ハラタケ属

ハラタケ属学名: Agaricus)はハラタケ科菌類の属の一つ。食用と有毒種の両方が含まれ、全世界で300を越す種が属している[1][2]。この属は一般的に「マッシュルーム」と呼ばれる種を含んでおり、西洋では栽培キノコとして最も一般的である。

ハラタケ属
ハラタケ
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
: 真正担子菌綱 Agaricomycetes
: ハラタケ目 Agaricales
: ハラタケ科 Agaricaceae
: ハラタケ属 Agaricus

本文参照

属名はアガリクスであり、属内の全てが「アガリクス・○○」であるが、アガリクスは日本では薬用効能のあるとされるカワリハラタケを意味することがある。

特徴

ハラタケ属に属する種は肉の厚い傘、数十枚から数百枚の襞などの特徴があり、ひだでは胞子が作られる。同科に属する他属のきのことはチョコレート色の胞子で見分けがつく。また、柄を持っており、キノコの成長にしたがって傘が持ち上がり、ひだの成長を保護している覆い膜が外れ、これの残りによって柄につばができる。

模式種はハラタケで広く認められている。EarleはA. cretaceusを模式種にすることを提案している。

分類

昔はこれらの属にはPsalliotaという名前が与えられており、これは現在でも古いキノコの本に見ることができる。属の旧名であったPsalliotaはギリシャ語で輪を意味するpsalion/ψάλιονに由来しており、エリーアス・フリースの1821年の著書に初見される。

"Agaricus"の名称の由来はいくつか提案されており、"ロシアの地区であるSarmaticaのAgarica"からという説、ギリシャ語の「木のきのこの一種」という意味を持つἀγαρικ[3]όνからという説などがある。初期の扱いとしてはマリヌス・アントン・ドンクPersooniaでAgaricon Adans. genusとして扱われている。

食用・毒

いわゆるマッシュルームの仲間だが、食用菌と紛らわしい毒菌や食毒不明菌もあるため同定に不安がある野外採集品をむやみに食べるのは避けたほうがよい。

主な種類

  • ハラタケ (Agaricus campestris) - 食用。マッシュルームに近縁な種類であり、特徴も味もあまり変わらない。
  • シロオオハラタケ (Agaricus arvensis) - 可食。全体的な雰囲気が白いテングタケ属のキノコとよく似ており、注意を要する。
  • ツクリタケ (Agaricus bisporus) - 食用。いわゆるマッシュルーム。欧米では最も一般に耕作される。
  • カワリハラタケ (Agaricus subrufescens) - 可食。日本では単にアガリクスとしても知られる。薬用効果があると喧伝されて一時期ブームとなった。
  • ザラエノハラタケ (Agaricus subrutilescens) - 毒。体質によって嘔吐や下痢を引き起こす。
  • ウスキモリノカサ (Agaricus abruptibulbus) - 食。テングタケ属のキノコとの混同注意。
  • ナカグロモリノカサ (Agaricus praeclaresquamosus) - 毒。消化器系の中毒を引き起こす。
  • モリハラタケ (Agaricus silvaticus) - 毒。アマトキシンが量は少ないものの含まれるため要注意。
  • Agaricus xanthodermus - 毒。シロオオハラタケによく似ている。

参考文献

  1. Bas C. (1991). A short introduction to the ecology, taxonomy and nomenclature of the genus Agaricus, 21-24. In L.J.L.D. Van Griensven (ed.), Genetics and breeding of Agaricus. Pudoc, Wageningen, The Netherlands.
  2. Capelli A. (1984). Agaricus. L.: Fr. (Psalliota Fr.). Liberia editrice Bella Giovanna, Saronno, Italy
  3. ロシアのиに似る

関連項目

This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.