兵庫県高等学校サッカー選手権大会

第1回日本フートボール優勝大会が開催された1917年前後、関西では御影師範や姫路師範といった師範学校や神戸一中、神戸二中などの旧制中学校に加え、関学高等、神戸高商、同志社といった上級学校にもサッカーチームができていた[1]。当時の学校制度では師範学校の生徒は中学校の生徒より2歳以上年上だったことから、体格で勝る師範学校のチームは、大型のフルバックを中心とした2バックシステムを用いて、いわゆるキック・アンド・ラッシュのサッカーで優勢となり、御影師範のようにで第1回大会から第7回大会まで7連覇を達成するなど結果を残した。一方で体格で劣る中学校の中でも神戸一中はイギリス統治下のビルマ（ミャンマー）出身のチョウ・ディンの指導をきっかけにテクニックを重視し、ショートパスを繋ぐスタイルを確立し、第8回大会で遂に御影師範を下し、初優勝を果たした[2]。 その後1925年の第9回大会から出場校も全国に広がりブロック予選制が導入され、兵庫県からの出場が減ったものの、第二次世界大戦前の1940年第22回大会までの14大会においても御影師範と神戸一中のライバル関係は続き、それぞれ4度の優勝を果たす。しかし関西勢のみの臨時大会として開催された1946年の第25回大会を除くと、兵庫県勢の全国選手権での優勝は1938年（第20回大会）の神戸一中から2010年（第89回大会）の滝川第二の初優勝まで実に72年間もの時を要した[3][4]。