さいたま赤十字病院
さいたま赤十字病院(さいたませきじゅうじびょういん)は、埼玉県さいたま市中央区にある医療機関である。日本赤十字社埼玉県支部設置の病院である。救急病棟32床 ・ICU8床、CCU14床を備える。
さいたま赤十字病院 | |
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情報 | |
英語名称 | Japanese Red Cross Saitama Hospital |
前身 |
日本赤十字社埼玉支部療院 日本赤十字社埼玉支部与野療院 日本赤十字社埼玉支部与野病院 与野赤十字病院 大宮赤十字病院 |
標榜診療科 | 肝・胆・膵内科、消化管内科、呼吸器内科、血液内科、膠原病・リウマチ内科、腎臓内科、糖尿病内分泌内科、総合臨床内科、腫瘍内科、脳神経内科、循環器内科、心療科、小児科、外科、乳腺外科、整形外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、形成外科、リハビリテーション科、放射線診断科、放射線治療科、麻酔科、緩和ケア診療科、口腔外科、病理診断科、救急科 |
許可病床数 |
638床 一般病床:632床 精神病床:6床 |
職員数 | 1532名(2018年4月1日現在) |
機能評価 | 一般病院2 3rdG:Ver.1.0 |
開設者 | 日本赤十字社埼玉県支部(埼玉県知事) |
管理者 | 清田 和也(院長) |
開設年月日 | 1934年7月6日 |
所在地 |
〒330-8553 埼玉県さいたま市中央区新都心1番地5 |
位置 | 北緯35度53分30.1秒 東経139度37分53秒 |
二次医療圏 | さいたま |
PJ 医療機関 |
概要
現在地への移転の沿革については「さいたま新都心#さいたま新都心医療拠点整備」も参照。
東日本大震災後に防災意識が高まる中で、それまでの建物(中央区上落合8丁目)の老朽化と耐震性の問題がクローズアップされ、また、災害時に防災基地・大規模避難施設となるさいたまスーパーアリーナや国の官公庁が入る合同庁舎が集まる地区に移転することで、緊急時の医療拠点となることを企図し、さいたま新都心第8-1A街区医療拠点整備事業として、埼玉県立小児医療センターと併設新築され、2017年1月1日に移転開院(外来診察は1月4日開始)した。
移転に際して母子医療を拡充させ、小児医療センターと併設する事により、連携して総合周産期母子医療センターの機能を整備した。8-1街区敷地の北側(1.4ha)に赤十字病院(地上14階地下1階、高さ78m)、南側(1ha)に小児医療センター(地上13階地下2階、高さ70m)が置かれ、両病院は別の建物となるが、地下1階から2階、4階から6階が渡り廊下で連結される。
新しい赤十字病院には、県内2番目となる母体・胎児集中治療室(MFICU)を9床新設する。
1階には救急車・ドクターカー搬送に対応した、救急救命設備を2病院別個に置く。外来受付も2階に別個に置くが、外来用エントランスは、他の街区や駅に接続するペデストリアンデッキに面した、両病院の間に置いて共用する。また2階には、新都心の賑わい創出に貢献するため、デッキに面して店舗を併設する一方、デッキ自体は災害時のトリアージの実施スペースとするため、広く確保する設計とした。両病院共に4階に手術室、6階等に会議室や図書室、研修施設を合わせて設置して、双方の医師や職員の連携を行う。
赤十字病院の屋上にはヘリポートを設置し、ドクターヘリや消防防災ヘリコプターなど、航空救急で運ばれるような特殊な患者に対応し、救命集中治療室(ICU)を増強して、高度救命救急センターを目指す。また一般病室の個室化の拡大、がん治療能力の拡大が行われる。
病院の用地は、埼玉県とさいたま市が日本赤十字社に貸与している。赤十字は旧病院の土地を賃貸して、費用を捻出する方針をとり、2016年に島忠との間で、40年間の定期借地権契約を結んだ。建物移転・建設費用は、埼玉県と赤十字病院がそれぞれ負担した。島忠は2019年3月に「島忠ホームズさいたま中央店」として開業し、同年7月に本社を移転した。
旧病院内の「さいたま赤十字看護専門学校」(2020年3月に廃校)の隣接地には、日本赤十字看護大学が新たな学部「さいたま看護学部」のキャンパスを建設、同年4月に開設された。
沿革
かつては中央区(旧与野市)上落合に所在し、与野赤十字病院、大宮赤十字病院、さいたま赤十字病院と病院名が変遷した。当時浦和町か大宮町に建設しようとしたところ、両町の医師会から反対を受け、やむなく与野町と大宮町の境に病院用地を取得して建設した。
その後、最寄駅が大宮駅であるにも関わらず『与野赤十字病院』だったため、与野駅から来院する者が多数おり、与野の名称では埼玉県所在とすぐに分からず、説明を要したことによって『大宮赤十字病院』に改称された[1]。さいたま市誕生により、さいたま赤十字病院に再度改称され、2017年にはさいたま新都心に移転した。
- 1934年(昭和9年)7月3日 - 日本赤十字社埼玉支部療院落成式。7月6日より診療開始
- 1940年(昭和15年)11月1日 - 日本赤十字社埼玉支部与野療院に改称。
- 1942年(昭和17年)12月22日 - 日本赤十字社埼玉支部与野病院に改称。
- 1943年(昭和18年)1月4日 - 与野赤十字病院に改称。
- 1947年(昭和22年)1月17日 - 大宮赤十字病院に改称。
- 1947年(昭和22年)11月3日 - 本館塗装工事中に出火。本館・第一病棟を焼失。
- 1957年(昭和32年)10月25日 - 総合病院の名称許可
- 1964年(昭和39年)6月12日 - 救急病院の指定。
- 1968年(昭和43年)10月31日 - 鉄筋5階建新病棟完成
- 1972年(昭和47年)4月1日 - 臨床研修病院に指定。
- 1975年(昭和50年)10月22日 - 新病棟新築
- 1980年(昭和55年)1月31日 - 埼玉県救命救急センター完成(1987年に大宮赤十字病院救命救急センターに名称変更)
- 1999年(平成11年) - 埼玉県災害拠点病院に指定。
- 2003年(平成15年) - さいたま赤十字病院に改称。
- 2005年(平成17年)1月17日 - 地域がん診療連携拠点病院に指定。
- 2011年(平成23年) - 建物の老朽化・耐震の観点から、さいたま新都心に移転決定。
- 2013年(平成25年) 新病院着工
- 2016年(平成28年)8月 - 新病院完成。
- 2017年(平成29年)1月1日 - 移転開院(外来診察は1月4日開始)。高度救命救急センター及び総合周産期母子医療センター(埼玉県立小児医療センターと一体運営)に指定。
- 2020年(令和2年)3月27日 - 埼玉県基幹災害拠点病院に指定。[2]
診療科
- 総合臨床内科
- 肝・胆・膵内科
- 消化器内科
- 呼吸器内科
- 糖尿病内分泌内科
- 血液内科
- 膠原病・リウマチ内科
- 腎臓内科
- 脳神経内科
- 循環器内科
- 心療科
- 小児科
- 外科
- 乳腺外科
- 整形外科
- 脳神経外科
- 呼吸器外科
- 心臓血管外科
- 皮膚科
- 形成外科
- 泌尿器科
- 産婦人科
埼玉県総合母子周産期医療センター (スーパー母体)
- 眼科
- 耳鼻咽喉科
- 麻酔科
- 放射線治療科
- 放射線診断科
- リハビリテーション科
- 緩和ケア診療科
- 口腔外科
- 病理診断科
- 救急科
- 集中治療部
- 高度救命救急センター
埼玉県重度外傷センター 埼玉県ドクターカー広域運行拠点
さいたま市のほぼ中央に位置し、埼玉県中央部の3次救急の中心的な役割を担っている。 大規模災害時には埼玉県特別機動援助隊(埼玉SMART)や災害派遣医療チーム(DMAT)として医師や看護師を派遣する。
医療機関の指定等
- 保険医療機関
- 労災保険指定医療機関
- 指定自立支援医療機関(更生医療・育成医療)
- 身体障害者福祉法指定医の配置されている医療機関
- 生活保護法指定医療機関
- 結核指定医療機関
- 原子爆弾被爆者医療指定医療機関
- 原子爆弾被爆者一般疾病医療取扱医療機関
- 基幹災害拠点病院
- 高度救命救急センター
- 臨床研修指定病院
- 地域がん診療連携拠点病院
- DPC対象病院
- 指定療育機関
- 埼玉DMAT指定医療機関
- 災害対策基本法指定機関
- 総合周産期母子医療センター(埼玉県立小児医療センターと一体運営)
- 地域医療支援病院
不祥事・医療ミス・医療事故
関連項目
- DMAT(災害派遣医療チーム)
- 日本赤十字社の施設一覧
脚注
- 昭和22年1月6日付埼赤第4号「病院名改正認可申請書」日本赤十字社社長宛文書。
- 埼玉県政ニュース「新たに災害拠点病院を指定しました 災害拠点病院に戸田中央総合病院を、基幹災害拠点病院に 埼玉医科大学総合医療センター・さいたま赤十字病院を指定」https://www.pref.saitama.lg.jp/a0001/news/page/2019/0327-08.html
- “病院トイレで死産の胎児、清掃員が誤って流す”. 朝日新聞 2019年5月15日 19時42分. 2020年8月14日閲覧。
参考文献
- 『赤十字埼玉百年史』日本赤十字社埼玉県支部、1988年