ナウキャスト

ナウキャスト英語: Nowcast)とは、英語の「現在(Now)」と「予報(Forecast)」を組み合わせた造語であり、「数時間先までの予報」を意味する。短時間予報。日本では、気象庁降水竜巻発生確度・活動度の分布について、1時間先までの予測を発表する気象予報システムのことを指す[1]気象レーダアメダスなど、現在の気象資料などをもとに、予報を行う。

気象庁が提供するナウキャスト

降水ナウキャスト
2004年に運用開始。5分ごとに、3時間前から1時間後までの5分ごとの降水分布の解析・予測を示した、一辺1kmのメッシュ予報を発表。降水短時間予報よりも精度は高い。国土交通省水管理・国土保全局、道路局および気象庁が保有する気象レーダーや雨量計のデータに、風速データを加えて統合解析したもの[2][3]
高解像度降水ナウキャスト
2014年に運用開始。アメダスやXバンドレーダーのデータをもとに、5分刻みの雨量予報を30分先まで、250m四方のグリッドごとに提供する[4]
雷ナウキャスト
雷ナウキャスト
2010年に運用開始。10分ごとに、3時間前から1時間後までの10分ごとの活動度分布の解析・予測を示した、一辺1kmのメッシュ予報を発表。活動度1から4までと"なし"の5段階で、活動度1は空の状況や続報に注意する段階、活動度2以上は安全確保をする段階、活動度3以上は実際に落雷が観測されている段階。雷監視システム(ライデン)と気象レーダーのデータなどを統合解析したもの[5][6][7]
竜巻発生確度ナウキャスト
2010年に運用開始。10分ごとに、3時間前から1時間後までの10分ごとの竜巻発生確度(竜巻がすぐに発生する可能性と既に発生している可能性を合わせたもの)分布の解析・予測を示した、一辺1kmのメッシュ予報を発表。活動度1から2までと"なし"の3段階で、活動度1は的中率1-5%・捕捉率60-70%と空振りが多いものの見逃しは少なく、突風の影響を受ける活動を行う際は十分留意すべきとされる段階、活動度2は的中率5-10%・捕捉率20-30%と空振りは少ないものの見逃しが多く、全ての人が急な突風の発生に注意しつつ発達した積乱雲接近の兆候があれば安全確保をする段階である。なお、活動度2が竜巻注意情報の発表基準。数値予報の「突風関連指数」のデータと気象(雨量)レーダーのデータから算出される「突風危険指数」に、さらに気象(風速)ドップラー・レーダーのメソサイクロン検出データを加えて解析したもの[8][9][10]

脚注

  1. 気象庁 | 気象庁情報カタログ”. www.data.jma.go.jp. 2021年5月5日閲覧。
  2. 気象庁 | ナウキャスト(雨雲の動き・雷・竜巻)”. www.jma.go.jp. 2021年5月5日閲覧。
  3. 気象庁|降水短時間予報と降水ナウキャスト”. www.jma.go.jp. 2021年5月5日閲覧。
  4. 気象庁|高解像度降水ナウキャスト”. www.jma.go.jp. 2021年5月5日閲覧。
  5. 気象庁|雷ナウキャストの見方”. www.jma.go.jp. 2021年5月5日閲覧。
  6. 気象庁|雷ナウキャストとは”. www.jma.go.jp. 2021年5月5日閲覧。
  7. 気象庁|雷監視システム”. www.jma.go.jp. 2021年5月5日閲覧。
  8. 気象庁「竜巻発生確度ナウキャストとは
  9. 気象庁「竜巻発生確度ナウキャストの見方
  10. 気象庁「数値予報とレーダーによる予測
This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.