御嵩町
御嵩町(みたけちょう)は、岐阜県可児郡の町である。同郡に所属する唯一の町村となっている。
みたけちょう 御嵩町 | |
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鬼岩公園・れんげ岩 | |
国 | 日本 |
地方 | 中部地方、東海地方 |
都道府県 | 岐阜県 |
郡 | 可児郡 |
市町村コード | 21521-0 |
法人番号 | 4000020215210 |
面積 |
56.69km2 |
総人口 |
17,015人 [編集] (推計人口、2023年5月1日) |
人口密度 | 300人/km2 |
隣接自治体 | 可児市、美濃加茂市、土岐市、瑞浪市、加茂郡八百津町 |
町の木 | アカマツ |
町の花 | キク |
御嵩町役場 | |
町長 | 渡邊公夫 |
所在地 |
〒505-0192 岐阜県可児郡御嵩町御嵩1239番地の1 北緯35度26分04秒 東経137度07分51秒 |
外部リンク | 公式ウェブサイト |
■ ― 市 / ■ ― 町・村 | |
ウィキプロジェクト |
地理
岐阜県中南部、木曽川南岸に位置し、町内には一級河川の可児川が流れている。町の約60%が山林であり、中心部は濃尾平野の端部になっている。
- 山:八王子山、御嵩富士
- 河川:木曽川、可児川、津橋川、唐沢川
- 池:前沢池
- ダム:丸山ダム、前沢ダム
歴史
かつて御嵩地区南山付近に御嵩城、顔戸地区に顔戸城があり、近世には中山道の宿場町である御嶽宿と伏見宿があった。
明治・大正期は郡役所[1]、警察署[2]が置かれ、加えて美濃東部では初めての旧制中学校[3]が設置されて、可児郡の中心地だった。
- 1879年(明治12年) - 可児郡が発足し、御嵩に可児郡役所が設置される。
- 1889年(明治22年) - 町村制施行により可児郡御嵩村の区域を以て御嵩町が成立。
- 1955年(昭和30年)2月1日 - 中町・伏見町・上之郷村と新設合併し、改めて御嵩町が発足。
産業廃棄物処理場問題
御嵩町では、1991年以降、産業廃棄物処分場計画で大きく揺れ動き、1996年には反対派町長への盗聴事件や反対派町長襲撃事件が発生している。産廃処分場計画との関連性が指摘され、盗聴事件については2グループ11人が検挙されたが、襲撃事件については犯人が特定できないまま2011年10月に襲撃事件の公訴時効が成立。なお、同計画は頓挫し、2008年3月寿和工業が県に提出していた処分場建設の許可申請を取り下げることで決着した。
産業廃棄物処理場問題の経過
- 1991年8月- 産業廃棄物処理業者である寿和工業株式会社(本社・可児市)が御嵩町に処分場を計画。
- 1992年10月- 町が岐阜県に「不適当な施設」と意見書報告。
- 1995年2月- 町と寿和工業が、住民への説明なしに振興協力金名目で35億円の支払を盛込んだ協定を締結。
- 1995年2月- 町が県への意見書を「やむを得ない」に変更。
- 1995年4月- 町長選で、処分場反対派の元NHK解説委員・柳川喜郎が初当選。
- 1995年9月- 町が県に許可手続きの一時凍結を要請。
- 1996年10月- 御嵩町長襲撃事件が発生する(処分場反対派の町長が一時意識不明の重体となる)。
- 1996年12月- 住民請求により処分場建設の賛否を問う住民投票条例制定を直接請求。
- 1997年1月- 御嵩町議会、住民投票条例案を可決。
- 1997年6月- 産廃処分場計画を争点に全国初の住民投票実施。投票率87.50%・反対79.65%
- 1997年6月~7月- 柳川町長宅電話盗聴容疑等で岐阜県警が興信所所長らを逮捕。
- 1997年7月- 町が県に「住民投票の結果を尊重する」と伝える。
- 1998年6月~7月- 別の盗聴グループを岐阜県警が逮捕。
- 1998年11月- 町などの呼びかけで「全国産廃問題市町村連絡会」設立。
- 2005年4月- 古田肇岐阜県知事が、柳川町長と会談(知事と町長の会談は10年ぶり)。
- 2007年3月- 柳川町長が次回町長選に出馬しないことを表明。
- 2007年4月- 建設反対派で柳川が支援した渡辺公夫が新町長に当選。
- 2007年4月- 古田知事・柳川町長・清水寿和工業社長が県庁にて三者会談。
- 2008年3月- 古田知事・渡辺町長・清水寿和工業社長が県庁にて三者会談。寿和工業が県に提出していた処分場建設の許可申請をとりさげることで合意。
行政
町長
- 初代:伊崎隆三(1955年~1967年、3期)
- 2代目:野呂誠(1967年~1975年、2期)
- 3代目:原貞雄(1975年~1979年、1期)
- 4代目:平井儀男(1979年~1995年、4期)
- 5代目:柳川喜郎(1995年~2007年4月26日、3期)
- 6代目:渡辺公夫(2007年4月27日~)
議会
- 定数:13人
- 任期:2019年(令和元年)7月26日 - 2023年(令和5年)7月25日
施設
官公庁
かつては町内に警察署と岐阜地方法務局の支局が存在したが、前者は可児市、後者は美濃加茂市にそれぞれ移転した。
- 御嵩町役場
- 上之郷出張所
- 中出張所
- 伏見出張所
公民館
- 上之郷公民館
- 御嵩公民館
- 中公民館
- 伏見公民館
運動施設
- 御嵩町B&G海洋センター
- 綱木グランド
産業
特産物として、希少大豆を使用して作られたみたけ味噌という独特の赤味噌がある。また、みたけ味噌を使用した豚ホルモン焼き「みたけとんちゃん」がある。
工業
可児市との境界付近の上恵土地区に、老舗タイルメーカーの不二見セラミック本社工場があったが、2006年8月に倒産した[4]。跡地には大型商業施設のラスパ御嵩が建っている。
- 平芝工業団地 - 自動車関連企業を中心に10社が操業。
- グリーンテクノみたけ - 1998年8月分譲開始。東海環状自動車道(東回りルート)開通を機に全ての区画が完売。自動車関連企業を中心に14社が操業。
- 太陽社電気 御嵩工場
鉱業
かつては石炭の一種である亜炭の一大産出地であった。1869年(明治2年)に炭脈が発見されて以後、1947年(昭和22年)頃をピークに100を超える炭鉱が開山、最盛期には全国産出量の4分の1以上を占め、炭鉱の町として栄えたが、1968年(昭和43年)までに全ての炭鉱が閉山した。
坑道と陥没
御嵩町では亜炭の採掘が盛んであったため、現在もその坑道が残っている。坑道は、西は上恵土の木曽川付近から東は中切辺りまで広く存在する。坑道があるのはほとんどが平地で、大久後などの山地にはほとんどない。坑道には深度15メートル以下の空洞もあり、陥没の危険性も高い。実際に町の至る所で小さな陥没が報告されており、大きなものでは2010年10月に顔戸(ごうど)地区で道路と周辺家屋が陥没している[5][6]。逆に深度が50メートルをこえる空洞は、地下水がたまっている可能性が高く、土の圧力に対して抵抗力があるため陥没の危険性は比較的低いとされている。
近年、空洞を支える柱の劣化により町のいたるところで陥没事故が発生するようになった。大規模地震が発生した際には町全体が陥没する可能性があり、町は対策に追われているが、予算不足などもあり、抜本的な解決には至っていない。なお、町にある坑道を埋めるためには500億円~1000億円掛かるとも言われている。
交通
バス
高速道路
- 東海環状自動車道 可児御嵩インターチェンジ(このIC自体は可児市にあるが、バイパスを少し東へ進むとすぐに御嵩町に入る)
一般県道
町内の道路通称名
- 犬山街道(岐阜県道122号御嵩犬山線の一部、岐阜県道381号多治見八百津線)
- 中山道(国道21号の旧道)
- 伏見顔戸街道(国道21号の旧道)
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
祭事
- 顔戸八幡神社祭礼(毎年10月に行われる)
- 御嵩町薬師祭礼(毎年4月の第1日曜日に願興寺で行われる)
- 鬼岩福鬼まつり
- よってりゃあ、みたけ(毎年8月に行われる夏祭り)
- 宿の市(毎月第1日曜日に開催)
- 願興寺 金の御朱印授与(毎月最終金曜日に開催)
出身有名人
脚注
- 現在の御嵩町、可児市以外に旧可児郡の町村だった多治見市の土岐川北岸などの地域を管轄。
- 1985年に御嵩警察署は可児市に移転。
- 現在の岐阜県立東濃高等学校。
- “不二見セラミック破産で波紋”. 中部経済新聞. (2006年8月4日) 2018年9月21日閲覧。
- “大規模な地面陥没 深さ3メートル、住宅6軒傾く 岐阜”. 朝日新聞. (2010年10月20日) 2018年9月21日閲覧。
- 顔戸地内大規模陥没について (Report). 御嵩町 2018年9月21日閲覧。.
参考文献
- 伊藤達也『検証岐阜県史問題―なぜ御嵩産廃問題は掲載されなかったのか』ユニテ、2005年 ISBN 978-4843230664
- 御嵩町教育委員会町史編さん室編『御嵩町史 通史編 現代』御嵩町、2006年
- ましこ・ひでのり「『岐阜県史』問題再考 ─ 産廃行政に関する「県史」等の記述の政治性―」大橋博明ほか『地域をつくる』勁草書房、2008年 ISBN 978-4326848645