フライアッシュ
生成
石炭を燃料として用いる火力発電所(大型ボイラー)では、燃焼時に大量の灰が生成される。フライアッシュは、燃焼ガスとともに吹き上げられるレベルの球状の微粒子であり、電気集塵機などで回収される[1]。
使用
かつては産業廃棄物であったが、コンクリートと相性が良く、骨材にすると耐久性や施工性、流動性を向上させることが着目された[2]ことから、工業製品として位置づけられるようになった。例えば、コンクリート内でセメント内のアルカリ成分との反応によって珪酸ソーダが発生し、周囲から水を吸収・膨張して圧力によるひび割れが発生する、アルカリシリカ反応の抑制を可能としている[3]。現在では、日本工業規格で品質規格が定められている (JIS A6201-1999)。
吸水性が非常に高いため、汚泥処理やシールド工法によって排出される流動性残土の処理の際に混合し、埋め戻し剤として使用される。そのほか、埋め立て工事の土質改善剤や、比重が小さいため、土留工事や擁壁工事などで地泥と混合して使用される。また、映画などでは埃を表現する際に使われ、特に特撮映画での使用が多い。
運搬
専用の粉粒体運搬車などで運搬される。車両の後部に積載品目として「フライアッシュ」と明記されていることから、製品自体や使用目的はともかく、名称自体の認知度は高い。
国際間の移動
脚注
- “石炭灰関連商品(東北フライアッシュ,クリンカアッシュ)”. www.tohatu.co.jp. 東北発電工業. 2021年7月15日閲覧。
- “フライアッシュの特長”. www.tohatu.co.jp. 東北発電工業. 2021年7月15日閲覧。
- “フライアッシュコンクリートの特長”. www.japan-flyash.com. 日本フライアッシュ協会. 2021年7月15日閲覧。
- “石炭灰の輸出に関する実態と 輸出の円滑化に向けた課題”. 電気事業連合会 (2015年10月23日). 2019年9月3日閲覧。
- “日本産石炭灰 輸入時の放射能検査を強化へ=韓国環境部”. 聯合ニュース (2019年8月8日). 2019年9月3日閲覧。
- “韓国、福島など8県の水産物輸入全面禁止”. 日本経済新聞 (2019年9月6日). 2019年9月3日閲覧。
- “石炭火力発電に難問出現? 燃やした灰から強い放射能”. J-cast news (2015年9月29日). 2019年9月3日閲覧。
関連項目
- JR貨物ホキ1000形貨車 - 炭酸カルシウム・フライアッシュ専用ホッパ車
- JR貨物ホキ1100形貨車 - 同上
- JR貨物タキ1100形貨車 - 炭酸カルシウム・フライアッシュ専用タンク車
- 特定粉じん作業者
- 混和材料
- スラグ
- 溶融スラグ
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