辞海
辞海(じかい)とは、中国の大型総合辞書。中華書局が1915年から作成を始め、1936年に完成した。
1957年から中国共産党の命令で改訂が始まり、1979年に上海辞書出版社から第一次修正版が出版、以後10年毎に改訂版が発行されている。
『大辞海』は『辞海』を基にした大型総合辞典であり、2002年から刊行が始まっている。
作成の歴史
『辞海』は中華書局のオーナー陸費逵が1915年から編纂を開始した。期間も投資額も莫大であったため数回中断されたが、陸費逵はあきらめることなく、1928年に舒新城を編集主任に任命し、1936年ついに出版にこぎつけ、全国で発売された。
1957年9月、毛沢東は上海に赴き、『辞海』の改訂を命じた。1958年、中華書局に辞海編輯所が設立され、専門家5000人を集めての改訂が始まった。1961年から1962年ごろに試行本が完成した。1965年、「未定稿本」が完成する。文化大革命の時期に作業が中止させられたが、文革終了後に上海辞書出版社で事業が再開された。1979年、第一次修正版が完成した。
それ以後、10年ごとに大改訂がなされてきた。最新版は2009年に完成している。
版本
辞海
- 1936年版:上下2冊に分かれる。主編は舒新城。
- 1965年版:『辞海』“未定稿本”、一般公開はされていない。上下2冊に分かれる。
- 1979年版:上海辞書出版社出版、本編は3巻、分冊は専門毎に分かれた26巻からなる。1980年に縮印本(縮小版)が出版された。1983年に語彙を追加して重版された。主編は舒新城、陳望道、夏征農。(ただし舒新城は1960年、陳望道は1977年に死去している。)収録単字14872、詞目91706条、挿入図3000余り。単語は部首別画数順に並んでいる。
- 1989年版:主な内容は1979年版と同じであるが、詞目分類索引一冊が追加された。収録単字16534、語と百科事典の説明10万3千余、合計1600万余字。さらに中華人民共和国行政区画早見、四角号碼索引、詞目外国語索引を追加。百科詞語の追加に重点を置いている。
- 1999年版:夏征農主編。カラー図増加本、音序本(発音順掲載本)もできた。2003年には愛蔵版も出た。両者の文字内容は同じだが、図の並びなどに差がある。カラー図増加本の絵はカラー、その他の本は白黒線画である。『音序本』はピンイン順に掲載されている。収録単字19485(繁体字、異体字を含む)、そのうちの17674個が頭文字(字頭)になっている。頭文字及び独立詞目12万2835条、1983万字。
- 普及本:3巻
- 縮印本:1巻
- カラー本:5巻(付録の索引巻を含む)
- カラー本愛蔵版(発音順):9巻。3つの箱に分けて収められている。オールカラー。責任編集者夏征農のサイン入り金箔カード付き。
- カラー縮印本(発音順):5巻
- 普及本(発音順):4巻
- 縮印本(発音順):1巻、2002年出版。収録単字17523、繁体字と異体字6129、頭文字及び独立詞目10万5400条、1882万字。
- 縮印本愛蔵版(発音順):4巻。2003年出版、1708万字、白黒線図3600余。
- 2009年版:2009年9月21日出版。夏征農(2008年に104歳で没した)、陳至立主編。
発行部数
不完全な統計ではあるが、1999年9月時点で『辞海』79版~89版の3巻本、縮印本の累計発行部数は530万部、分冊は1123万7千部に達している。
脚注
- 『『大辞海』、新たに2巻「法学」「言語学」を発行』人民網日本語版、2004年4月1日 。
- 金鑫『《大辞海》一期工程2015年全面完成』中国新聞出版網、2012年6月8日 。
参考文献
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