ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッド
ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッド(Need Your Love So Bad)(あるいはI Need Your Love So Badの題名でも知られる)は、R&Bシンガー、リトル・ウィリー・ジョンが1955年に初めてレコーディングした楽曲。ゴスペル、ブルースおよびリズム・アンド・ブルースが特徴的に融合したと評される[1]。ジョンの2枚目のシングルであり、かつ米国における2枚目のチャート入りしたヒット曲でもある。
「ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッド」 | |||||||
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リトル・ウィリー・ジョン の シングル | |||||||
B面 | ホーム・アット・ラスト | ||||||
リリース | |||||||
規格 | シングル | ||||||
録音 | 1955年9月20日、ニューヨーク | ||||||
ジャンル | ブルース、リズム・アンド・ブルース | ||||||
時間 | |||||||
レーベル | キング・レコード (4841) | ||||||
作詞・作曲 | William Edward John a.k.a. Little Willie John, Mertis John Jr. | ||||||
チャート最高順位 | |||||||
5位 (米国 R&B) (1956年) | |||||||
リトル・ウィリー・ジョン シングル 年表 | |||||||
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ジョンの最も著名な楽曲のひとつとして知られ、数多くのコンピレーション・アルバムに収録されている。1968年には、フリートウッド・マックがカヴァーし、イギリスおよびオランダのシングル・チャート入りを果たしている。
概要
曲の構成はAABA形式で、ハーモニーの使い方は典型的なR&Bバラードのスタイルとなっている[2]。しかしながら、この曲は「一般的なR&Bバラードとは大きく異なる濃縮され強烈な愛への嘆願」と評された[3]。
ジョンは、この曲を1995年9月20日、ニューヨークにて録音した[3]。彼がヴォーカルを取り、ロバート・“ババー”・ジョンソンがピアノ、ミッキー・ベイカーがギター、ミルトン・ヒントンがベース、カルヴィン・シールズがドラムス、ウィリス・ジャクソンとデイヴィッド・ヴァン・ダイクがテナー・サックス、そしてルーベン・フィリップスがバリトン・サックスを担当した[3][4]。
ソングライター・クレジットとリリース
ソングライター・クレジットについては、レコードのリリースによって異なるものが存在する。オリジナルのキング・レコードのリリースにおいては、ソングライターは"Willie John"となっており、フリートウッド・マックのオリジナルのブルー・ホライズン盤およびCBS盤シングルも同様である。しかしながら、コンピレーションによっては、ライターをジョンの兄である"Mertis John"としているものもある[5][6]。
2001年に出版されたリトル・ウィリー・ジョンの伝記には以下の通り記述されている:
マーティス・ジュニアが楽曲の大部分を朝鮮で書きウィリーのもとに持っていった。ウィリーはそれに手を加えて曲を完成させた。ウィリーの個性は明らかにこの楽曲で発揮されており、マーティスは2008年になってから共作者としてウィリーの名前を復活させている[1]。
アメリカ合衆国の演奏権管理団体のひとつ放送音楽協会(BMI)はこの曲のソングライターとしてウィリアム・エドワード・ジョンとマーティス・ジョン・ジュニア(リトル・ウィリーと彼の兄の法的な氏名)の2人をクレジットしている[7]。
キング・レコードがリリースしたジョンのこのシングルは、1956年にビルボードのR&Bチャートの第5位を記録し[8]、B面の"Home At Last”も同チャートの第6位のヒットとなっている[8]。この曲はジョンの最もポピュラーな曲として知られ、「Fever: The Best of Little Willie John」(1993年)[9]、「The Very Best of Little Willie John」(2001年)[10]など様々なコンピレーション・アルバムに収録されている。
参加ミュージシャン
- Little Willie John リトル・ウィリー・ジョン - vocals
- Willis Jackson ウィリス・ジャクソン - tenor saxophone
- David Van Dyke デイヴィッド・ヴァン・ダイク - tenor saxophone
- Reuben Phillips ルーベン・フィリップス - baritone saxophone
- Robert "Bubber" Johnson ロバート・"ババー"・ジョンソン - piano
- Mickey Baker ミッキー・ベイカー - guitar
- Milt Hinton ミルト・ヒントン - bass
- Calvin Shields カルヴィン・シールズ - drums[4]
その他アーティストによる演奏
フリートウッド・マック
「ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッド」 | ||||
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フリートウッド・マック の シングル | ||||
B面 | Stop Messin' Round | |||
リリース | ||||
規格 | シングル | |||
録音 | 1968年4月28日、ロンドン(ストリングスとホーンのオーヴァーダブは5月15日に行なわれた) | |||
ジャンル | ブルース | |||
時間 | ||||
レーベル | ブルー・ホライズン | |||
作曲 | William Edward John a.k.a. Little Willie John, Mertis John Jr. | |||
プロデュース | マイク・ヴァーノン | |||
フリートウッド・マック シングル 年表 | ||||
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1968年、フリートウッド・マックがマイク・ヴァーノンのプロデュースの下、ブルー・ホライズン・レコードに「ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッド」を吹き込んだ[11]。ヴァーノンによると、彼はグループのギタリストであり、ヴォーカリストのピーター・グリーンに対し、ストリングスを加えることを提言した[11]。ヴァーノンはジョンのオリジナル・バージョンでギターを担当したミッキー・ベイカーにコンタクトし、この曲のオーケストラ・スコアを書くよう依頼している[11]。
この曲はシングルとしてリリースされ、B面には"Stop Messin' Round"収録された。1968年8月、UKのシングル・チャートの第31位を記録[12]、そしてオランダではチャートの7位まで上った[13]。後になって英国でブルー・ホライズンがシングルとして再発し、その際はB面に"No Place To Go"が収録された[14]。そしてCBSは「ホール・オヴ・フェイム・ヒッツ」シリーズのひとつとしてこの曲をシングルのB面でリリースした。このリリースのA面は"Albatross"だった[15]。
この曲は、いくつかのフリートウッド・マックのコンピレーション・アルバムに収録されている。その中には『The Pious Bird of Good Omen』(1969年)[16]、『Greatest Hits』(1971年)[17]などがある。1999年には『The Complete Blue Horizon Sessions 1967–1969』がリリースとなり、この曲の別テイクが収録された。テイクのひとつにはグリーンによるギターとヴォーカルのオーヴァーダブがなされており、当初このバージョンが米国のシングルとなる予定だったがリリースされなかった[11]。
ゲイリー・ムーア
1995年には、ギタリスト/シンガーのゲイリー・ムーアがピーター・グリーンへのトリビュート・アルバム『ブルーズ・フォー・グリーニー』(1995年)のためにこの曲をレコーディングした。ムーアのバージョンは1995年6月にシングルとしてリリースされ、UKシングル・チャートの48位を記録している[18]。
脚注
- Whitall, Susan (2011). Fever: Little Willie John. London: Titan Books. p. 60. ISBN 978-0857687968
- Appen, Ralf von / Frei-Hauenschild, Markus "AABA, Refrain, Chorus, Bridge, Prechorus — Song Forms and their Historical Development". In: Samples. Online Publikationen der Gesellschaft für Popularmusikforschung/German Society for Popular Music Studies e.V. Ed. by Ralf von Appen, André Doehring and Thomas Phleps. Vol. 13 (2015), p. 31, 35.
- Grendysa, Peter A. (1993). Fever: The Best of Little Willie John (liner notes). Rhino Records. p. 1. R2 71511。
- The Blues Discography 1943-1970 The Classic Years, Les Fancourt & Bob McGrath (Eyeball Productions)
- Wynn, Ron. “Little Willie John: Fever – Review”. AllMusic. 2020年8月26日閲覧。
- Tapp, Richard. “Little Willie John”. Ace Records. 2006年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月26日閲覧。
- “BMI Repertoire: "Need Your Love So Bad" (BMI Work #1052543)”. BMI. 2020年8月26日閲覧。
- Whitburn, Joel (2004). Top R&B/Hip-Hop Singles: 1942–2004. Record Research. p. 228
- Wynn, Ron. “Fever: The Best of Little Willie John – Review”. AllMusic. 2014年12月22日閲覧。
- Phares, Heather. “The Very Best of Little Willie John”. AllMusic. 2020年8月26日閲覧。
- Vernon, Mike (1999). The Complete Blue Horizon Sessions 1967–1969 (Boxed set booklet). Fleetwood Mac. New York City: Sire Records. pp. 8–9. 73003-2。
- Roberts, David (2006). British Hit Singles & Albums (19th ed.). London: Guinness World Records Limited. p. 205. ISBN 1-904994-10-5
- “Top 40 week 44 van 1968”. Top40.nl. 2021年4月29日閲覧。
- フリートウッド・マック. "Need Your Love So Bad" / "No Place to Go" (Single notes). England: Blue Horizon Records. Label. 57-3157。
- フリートウッド・マック. "Albatross" / "Need Your Love So Bad Need Your Love So Bad" (Single notes). England: CBS. Label. CBS 8306。
- The Pious Bird of Good Omen - オールミュージック
- Greatest Hits - オールミュージック
- “Gary Moore – Singles”. Official Charts. 2020年8月26日閲覧。