956年8月18日) | 災害カレンダー”. Yahoo!天気・災害. 2020年4月9日閲覧。
- 1956年ニュースハイライト(1956年(昭和31年)
- “気象庁|台風経路図1956年”. www.data.jma.go.jp. 2020年4月9日閲覧。
- “デジタル台風:台風195609号 (BABS) - 災害情報”. agora.ex.nii.ac.jp. 2020年4月9日閲覧。
- “端島の豆知識|軍艦島(端島)”. gunkanjima-nagasaki.jp. 2020年4月9日閲覧。
- “軍艦島は台風との戦い!そこで生まれた独自の対策を解説”. ~世界遺産を巡る~ 軍艦島ガイド【完全版】. 2020年4月9日閲覧。
- “今日は何の日 8月18日”. 2020年4月9日閲覧。
- “秋田の消防”. shoubou-akita.or.jp. 2020年4月9日閲覧。
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