フローラステークス

フローラステークスは、日本中央競馬会(JRA)が東京競馬場で施行する中央競馬重賞競走GII)である。競馬番組表での名称は「サンケイスポーツ賞 フローラステークス(オークストライアル)」と表記される[4]

フローラステークス
(オークストライアル)
Flora S.
(Japanese Oaks Trial)[1]
第58回フローラステークス
開催国 日本の旗日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 東京競馬場
創設 1966年5月3日[2]
2022年の情報
距離 芝2000m
格付け GII
賞金 1着賞金5200万円
出走条件 サラ系3歳牝馬(国際)(指定)
負担重量 馬齢(54kg)
出典 [3][4]

競走名の「フローラFlora)」は、ローマ神話に登場する花と春と豊穣を司る女神の名。または、ある特定の地域もしくは時代に生育する各種植物の全種類の意[5]

サンケイスポーツ」は、産業経済新聞社が発行するスポーツ紙。同社より寄贈賞の提供を受けている[5]

正賞はサンケイスポーツ賞[3][4]

概要

2着までの馬に優駿牝馬(オークス)の優先出走権が付与されるトライアル競走[5]。当初は5着までに優先出走権を付与していたが、1991年より3着までに改められた[6]。2018年より優先出走権の付与が2着までに改められることになった。

1966年に「サンケイスポーツ賞 4歳牝馬特別(オークストライアル)」の名称で創設された、4歳(現3歳)牝馬限定の重賞競走[6]。2001年より現名称となった[6]。創設時は芝1800mで行われていたが、トライアルレースとしての位置付けをより明確にするため、1987年から2000mに延長[6]。これにより中・長距離の適性が問われることとなり、優駿牝馬(オークス)との関連性が一層深まった[6]

地方競馬所属馬は1995年から、外国産馬は2003年から出走可能になり[2]、2010年からは外国馬も出走可能な国際競走となった[7]

競走条件

以下の内容は、2022年現在[3][4]のもの。

出走資格:サラ系3歳牝馬

  • JRA所属馬(外国産馬含む)
  • 地方競馬所属馬(後述)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:馬齢重量(54kg)

優駿牝馬(オークス)のステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬は優駿牝馬(オークス)の出走候補馬(3頭まで)およびJRAの2歳GI競走優勝馬に優先出走が認められている[6][8][9]ほか、JRAで行われる芝の3歳重賞競走優勝馬にも出走資格が与えられている[6]

賞金

2022年の1着賞金は5200万円で、以下2着2100万円、3着1300万円、4着780万円、5着520万円[3][4]

歴史

  • 1966年 - 4歳牝馬によるオークストライアルの重賞競走として「サンケイスポーツ賞 4歳牝馬特別」の名称で創設、東京競馬場の芝1800mで施行[6]。5着までに優駿牝馬(オークス)の優先出走権を付与(1990年まで)[6]
  • 1984年 - グレード制施行によりGII[注 1]に格付け[6]
  • 1991年 - 優駿牝馬(オークス)の優先出走権を3着までに変更[6]
  • 1995年 - 指定交流競走となり、地方競馬所属馬が出走可能になる[2]
  • 2001年
    • 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「3歳牝馬」に変更[2]
    • 名称を「サンケイスポーツ賞 フローラステークス」に変更[6]
  • 2003年 - 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる[2]
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIIに変更[2]
  • 2010年
    • 国際競走に指定され、外国調教馬が9頭まで出走可能になる[7]
    • 格付表記をGII(国際格付)に変更[7]
  • 2018年 - 優駿牝馬(オークス)の優先出走権を2着までに変更[10]
  • 2020年 - COVID-19の感染拡大防止のため「無観客競馬」として実施[11](2021年も同様[12])。

歴代優勝馬

コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

競走名は第35回まで「サンケイスポーツ賞4歳牝馬特別」、第36回以降は「サンケイスポーツ賞フローラステークス」[6]

回数施行日競馬場距離優勝馬性齢タイム優勝騎手管理調教師馬主
第1回1966年5月3日東京1800mメジロボサツ牝31:52.0矢野一博大久保末吉北野俊雄
第2回1967年4月29日中山1800mキクノフドウ牝31:53.9伊藤竹男久保田金造田中伊三郎
第3回1968年6月9日中山1800mハードウエイ牝31:51.9小島太柄崎義信鈴木健司
第4回1969年4月27日東京1800mシャンデリー牝31:51.7保田隆芳尾形藤吉吉原栄子
第5回1970年4月26日中山1800mプリーズターフ牝31:52.8関口健太郎小西喜蔵ターファイトクラブ
第6回1971年5月16日東京1800mナスノカオリ牝31:50.2嶋田功稲葉幸夫那須野牧場
第7回1972年6月11日東京1800mタカイホーマ牝31:49.2大崎昭一仲住達弥高井嘉輔
第8回1973年4月29日東京1800mレデースポート牝31:49.7小島太稲葉幸夫佐藤重治
第9回1974年5月4日東京1800mキャッシュボア牝31:50.5郷原洋行田村駿仁橋本幸雄
第10回1975年4月27日東京1800mトウホーパール牝31:50.7小島太稲葉幸夫河村澤治
第11回1976年5月2日東京1800mシービークイン牝31:51.2吉永正人松山吉三郎千明牧場
第12回1977年5月1日東京1800mメイワロック牝31:49.5大崎昭一山岡寿恵次ホースマンクラブ
第13回1978年4月30日東京1800mヒロノスキー牝31:48.6郷原洋行秋山史郎石橋松蔵
第14回1979年4月29日東京1800mシルクスキー牝31:50.3蓑田早人伊藤修司中山信一
第15回1980年4月27日東京1800mコマサツキ牝31:49.4根本康広橋本輝雄鈴木荘夫
第16回1981年5月3日東京1800mカバリエリエース牝31:50.2岡部幸雄佐藤勝美(有)賀張中川牧場
第17回1982年5月2日東京1800mリーゼングロス牝31:50.3清水英次新関力三島武
第18回1983年5月1日東京1800mダスゲニー牝31:49.9大崎昭一新関力三島武
第19回1984年4月29日東京1800mレイクビクトリア牝31:52.5大崎昭一藤原敏文岡田弘夫
第20回1985年4月28日東京1800mユキノローズ牝31:50.3郷原洋行佐々木猛(有)橋本牧場
第21回1986年4月27日東京1800mメジロラモーヌ牝31:50.8河内洋奥平真治(有)メジロ牧場
第22回1987年5月3日東京2000mマックスビューティ牝32:01.6柴田政人伊藤雄二田所祐
第23回1988年5月1日東京2000mアラホウトク牝32:01.4河内洋庄野穂積(有)アラキファーム
第24回1989年4月30日東京2000mファンドリポポ牝32:02.5西浦勝一夏村辰男水戸富雄
第25回1990年4月29日東京2000mキョウエイタップ牝32:01.5横山典弘稗田研二松岡正雄
第26回1991年4月28日東京2000mヤマニンマリーン牝32:02.2柴田善臣中村均土井宏二
第27回1992年5月3日東京2000mキョウワホウセキ牝32:02.7武豊武邦彦浅川吉男
第28回1993年5月2日東京2000mヤマヒサローレル牝32:01.5猿橋重利湯浅三郎山口節子
第29回1994年5月1日東京2000mゴールデンジャック牝32:03.1四位洋文北橋修二(株)協栄
第30回1995年4月30日東京2000mサイレントハピネス牝32:02.6橋本広喜藤沢和雄吉田照哉
第31回1996年4月28日東京2000mセンターライジング牝32:03.4四位洋文伊藤雄二中野優
第32回1997年4月26日東京2000mオレンジピール牝32:01.2河内洋山内研二(有)社台レースホース
第33回1998年5月2日東京2000mマックスキャンドゥ牝32:00.3蛯名正義伊藤雄二田所英子
第34回1999年5月1日東京2000mスティンガー牝32:01.4岡部幸雄藤沢和雄吉田照哉
第35回2000年4月23日東京2000mマニックサンデー牝32:02.5小野次郎中野隆良吉田照哉
第36回2001年4月22日東京2000mオイワケヒカリ牝32:01.5小林淳一柴崎勇橋本中
第37回2002年4月21日東京2000mニシノハナグルマ牝32:04.0左海誠二萱野浩二西山牧場
第38回2003年4月27日東京2000mシンコールビー牝32:00.6郷原洋司湯窪幸雄豊原正嗣
第39回2004年4月25日東京2000mメイショウオスカル牝32:01.1後藤浩輝安達昭夫松本好雄
第40回2005年4月24日東京2000mディアデラノビア牝32:01.8武豊角居勝彦(有)キャロットファーム
第41回2006年4月23日東京2000mヤマトマリオン牝32:01.7菊沢隆徳安達昭夫坂東まさ子
第42回2007年4月22日東京2000mベッラレイア牝32:00.8秋山真一郎平田修植中昌子
第43回2008年4月27日東京2000mレッドアゲート牝32:00.5内田博幸田村康仁ディアレスト
第44回2009年4月26日東京2000mディアジーナ牝32:02.2内田博幸田村康仁ディアレスト
第45回2010年4月25日東京2000mサンテミリオン牝32:00.2横山典弘古賀慎明吉田照哉
第46回2011年4月23日東京2000mバウンシーチューン牝32:03.3三浦皇成田島俊明(株)グリーンファーム
第47回2012年4月22日東京2000mミッドサマーフェア牝32:02.0蛯名正義小島太H.H.シェイク・モハメド
第48回2013年4月21日東京2000mデニムアンドルビー牝32:03.9内田博幸角居勝彦金子真人ホールディングス(株)
第49回2014年4月27日東京2000mサングレアル牝32:00.0岩田康誠松田博資(有)サンデーレーシング
第50回2015年4月26日東京2000mシングウィズジョイ牝32:01.8内田博幸友道康夫(有)社台レースホース
第51回2016年4月24日東京2000mチェッキーノ牝31:59.7C.ルメール藤沢和雄(有)サンデーレーシング
第52回2017年4月23日東京2000mモズカッチャン牝32:01.3和田竜二鮫島一歩(株)キャピタル・システム
第53回2018年4月22日東京2000mサトノワルキューレ牝31:59.5M.デムーロ角居勝彦(株)サトミホースカンパニー
第54回2019年4月21日東京2000mウィクトーリア牝31:59.5戸崎圭太小島茂之(有)シルクレーシング
第55回2020年4月26日東京2000mウインマリリン牝31:58.7横山武史手塚貴久(株)ウイン
第56回2021年4月25日東京2000mクールキャット牝31:59.4C.ルメール奥村武(有)シルクレーシング
第57回2022年4月24日東京2000mエリカヴィータ牝32:00.4田辺裕信国枝栄三木正浩
第58回2023年4月23日東京2000mゴールデンハインド牝31:58.9菅原明良武市康男(株)サラブレッドクラブ・ラフィアン

同名の競走

2000年まで、4歳(現3歳)牝馬による同名の特別競走が本競走とは別に行われていた。ただし、JRAではこれらの競走を前身としていない。

優勝馬

コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、現行表記に揃えている。

施行日競馬場距離条件優勝馬性齢タイム優勝騎手管理調教師馬主
1989年1月5日中山1200mオープンサクラメグミ牝31:09.6小島太境征勝さくらコマース
1990年1月5日中山1200mオープンサクラサエズリ牝31:09.6木藤隆行境勝太郎さくらコマース
1991年1月7日中山1200mオープンキタノオゴジョ牝31:09.9岡部幸雄松山康久溝本儀三男
1992年1月12日中山1200mオープンベルチャイルド牝31:09.7坂井千明松山康久藤野鈴子
1993年1月10日中山1200mオープンオースミシャイン牝31:10.0増井裕白井寿昭山路秀則
1994年1月15日中山1200mオープンノーザンプリンセス牝31:10.7柴田善臣清水利章阿部紀子
1995年1月15日中山1200mオープンウエスタンドリーム牝31:09.4的場均柴田欣也西川
1996年1月14日東京1400mオープンゴールデンカラーズ牝31:22.9岡部幸雄中村好夫中村寛俊
1997年1月12日中山1200mオープンビクタートウショウ牝31:10.6的場均尾形充弘トウショウ産業
1998年1月10日中山1200mオープンバプティスタ牝31:10.6武豊前田禎吉田勝己
1999年1月10日中山1200mオープンステファニーチャン牝31:10.1田中勝春中野栄治花田勲
2000年1月23日中山1200mオープンラヴィエベル牝31:09.3小野次郎高松邦男伊達秀和

出典:netkeiba.com

脚注・出典

参考文献

  • 「サンケイスポーツ賞フローラステークス(GII)(オークストライアル)」『中央競馬全重賞競走成績集【2歳・3歳編】』日本中央競馬会、2006年、643-678頁。

注釈

  1. 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典

  1. 2022 International Cataloguing Standards Book Japan (PDF). 国際セリ名簿基準委員会. 2022年4月24日閲覧。
  2. 中央競馬全重賞競走成績集【2歳・3歳編】
  3. 重賞競走一覧(レース別・関東) (PDF). 日本中央競馬会. p. 14 (2022年). 2022年4月24日閲覧。
  4. 令和4年第2回東京競馬番組(第1日 - 第6日) (PDF). 日本中央競馬会. 2022年4月24日閲覧。
  5. 2022年度第2回東京競馬特別レース名解説 (PDF). 日本中央競馬会. p. 2. 2022年4月24日閲覧。
  6. 歴史・コース:フローラステークス 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2022年4月24日閲覧。
  7. 第2回 東京競馬成績集計表 (PDF). 日本中央競馬会. pp. 1227-1229 (2010年). 2016年4月25日閲覧。(索引番号:11023)
  8. 「地」が出走できるGI競走とそのステップ競走について【令和4年度】 (PDF). 日本中央競馬会. 2022年4月24日閲覧。
  9. 令和4年度競馬番組一般事項 (PDF). 日本中央競馬会. 2022年4月24日閲覧。
  10. 2018年度開催日割および重賞競走について日本中央競馬会、2017年10月16日閲覧
  11. 4月25日(土曜)から5月31日(日曜)までの中央競馬の開催等について (PDF). 日本中央競馬会 (2020年4月23日). 2020年6月27日閲覧。
  12. 4月25日(日曜)からの無観客競馬の実施とウインズ等の営業取りやめ”. 日本中央競馬会 (2021年4月23日). 2021年4月26日閲覧。

各回競走結果の出典

外部リンク

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