野田義和

野田 義和(のだ よしかず、1957年昭和32年〉2月1日[1] - )は、日本政治家大阪府東大阪市長(4期)。

野田 義和
のだ よしかず
内閣府地方創生推進室より公表された肖像
生年月日 (1957-02-01) 1957年2月1日(66歳)
出生地 日本の旗 日本 京都府京都市
出身校 大阪府立花園高等学校
前職 東大阪市議会議員
所属政党自由民主党→)
無所属
公式サイト 野田よしかず 【野田義和 東大阪市長】

当選回数 4回
在任期間 2007年10月28日 - 現職

東大阪市旗 東大阪市議会議員
当選回数 5回
在任期間 1987年10月 - 2007年

来歴

京都府京都市生まれ。大阪府立花園高等学校卒業[2]参議院議員秘書を経て、1987年(昭和62年)10月から東大阪市議会議員を5期務めた。市議時代は自由民主党に所属。

2007年(平成19年)9月3日の定例市議会において、長尾淳三・東大阪市長の不信任決議が可決される。長尾は議会解散せず、同年9月14日をもって失職[3]。これに伴って10月28日に行われた出直し選挙無所属で出馬。長尾および元大阪府議の西野茂らを破り初当選した(野田:72,820票、長尾:70,454票、西野:22,014票)。投票率は42.06%。

2011年(平成23年)、前回戦った前市長の長尾淳三と無所属で元府議の西野茂、他に無所属・元高校教諭の美馬幸則を破り、再選(野田:86,744票、長尾:57,353、西野:37,706票、美馬:4,550)[4]

2015年(平成27年)、無所属で新人の元市議 浜正幸(共産推薦)を破り、3選。(野田:118,759票、浜:53,625)投票率は45.52%[5]

2019年(令和元年)9月29日投開票の同選挙で4選。 ※当日有権者数:人 最終投票率:39.81%(前回比:-5.71pts)

候補者名年齢所属党派新旧別得票数得票率推薦・支持
野田義和62無所属103,522票68.92%
浜正幸67無所属32,677票21.75%日本共産党推薦
浜田聡42NHKから国民を守る党14,013票9.33%

人物・市政

育鵬社の教科書採択、教育再生首長会議

2006年(平成18年)10月22日、八木秀次らが中心となって「日本教育再生機構」が設立される[6]。翌2007年(平成19年)10月6日に日本会議の関連団体である「日本会議地方議員連盟」が結成された際[7]、野田は設立代表発起人に名を連ねた[8]。日本教育再生機構は日本会議のフロント組織として、育鵬社版教科書の採択のための様々な活動を行った。野田もその動きに従う。東大阪市の教科書選定委員会の「保護者」枠を「保護者等」に規定変更し、日本会議関係者を入れた[9][10]
2011年(平成23年)7月26日、東大阪市教育委員会は臨時会を開き、翌年度からの中学公民の教科書に育鵬社版を採択した。教育委員5人で審議され、4対1で育鵬社に決まった。歴史は2対3で別の会社に決まった[11]
2014年(平成26年)6月2日、「教育再生首長会議」が発足[12]。事務局は「日本教育再生機構」に置かれ[13]、野田は幹事に就任した。2015年(平成27年)1月27日、教育再生首長会議のメンバーは首相官邸で安倍晋三首相と面会。安倍は「教育委員会制度改革で、首長の役割が一層重要になる」と強調した[14][15]。さらに同年4月、文部科学省は、事前の教員らによる選考会議の順位付けについて「拘束力があるかのような取り扱いはしないこと」との通知を、自治体教育委員会に通知した[16]
2015年(平成27年)7月27日、市教委は臨時会を開き、翌年度からの中学公民の教科書に育鵬社版を引き続き採択した。事前の選定委員会は、育鵬社を除く3社の公民教科書がふさわしいと答申したが、教育委員の1人が育鵬社を推薦し、乾公昨委員長らも育鵬社を支持した[17]。メディアは「首長の意をくんだ教育委員による強行」「教育委員の任命権は首長にある。教育現場の意見が軽んじられ、政治家の影響が強まるのは問題」と報じた[16][18]。乾委員長が採択の前に育鵬社の社員と市内の喫茶店で2回会ったことが発覚。市議会で問題となった[19]
2017年(平成29年)6月5日、野田は「教育再生首長会議」会長に就任[20]
2019年(平成31年)3月7日、市民団体「オール東大阪市民の会」は、野田が「教育再生首長会議」の会費や総会・会議の参加費を公費で支出したのは違法だとして、返還の勧告を求めて住民監査請求した[21]

統一教会との関係

  • 2019年(平成31年)4月、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体「世界平和女性連合」は大阪市内のホテルで、全国役員総会を含むイベントを開催。野田はこのイベントに講師として呼ばれ、東大阪市の予算や施策などについて講演を行った[22][23]
  • 上記のイベント以前に、「世界平和女性連合」の研修会やクリスマスパーティーに複数回、出席した[23]
  • 2019年(令和元年)、自民党市議の浅川健造の依頼により、統一教会の関連団体「天宙平和連合(UPF)」が主催する自転車イベント「ピースロード」に参加し、記念撮影に応じた[24]

その他

  • 東大阪市と姉妹都市であるアメリカ合衆国のグレンデール市に対し、韓国従軍慰安婦像設置をめぐり、2013年(平成25年)7月25日付で抗議の書簡を送付した[25]
  • 東大阪市と姉妹都市であるベルリン市ミッテ区に対し、韓国従軍慰安婦像設置をめぐり、2020年(令和2年)11月4日付で書簡を送付。慰安婦像は「過去の歴史を乗り越えて日本と韓国が将来に向けて建設的な関係を築いて行く上で障壁となる象徴」であるとの認識を伝えた[26]

脚注

  1. 『全国歴代知事・市長総覧』日外アソシエーツ、2022年、291頁。
  2. 野田義和Facebook 基本データ
  3. 市政だより 平成19年10月1日号 2面(テキスト版) | 東大阪市
  4. 2011年10月東大阪市長選挙結果 | 週刊ひがしおおさか
  5. “【東大阪市長選】現職の野田氏3選 共産推薦の浜氏を破る”. 産経新聞. (2015年9月27日). https://www.sankei.com/article/20150927-TZSS5RK7BFKIBIZZSRK7IQE3MI/ 2018年10月10日閲覧。
  6. 『毎日新聞』2006年10月5日付東京朝刊、内政面、5面、「日本教育再生機構 22日にタウンミーティング」。
  7. 設立10周年大会”. 日本会議. 2021年1月16日閲覧。
  8. 日本会議地方議員連盟の公式ブログ「草莽崛起ーPRIDE OF JAPAN」、日本会議地方議員連盟設立代表発起人名簿。
  9. 倉橋耕平『歴史修正主義とサブカルチャー―90年代保守言説のメディア文化』青弓社、2018年2月28日。ISBN 978-4-7872-3432-2。
  10. 斉加尚代『教育と愛国―誰が教室を窒息させるのか』岩波書店、2019年5月30日、31頁。
  11. 三上健太郎「中学公民教科書:審議やり直し要望 東大阪市教委に市民グループ/大阪」 『毎日新聞』2011年8月24日付朝刊、地方版、23頁。
  12. 「市民の声」の公表/詳細/教育/平成27年7月 件名 中学校教科書の選定について 教育再生首長会議について 防府市公式ウェブサイト 掲載日:2015年8月28日更新
  13. “育鵬社支援団体に自治体の公費 1千2百万円、教育再生首長会議を経由”. 沖縄タイムス. (2018年7月15日). http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/283704 2018年7月16日閲覧。
  14. 白名正和、篠ケ瀬祐司「こちら特報部 育鵬社教科書めぐる攻防(下)」 『東京新聞』2015年6月26日付朝刊、特報2面、27頁。
  15. 『東京新聞』2015年1月28日付朝刊、6面、「首相の一日 27日」。
  16. 榊原崇仁「育鵬社教科書 シェア微増 4→6% 旗振り役『躍進』 市民団体『現場無視』」 『東京新聞』2015年9月8日付朝刊、特報1面、24頁。
  17. “東大阪市は市立中学校の公民教科書に「育鵬社」、「現代社会への力点がいい」と前回に続き採択”. 産経新聞. (2015年7月27日). https://www.sankei.com/article/20150727-MV3VECHZCFKYZMK4ES76TIDSQ4/ 2022年6月23日閲覧。
  18. 大久保昂「育鵬社教科書:シェア増6% 『つくる会』元幹部編集、歴史・公民 採択、強まる『現場より首長』」 『毎日新聞』2015年9月4日付大阪朝刊、総合面、25頁。
  19. 東大阪市議会 会議録検索システム 平成29年9月第3回定例会-03月14日-17号。
  20. 住民監査請求監査(地方自治法第242条)(平成31年4月) (PDF). 東大阪市監査委員 (2019年4月26日). 2021年1月16日閲覧。
  21. “住民監査請求 東大阪市長の公費支出で /大阪”. 毎日新聞. (2019年3月14日). https://mainichi.jp/articles/20190314/ddl/k27/010/341000c 2022年6月23日閲覧。
  22. 世界平和連合 春のつどい”. 東大阪市議会議員 吉田しょうこ (2019年4月28日). 2022年7月25日閲覧。
  23. 東大阪市長 旧統一教会関係団体の会合などに複数回出席”. NHK (2022年8月19日). 2022年8月23日閲覧。
  24. 玉木達也 (2022年9月1日). 東大阪市長、旧統一教会関連団体イベントで記念撮影 市に寄付も”. 毎日新聞. 2022年9月2日閲覧。
  25. 東大阪市と姉妹都市であるアメリカ・グレンデール市に対し、東大阪市長から書簡を送付しました”. 東大阪市役所 (2016年3月1日). 2021年1月16日閲覧。
  26. 東大阪市と姉妹都市であるドイツ・ベルリン市ミッテ区に対し、東大阪市長から書簡を送付しました”. 東大阪市役所 (2020年11月5日). 2021年1月16日閲覧。

外部リンク

公職
先代
長尾淳三
東大阪市旗大阪府東大阪市長
2007年 -
次代
現職
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