ソウル特別市地下鉄公社3000系電車

3000系電車(3000けいでんしゃ)は、1984年に営業運転を開始したソウル交通公社(旧・ソウル特別市地下鉄公社→ソウルメトロ首都圏電鉄3号線通勤形電車。相互乗り入れ先の韓国鉄道公社一山線でも使用される。過去には、4号線でも運行されていた。

ソウル特別市地下鉄公社3000系電車
313編成(現在は廃車済み)[1]
基本情報
製造所 大宇重工業韓進重工業
主要諸元
編成 10
軌間 1,435 mm
電気方式 直流1,500V
最高運転速度 80 km/h
設計最高速度 110 km/h
起動加速度 3.0 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 1,048人(立席)+528人(座席)=1,576人
車両定員 148(48(座席)+100(立席))人(先頭車)
160(54(座席)+106(立席))人(中間車)
車両重量 33.00t(Tc)、42.25t(M1)、41.80t(M2)、
31.70t(T)
編成重量 382.15t
車体長 19,500 mm
車体幅 3,160 mm
車体高 3,750 mm
主電動機出力 162kW(1時間定格)
駆動方式 補極付直流直巻電動機
歯車比 98:15 (6.53)
編成出力 3,888kW(1時間定格)
定格速度 47km/h(1時間定格) km/h
制御装置 GECチョッパ制御
IGBT素子VVVFインバータ制御
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ
保安装置 ATC
東湖大橋を渡る348編成(2020年12月31日廃車予定)[2]
東湖大橋を渡る320編成(改造車)(2022年2月28日廃車予定)

仕様

車体は普通鋼製で、下部広幅型を初めて取り入れた。正面の貫通扉は前倒し式。イギリスGEC社チョッパ制御を使用している。[3]チョッパ制御装置は1C4M方式(1台の制御器で4個のモーターを制御する)であるが、電動車2両ユニットのうちの片方に制御器2基を搭載し、それぞれ位相を180度を変えて運転することで誘導障害を減らしている。主電動機はGEC製のG319AZ(端子電圧375V、電流480A、1時間定格出力162kW、定格回転数1,900rpm、連続定格出力150kW)が採用された。補助電源装置は初期車は容量110kVAの電動発電機(MG)であったが、のちに静止形インバータ(SIV)も採用された。冷房装置は交流駆動で、新気導入が可能なものが1両につき2台、屋上に搭載されており、当初はイギリスのストーン社の製品であった。編成構成はすべてMT比6M4Tの10両編成である。

沿革

1次投入分

1984年の開業から1989年までに製造された車両。3号線開業時に6両編成25本。4号線開業時は6両編成27本が投入され、1989年には4号線に7編成が増備された。

2次投入分

1990年から1992年まで追加製造された車両。1990年、4号線に10両編成6本と6両1編成が投入され、1992年には3号線6両編成7本と10両編成6本が投入されたほか、4号線の6両編成35本に中間車4両が増結され、すべて10両編成となった。

4号線車両の1次転属

1994年に4号線が鉄道庁(現・韓国鉄道公社果川線安山線との相互乗り入れ開始の為に4000系を投入。これに伴い1992年に4号線の12本を3号線へ転属。3号線と4号線の信号設備や当時は塗装も同じだった為に特別な改造を受けずに転属した。

3号線10両化

3号線は1993年当時、6両編成26本と10両編成18本が在籍していた。輸送力増強のため6両を10両化すべく、中間付随車20両と中間電動車4両を投入すると同時に制御車の一部を中間車に改造した。これにより10両編成36本体制となった。

4号線車両の2次転属

1993年・3号線良才駅~水西駅間延伸開業に伴い、4号線の12本が3号線に転属した。これにより、全編成が3号線に集結した。

配属

  • 316~320編成 - 車両事業所
  • 334,335, 341~348編成 - 水西車両事業所

編成

  1. 3000型 先頭車Tc1
  2. 3100型 電動車M2◇◇(パンタグラフ2基)
  3. 3200型 電動車M1
  4. 3300型 電動車M2◇◇(パンタグラフ2基)
  5. 3400型 電動車M1
  6. 3500型 付随車T1
  7. 3600型 付随車T2
  8. 3700型 電動車M2◇◇(パンタグラフ2基)
  9. 3800型 電動車M1
  10. 3900型 先頭車Tc2

中間車の先頭化改造

当形式は韓国の法定耐用年数に達した1次車が2009年から2010年にかけて廃車となった。廃車対象編成に組み込まれた経年の浅い付随車の一部を先頭車に改造し、経年の浅い車両のみで構成した編成が登場している。これらの編成は316~320、341~344編成が該当しており、当初は2018年頃を目途に新造車に代替される予定であったが、2014年3月に鉄道車両の法定耐用年数が撤廃されたため使用期間が延長され、2022年まで使用する予定である。

編成表

  Tc M M' M M' T T M M' Tc 先頭車の形状 所属基地
  3000 3100 3200 3300 3400 3500 3600 3700 3800 3900
編成番号
316 3016 3116 3216 3316 3416 3516 3616 3716 3816 3916
317 3017 3117 3217 3317 3417 3517 3617 3717 3817 3917
318 3018 3118 3218 3318 3418 3518 3618 3718 3818 3918
319 3019 3119 3219 3319 3419 3519 3619 3719 3819 3919
320 3020 3120 3220 3320 3420 3520 3620 3720 3820 3920
334 3034 3134 3234 3334 3434 3534 3634 3734 3834 3934 水西
335 3035 3135 3235 3335 3435 3535 3635 3735 3835 3935
341 3041 3141 3241 3341 3441 3541 3641 3741 3841 3941
342 3042 3142 3242 3342 3442 3542 3642 3742 3842 3942
343 3043 3143 3243 3343 3443 3543 3643 3743 3843 3943
344 3044 3144 3244 3344 3444 3544 3644 3744 3844 3944
345 3045 3145 3245 3345 3445 3545 3645 3745 3845 3945
346 3046 3146 3246 3346 3446 3546 3646 3746 3846 3946
347 3047 3147 3247 3347 3447 3547 3647 3747 3847 3947
348 3048 3148 3248 3348 3448 3548 3648 3748 3848 3948
  • の編成の先頭車は中間車からの改造車。
  • の編成の先頭車は製造時からの先頭車。

不燃化改造

不燃化改造前の車内(この車両は廃車済み)
不燃化改造後の車内

2003年大邱地下鉄放火事件を契機に強化された鉄道車両の難燃基準に沿って、2005年まで耐久年数が十分な1986年以降投入分に関して内装材改造を完了した。この事業には興一企業・ロウィンが担当した。座席はステンレスに変更され、火災警報器と客室非常用インターホンを設置した。また内装材改造を受けなかった車両は、座席を難燃材モケットに変更されたのみで順次廃車となった。

参考文献

  1. 旧 413編成
  2. 旧 441編成
  3. 서울지하철 3,4호선 전동차 (서울특별시 지하철공사) 公式カタログ、1984年

関連項目


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