高温注意情報

高温注意情報(こうおんちゅういじょうほう)は、気象庁が夏季の高温による熱中症の予防の観点から、2011年から2020年[1]まで発表されていた日本気象「注意情報」である。

概説

2011年東日本大震災により、全国的な省エネルギー節電対策が取られているが、気温の上昇により熱中症にかかりやすくなるおそれがあるとして、同年7月から、当日、あるいは翌日の天気予報で発表される予想最高気温の統計を基として、それが35℃以上(猛暑日)を記録すると予想された場合、気象庁のホームページNHK民放新聞などのマスコミ媒体を利用して、高温注意情報を発表し、熱中症に対する備えを呼びかけるというものである。

また、週間天気予報においても気温が概ね35℃以上を観測する予想が懸念される場合、やはり「高温に関する気象情報」を発表する。

当初は北海道沖縄県を除く45都府県を対象に実施していたが、2012年度は北海道と沖縄県も実施対象に加えられた。2011年度は電力の需給に余裕があった関係から北海道と沖縄県を除外していた。

この情報はあくまでも気象の「注意情報」に過ぎず、いわゆる一般的な気象の「注意報」ではない。

課題として、発表基準が気温のみであり湿度が加味されておらず[2]、発表基準と熱中症が原因の救急搬送者数に相関がみられない場合があること[3][4]、頻繁に発表されることから情報が重視されなくなっている[4]ことなどが挙げられている。これを解決するために、2020年3月13日、気象庁と環境省とが連携して、湿球黒球温度(暑さ指数)を基準とする新たな情報「熱中症警戒アラート(仮称)[4][3]」の発表を開始することが発表された[2]。目的は、両省庁が協力し、理解しやすく信頼できる情報を発表することにある[3]。2020年7月から関東甲信地方で先行導入し、2021年夏からは全国規模に拡大され[2][4]、高温注意情報は熱中症警戒アラート[5]に統合されている[3]

脚注

  1. 配信資料に関する技術情報第554号 (PDF) 気象庁(2021/1/19) 2021/7/8閲覧
  2. 「高温注意情報」の発表基準を「暑さ指数」に 関東甲信で先行 (アーカイブ)NHK 2020年3月13日配信、同日閲覧
  3. 環境省と気象庁 熱中症で警報、7月から関東などで試行(アーカイブ) 日経新聞 2020年3月13日配信、同日閲覧
  4. 環境省と気象庁、熱中症の新警戒情報を創設(アーカイブ) 新建ハウジングDIGITAL 2020年3月13日配信、同日閲覧
  5. 地球の声を聞こう「猛暑と熱中症」より。

外部リンク

This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.