雲をも摑む民

雲をも摑む民[注釈 1]』(くもをもつかむたみ)は、ポルノグラフィティの3作目のオリジナルアルバム。2002年3月27日にSME Recordsよりリリースされた[注釈 2]

ポルノグラフィティ > 雲をも摑む民
雲をも摑む民
ポルノグラフィティスタジオ・アルバム<meta itemprop='albumReleaseType' content='アルバム' />
リリース
ジャンル
時間
レーベル SME Records
プロデュース 田村充義本間昭光
チャート最高順位
  • 週間2位(オリコン
  • 2002年度年間35位(オリコン)
ゴールドディスク
ポルノグラフィティ アルバム 年表
  • 雲をも摑む民
  • (2002年)
『雲をも摑む民』収録のシングル
  1. アゲハ蝶
    リリース: 2001年6月27日
  2. ヴォイス
    リリース: 2001年10月17日
  3. 幸せについて本気出して考えてみた
    リリース: 2002年3月6日

概要

前作『foo?』から1年1か月ぶりのリリース。2001年のヒットシングル「アゲハ蝶」「ヴォイス」、本作のリードシングル「幸せについて本気出して考えてみた」など、全13曲が収録されている[注釈 3][2]

ポルノグラフィティのアルバムで唯一の日本語表記のアルバム[注釈 4] で、「音楽が持つ大きな力を介して、この先もいろんな人とずっと繋がっていきたい」という思いが込められている[3]

本作の制作が始まったのは2001年5月から6月頃。前作に多かった新藤作の楽曲は未収録で、ak.homma作も4曲のみとなっており、岡野Tamaによる楽曲が増えている。メンバーは本作の印象について「いつもより少し内向的」と語っており、ak.hommaも「ロックアルバム」「ポルノ中級者以上におすすめ」と語っている[4]

初回仕様には、リードシングル『幸せについて本気出して考えてみた』とのシングル・アルバムW購入キャンペーン用の応募券が同封された。

2002年6月から10月にかけて、本作を引っ提げたホールツアー『5thライヴサーキット "BITTER SWEET MUSIC BIZ"』を開催した。

収録曲

編曲:ak.homma(#1-#13[注釈 5])/ポルノグラフィティ(#1,#2,#4-#7,#9-#13)

#タイトル作詞作曲時間
1.「敵はどこだ?」新藤晴一Tama
2.「ラスト オブ ヒーロー」新藤晴一ak.homma
3.アゲハ蝶 (Red Mix)ハルイチak.homma
4.「ハート」新藤晴一Tama
5.「Aokage」岡野昭仁岡野昭仁
6.「クリスチーナ」岡野昭仁岡野昭仁
7.「n.t.」岡野昭仁岡野昭仁
8.ヴォイス新藤晴一本間昭光
9.「パレット」新藤晴一ak.homma
10.幸せについて本気出して考えてみた (アルバムバージョン)」新藤晴一Tama
11.「ニセ彼女」新藤晴一Tama
12.「ビタースイート」新藤晴一Tama
13.「夜はお静かに」新藤晴一Tama
合計時間:
  1. 敵はどこだ?
    • Tamaが『2ndライヴサーキット "D4-33-4"』の楽屋でなんとなくベースを弾いているときにアイデアが浮かんだ楽曲[5]
    • 歌詞は2001年9月に発生したアメリカ同時多発テロ事件を題材とした反戦歌になっている[2][5]。メンバーは2001年8月上旬から約2週間、レコーディングのためニューヨークに滞在しており、作詞を手掛けた新藤は「あの時期はみんな頭の中に事件のことがあったと思うし、だったらそれを(歌詞に)書くべきだってことを思っていたときにこの曲が来た」と語っている[5]
  2. ラスト オブ ヒーロー
  3. アゲハ蝶 (Red Mix)
  4. ハート
    • 「(前作収録の)『夜明けまえには』を越えるものを作りたい」と制作された楽曲[5]
    • ベストアルバム『PORNO GRAFFITTI BEST BLUE'S』にも収録された。
  5. Aokage
    • 詞曲を手掛けた岡野が高校時代に登下校で通っていた青影トンネルを歌った楽曲[6]
    • 岡野は本楽曲について「初めて昔の思い出を曲や詞にすることが出来た会心の一曲」と語っている[5]。一方、新藤は「曲のおしゃれ感と因島が中々マッチしなかった」とのこと[5]
    • ライブビューイング『しまなみロマンスポルノ'18 〜THE LIVE VIEWING〜』(2018年10月)では、因島市民会館より、因島の海と夕景を背に本楽曲を演奏した[7]
  6. クリスチーナ
    • カウントから始まるロックンロール調の楽曲で[2]、本作の遊び要素・アクセントの位置付けである[5]
    • 岡野曰く「初めて車を買ってうれしかった思いを歌った曲[8]」で、実際に岡野が初めて車を買った1週間後くらいの時期に書いたという[5]
  7. n.t.
    • タイトルは、漫画『蒼天航路』において関羽張角に放った「佞言ねいげん 断つべし」という言葉の頭文字を引用したもの[5]
    • 岡野は「詞を書いたときは相当テンションが低く、何かに燃えている時期だったことから、それをそのまま閉じ込めた」と語っている[5]
  8. ヴォイス
    • 7thシングル。
    • 本作収録のシングル曲では唯一シングルバージョンでの収録。
  9. パレット
    • 心の葛藤を、絵を描いていく過程の気持ちに喩えて描写した楽曲[9]
    • ベストアルバム『PORNO GRAFFITTI BEST BLUE'S』にも収録された。
    • ライヴではアコースティックアレンジで披露されることが多く、2018年12月から2019年3月にかけて開催された『16thライヴサーキット "UNFADED"』では約15年ぶりに原曲アレンジで披露された[注釈 7]
  10. 幸せについて本気出して考えてみた (アルバムバージョン)
    • 8thシングル。
    • イントロに歌詞が追加されたアルバムバージョンでの収録。この歌詞は本楽曲のデモ曲「コメディ2001」のサビの歌詞フレーズを引用したもの。
  11. ニセ彼女
    • 意中の相手の変化への戸惑いを描いたロック・チューン[2]
    • 制作時は岡野も歌詞を書いていたが、最終的に僅差で新藤の歌詞が採用された[5]
  12. ビタースイート
    • 『5thライヴサーキット "BITTER SWEET MUSIC BIZ"』のツアータイトルを冠したヘビーロック。
    • 本作リリース直後に出演したテレビ朝日系『ミュージックステーション』 でも披露された[10]
    • 9thシングル『Mugen』には、『4thライヴサーキット "Cupid (is painted blind)"』でのライヴ音源が収録されている。
  13. 夜はお静かに
    • ピアノを主体としたバラードで[2]、演奏時間は2分38秒と本作最短の曲である。
    • 「夜中には僕たちの音楽を静かに聴いて下さい」というファンに向けたメッセージが込められているが、Tama曰く「個人的に疲れている時期に書いた楽曲」だったため、新藤が暗い曲調を逆に夜と見なして聴いてくれる人へのメッセージにしたことに驚いたという[5]
    • 前2作及び次作『WORLDILLIA』で展開されている「デッサン」シリーズの楽曲は本作には未収録となっているが、本楽曲が本作における「デッサン」シリーズの候補であった[5]

演奏参加

Porno Graffitti
Additional Musicians

スタッフ

収録作品

既発曲の収録作品は各項目を参照

アルバム

ハート

パレット

  • PORNO GRAFFITTI BEST BLUE'S

ライヴ映像作品

敵はどこだ?

ラスト オブ ヒーロー

  • "BITTER SWEET MUSIC BIZ" LIVE IN BUDOKAN 2002

ハート

Aokage

クリスチーナ

n.t.

  • "BITTER SWEET MUSIC BIZ" LIVE IN BUDOKAN 2002
  • "NIPPONロマンスポルノ'19 〜神vs神〜" DAY1(『ポルノグラフィティ20th Anniversary Special Live Box』収録)
  • "NIPPONロマンスポルノ'19 〜神vs神〜" DAY2(『ポルノグラフィティ20th Anniversary Special Live Box』収録)

パレット

ビタースイート

脚注

注釈

  1. アルバム名の「摑む」は、簡易慣用字体を用いて「掴む」と表記される場合がある。
  2. 発売当時はソニー・ミュージックレコーズSME Recordsレーベル)より発売。後に発売元はエスエムイーレコーズ(SME Records)へ移行している。
  3. 前2作及び次作『WORLDILLIA』で展開されている「デッサン」シリーズの楽曲は、本作には未収録となっている。
  4. 1作目の『ロマンチスト・エゴイスト』および7作目の『ポルノグラフィティ』については、ジャケットでは英語表記となっている。
    1. 8のみ「本間昭光」名義
  5. このアレンジについて、新藤は「(本作の)全部の曲に共通してる生っぽさが出ている」と語っている[5]
  6. 原曲アレンジでの披露は『6thライヴサーキット "74ers"』以来。その間、『9thライヴサーキット "ポルノグラフィティがやってきた"』『幕張ロマンスポルノ 〜DAYS OF WONDER〜』などのライヴで披露されていたが、いずれもアコースティックアレンジで披露されていた。

出典

  1. GOLD ALBUM他認定作品 2002年3月度」『The Record』第510号、日本レコード協会、2002年5月、12頁。
  2. ポルノグラフィティ / 雲をも掴む民”. CDJournal. シーディージャーナル. 2020年9月4日閲覧。
  3. 雲をも掴む民”. PornoGraffitti Official Site. Sony Music Labels. 2020年9月4日閲覧。
  4. 本間昭光(@akimitsuhomma)”. Twitter. 2021年9月26日閲覧。
  5. 『PATi・PATi』ソニー・マガジンズ、2001年4月。
  6. ポルノグラフィティが体現してきた故郷 因島への愛 『音楽の日』中継パフォーマンスの特別さ”. Real Sound|リアルサウンド. 2022年3月9日閲覧。
  7. “しまなみロマンスポルノ’18 〜THE LIVE VIEWING〜”開催しました!”. 2021年9月6日閲覧。
  8. "74ers" LIVE IN OSAKA-JO HALL 2003』. SME Records. 2004年3月24日.
  9. PORNO GRAFFITTI / PORNO GRAFFITTI BEST BLUE”. artist.cdjournal.com. 2021年9月5日閲覧。
  10. 出演者ラインナップ|ミュージックステーション|テレビ朝日”. www.tv-asahi.co.jp. 2022年3月9日閲覧。
This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.