1920年アントワープオリンピックの日本選手団

日本代表は左胸に日の丸を染め抜いたワイシャツ、紺色のズボン、オリジナルシューズといういでたちで開会式に参加し、旗手は主将の野口源三郎、国名プラカードは金栗四三が持って入場した[1]。野口・金栗の後ろに監督の辰野保、会計の深井健夫、ベルギー公使館の小川書記官、欧米外遊中の永井道明が続き、その後ろに他の選手が続いた[1]。

日本のマラソン選手（八島・三浦・金栗・茂木）

• 加賀一郎（明大）
  • 男子100m：1次予選落ち（1組4着、11秒4[2]）
  • 男子200m：2次予選落ち（9組4着、23秒8[3]）
• 山岡慎一（東大）
  • 男子100m：1次予選落ち（8組4着、記録なし[2][4]）
  • 男子200m：2次予選落ち（1組4着、23秒9[3]）
• 蓮見三郎（日歯）
  • 男子800m：予選失格（1組6着、2分02秒2[5]）
  • 男子1500m：1次予選落ち（4組6着、4分28秒4[5]）
• 大浦留市（東京高師）
  • 男子5000m：予選落ち（4組6着[5][6]）
  • 男子10000m：棄権
• 佐野幸之助（松江青年）
  • 男子5000m：予選落ち（2組7着、16分30秒[5]）
  • 男子10000m：予選落ち（2組9着、34分30秒[5]）
• 斎藤兼吉（東京高師）
  • 男子五種競技：棄権[7]
• 益田弘（慶大）
  • 男子五種競技：途中棄権[7]
• 野口源三郎（体協幹事）
  • 男子十種競技：12位（3668.630ポイント）[8]
• 金栗四三（体協委員）
  • 男子マラソン：16位（2時間48分45秒4[9]）
• 茂木善作（東京高師）
  • 男子10000m：予選落ち（3組12着、記録なし[5][10]）
  • 男子マラソン：20位（2時間51分09秒4[9][11]）
• 八島健三（小樽中）
  • 男子マラソン：21位（2時間57分02秒0[9][11]）
• 三浦弥平（早大）
  • 男子マラソン：24位（2時間59分37秒0[9][11]）

• 内田正練（北大）
  • 男子100m自由形：記録不明
  • 男子400m自由形：予選落ち（6分40秒0）
  • 男子10m高飛び込み：予選落ち（2組8位、40ポイント・スコア94.0[12]）
• 斎藤兼吉（東京高師）
  • 男子100m自由形：記録不明
  • 男子400m自由形：準決勝棄権（6分16秒8）
• 則末芳三
  • 眼病により出場辞退[13]

• 柏尾誠一郎（三井物産）
  • 男子シングルス：3回戦敗退
• 熊谷一弥（三菱銀行）
  • 男子シングルス：銀メダル
• 柏尾誠一郎・熊谷一弥
  • 男子ダブルス：銀メダル

• 団長：嘉納治五郎
• 役員（監督）：辰野保[1]
• 役員（会計）：深井健夫[1]

日本代表の面々は、この闘いを永遠に忘れず、日本のスポーツ発展に尽くすことを誓い、「白黎会」を結成した[14]。白黎会とは、ベルギーの漢字表記「白耳義」から「白」、「黎明」という言葉から「黎」の字を取ったものであり、スポーツも社交界に出て交歓すべしという、主将・野口源三郎の考えから生まれた会であった[15]。白黎会のメンバーはオリンピックから帰国後、Hの字が入った揃いのトレーニングシャツを着てスポーツを楽しんだ[15]。野口は「白黎生」を号（ペンネーム）とし[14]、本人の希望で戒名「白黎院転輪法浩日源居士」にも白黎の文字を入れている[16]。最後の存命者は大浦留市で、1989年（平成元年）8月28日、93歳で逝去した[17]。

• 『水泳 第12号』日本水泳連盟、1932年。http://www.swim.or.jp/magazine/download/12.pdf。
• 浅川正一「野口源三郎先生の追憶」『新体育』第37巻第5号、新体育社、1967年5月、67-73頁。
• 工藤昌見「マラソンランナー 茂木善作」『方寸』第8号、本の会、312-318頁。全国書誌番号:89008119
• 香月義徳『大浦留市先生』1999年11月11日、8頁。全国書誌番号:20049259
• 沢田一郎「遺訓を受けつごう」『陸上競技マガジン』第17巻第06号、ベースボール・マガジン社、1967年5月、20-21頁。
• 油野利博 著「「野口源三郎」」、「世紀を越えて〜茗渓陸上競技101年の歩み〜」編集委員会 編『世紀を越えて〜茗渓陸上競技101年の歩み〜』筑波大学陸上競技部・陸上競技茗友会、2004年3月25日、91-97頁。全国書誌番号:20600718
• Mallon, Bill; Bijkerk, Anthony Th. (2015-07-11). The 1920 Olympic Games: Results for All Competitors in All Events, with Commentary. Jefferson, North Carolina, USA: McFarland. p. 559. ISBN 978-0-7864-4070-2
• 『Japanese Delegation of Athletic Team London 2012』JAAF、2012年、60頁。https://www.jaaf.or.jp/taikai/1030/pdf/DB.pdf。

• JOCオリンピック歴代日本代表選手全記録