生野区
生野区(いくのく)は、大阪市を構成する24行政区のうちの一つ。大阪府の中央部に位置する。
いくのく 生野区 | |
---|---|
国 | 日本 |
地方 | 近畿地方 |
都道府県 | 大阪府 |
市 | 大阪市 |
市町村コード | 27116-1 |
面積 |
8.37km2 |
総人口 |
126,819人 [編集] (推計人口、2023年6月1日) |
人口密度 | 15,152人/km2 |
隣接自治体 隣接行政区 |
大阪市(天王寺区、阿倍野区、東成区、東住吉区、平野区) 東大阪市 |
区の花 | アジサイ |
区のマスコット キャラクター |
いくみん (紫陽花の妖精) |
生野区役所 | |
所在地 |
〒544-8501 |
外部リンク | 大阪市生野区 |
ウィキプロジェクト |
概要
地理
- 河川:平野川、猫間川(ねこまがわ)
上町台地の東側に位置し、平坦な地形が続く。区境は、西側が大阪環状線、北側が近鉄大阪線・奈良線によって形成されているために直線的なものになっている。そのために北西端に位置するJR西日本・近鉄鶴橋駅は、駅舎の一部が隣接する天王寺区や東成区にまたがる格好になっている。
歴史
故事
- 日本最古の橋
- 文書に残る日本最古の橋である猪甘津橋は、現在の生野区に架かっており、周辺に鶴が群れていることからその後「鶴の橋」と呼ばれるようになったとされ、現在の「鶴橋」の地名となった。河川の埋め立てにより現在は橋がなくなったが、「つるのはし跡」の石碑がJR環状線の桃谷駅近くに建っており、橋脚の一部が残っている。
- 聖徳太子伝説 〜生野区の名称の由来〜
- 生野長者と呼ばれた長者の子が、生まれつき言葉をしゃべらないので聖徳太子に相談したところ、聖徳太子が「私が前世に預けた舎利を返しなさい」と長者の子におっしゃった。すると長者の子は3つの舎利を口から吐き出し、それからは普通にしゃべれるようになった。聖徳太子はその舎利を一つは四天王寺に、一つは法隆寺に、一つを長者に賜った。その舎利をおまつりするために長者は寺を建て、舎利尊勝寺と名づけた。生野区の名称はこの故事に登場する生野長者に由来し、長者の建てた舎利尊勝寺は生野区内に現存しており、一帯の地名「舎利寺」の由来となっている。
- 古代・仁徳天皇の時代に、多くの「渡来人」がこの地にやってきた。特にこの地域は百済からの渡来人が多く古くは「百済郡」と呼ばれていた。その渡来人たちがブタ(猪)を飼う技術を持っていたことからこの地域を「猪飼野(いかいの)」と呼ぶようになる。生野は猪飼野が訛ったものか。
人口構成
区の総人口126,669人(2022年7月現在)。
全国で最も外国人比率が高い都市
外国人住民は27,460人(2021年3月現在)で区人口の約21.6%に達し、大阪市の行政区で最も多い[1]。ちなみに外国人比率の高い自治体である群馬県邑楽郡大泉町は19%(2021年9月現在)[2]、全国最多の外国人住民を抱える埼玉県川口市の外国人人口は約3万9000人で住民の6.4%(令和2年6月1日現在)、全国2位の外国人住民抱える東京都内における最も外国人人口の多い新宿区の人口(346,925人)に対する外国人人口(40,347人)比率は11.6%(令和4年11月1日現在)[3]である。全国で最も外国人居住者の比率が高い行政区の一つで、その多くは在日韓国・朝鮮人である。
産業
個人商店、中小企業が多く、特にゴムと硝子工業が有名。『田島(たしま/たじま)のめがねレンズ』は特に有名で、昭和40年代までは全国シェアの90%の生産量を誇っていた。田島神社境内には「レンズ発祥の地」の碑がある。商店街も多く賑わいを見せている。
またロート製薬、フルタ製菓、ノーベル製菓、そして山本化学工業の本社や工場も生野区に所在する。ロート製薬の一社提供番組であった『アップダウンクイズ』(MBS) や『クイズダービー』(TBS) などで放送されたオープニングキャッチの映像は、巽西にある同社の本社工場・研究所である。
交通
バス
また、かつては近鉄バスも生野区内に路線があり、勝山通を経由するあべの橋・近鉄八尾駅間、布施から内環状線・南巽駅を経てJR平野まで運行していた。
道路
- 勝山
- 今里筋(大阪市道大阪環状線)
- 大阪内環状線(国道479号)
- 大阪市道四天王寺巽線
- 疎開道路(大阪市道上新庄生野線)
- 国道25号
- 大阪府道172号布施停車場線
- 大阪府道173号大阪八尾線(今里筋・勝山通)
出身者
- 大西ひろゆき(元防衛大臣政務官、元内閣府大臣政務官、前衆議院議員)
- トミーズ雅(漫才師)- 巽中学卒
- トミーズ健(漫才師)- 巽中学卒
- 杉本健勇(プロサッカー選手・日本代表)
- 福本豊(元プロ野球選手)
- 東野圭吾(作家)- 東生野中学校卒
- 笑福亭仁鶴(落語家)- 生野区田島(たしま)の出身で中学生まで在住していた。
- 玄月(作家)- 生野区で生まれ育ち、現在も居住している。
- 伊原剛志(俳優)- 巽中学卒
- 中川健一(牧師)
- 長原成樹(タレント)- 巽中学卒
- 須藤秀澤(写真家)
- 木村充揮(歌手・元憂歌団メンバー)- 大池中学卒
- 秋山成勲(総合格闘家)- 大池中学卒
- アンミカ(タレント・モデル)
- 土肥ポン太(タレント)
- 松尾敏伸(俳優)- 鶴橋中学卒
- 梁石日(作家)- 猪飼野出身
- 渡辺桂子(歌手)
- 岡田可愛(女優・タレント)- 生野区に生まれ小4まで在住
- PAKshin(ミュージシャン・カルメラ)- 生野中学卒
- 塚本正治(社会運動家・詩人・シンガーソングライター)- 鶴橋中学卒
- 角倉護(実業家)
- 松本健留(ラグビー選手)
- しんや(タレント)
- 西村太一(騎手)
- 木下誠(プロバスケットボール選手)
- Jin Dogg(ラッパー)
- REAL-T(ラッパー)
- CHEHON(レゲエDeejay)
生野区にゆかりのある人物
名所・旧跡・観光スポット・施設
脚注
- “住民基本台帳人口・外国人人口”. 生野区. 2021年9月13日閲覧。
- “大泉町の多文化共生”. 大泉町. 2021年11月14日閲覧。
- “新宿区の人口”. 新宿区. 2022年11月6日閲覧。
外部リンク
- 大阪市生野区
- ikuno-times(生野区) (@ikuno_times) - Twitter
- Rosalia AVILA-TAPIES, 在日外国人と日本人の人口移動パターンの比較分析 大阪市生野区を事例として 『人文地理』 1995年 47巻 2号 pp.174-188, doi:10.4200/jjhg1948.47.174