犬吠埼
犬吠埼(いぬぼうさき)は、関東平野最東端に位置する千葉県銚子市の太平洋に突出する岬。水郷筑波国定公園に含まれる景勝地。岬には犬吠埼灯台が屹立する。岬一帯の町名にも犬吠埼が使用されている。郵便番号は288-0012[3]。
犬吠埼 | |
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場所 |
日本 千葉県銚子市犬吠埼 |
座標 | 北緯35.42度 東経140.52度 |
年代 | 中生代、白亜紀(1億2000万年前) |
犬吠埼 | |
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国 | 日本 |
都道府県 | 千葉県 |
市町村 | 銚子市 |
面積 | |
• 合計 | 0.588967511 km2 |
人口 | |
• 合計 | 655人 |
• 密度 | 1,100人/km2 |
等時帯 | UTC+9 (日本標準時) |
郵便番号 |
288-0012[3] |
市外局番 | 0479[4] |
ナンバープレート | 千葉 |
本項では、犬吠埼を名称に冠した周辺施設についても解説する。
概要
日本三大河川の一つである利根川(一級河川)の河口付近にあり、付近一帯は水郷筑波国定公園に含まれる銚子半島の景勝地である。
犬吠埼の「磯めぐり」は江戸時代には行われていた[5]。風光明媚な海岸線には数々の文人、墨客が訪れ、文豪の地として親しまれ、海岸線沿いは歌碑や詩碑も多い。
日本一早い初日の出スポットとして有名である[注釈 1]。岬周辺の白亜紀の地層は国の天然記念物に指定され、日本の地質百選にも選定されている。
沿岸には遊歩道が設けられており、北側には古くから「関東舞子」と呼び親しまれ、日本の渚百選にも選ばれた君ヶ浜(君ヶ浜しおさい公園)があり、国土地理院では君ヶ浜(東経140度52分21秒)を関東および千葉県の最東端としている。
海の難所として知られ、幕末には榎本武揚の率いる幕府の軍艦美加保丸が、付近の黒生(くろはえ)の岩礁に乗り上げて乗組員13名が亡くなった[6]。
犬吠埼の岬には犬吠埼灯台が太平洋に向かって立つ。日本を代表する灯台の一つで、「世界灯台100選」「日本の灯台50選」にも選ばれている。歴史的文化財的価値が高く、国の登録有形文化財に登録され、海上保安庁により「Aランク保存灯台」ともなっている。2020年度には国の重要文化財に指定された[7][8][9]。灯台の出入口横に灯台の色に合わせた白く塗られた郵便ポスト・丸型1号ポスト(郵便差出箱1号)が設置されている。
名称
自然
太平洋に突出した銚子半島には、中生代(白亜紀)から現代までの様々な地層が姿を見せている。海岸の植物や磯の動植物なども種類は豊かで、分布上も注目されるものが多い。
文学
風光明媚な海岸線はかつて数々の文人墨客が訪れ、景勝地は「文豪の地」として親しまれた[13]。
日本一早い初日の出
富士山のような高地や離島を除く日本国内で、元旦の初日の出が一番早く(午前6時46分)拝める場所として知られている。その為、各テレビ局での元旦早朝の初日の出中継では、犬吠埼から生中継を行うことも多い。
初日の出時刻 (参考)
国立天文台が「国内の初日の出時刻のランキング」を公開している[14]。高地や離島を除く日本国内中、北海道・本州・四国・九州の平地で一番早いとなっている。
以下初日の出時刻参考。
主な場所 | 時間 | 備考 | |
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0 | 南鳥島 | 5:27 | 日本最東端 |
0 | 母島 | 6:20 | 一般人が来訪できる地で一番早い |
0 | 富士山頂 | 6:42 | 北海道・本州・四国・九州で一番早い |
1 | 犬吠埼 | 6:46 | 北海道・本州・四国・九州の平地で一番早い |
2 | 納沙布岬 | 6:49 | 最東端(岬) |
3 | 千葉市 | 6:49 | 近隣(千葉県庁所在地) |
4 | 根室市 | 6:50 | 最東端(市町村) |
5 | 東京都 | 6:50 | 近隣(首都) |
6 | 与那国島 | 7:32 | 一番遅い、日本最西端 |
犬吠埼園地
犬吠埼は水郷筑波国定公園の区域内にあり、地域の自然探勝のため犬吠埼園地が整備されている[15]。周辺にはホテルなどの宿泊施設や土産店などの民間施設がある[15]。また文学散歩(佐藤春夫詩碑、高浜虚子の句碑など)なども楽しめる。
犬吠埼灯台下遊歩道は灯台を一周する磯づたいの遊歩道で、白亜の灯台を中心に砂浜、岩礁、希少な崖地植物、漁港風景を鑑賞できる。
自然公園名 | 水郷筑波国定公園 |
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施設の種類 | 園地、道路(歩道) |
所在地 | 銚子市犬吠埼 |
面積 | 園地0.39ha、遊歩道延長1.37km |
施設 | 園地、公衆トイレ、遊歩道 |
管理 | 銚子市 |
交通 | 銚子電鉄「犬吠駅」下車徒歩約10分 |
メディア
東映の映画のオープニング映像「荒磯に波」は、灯台南側下の岩場にて撮影されたものである。撮影地点は立入禁止であるが、灯台施設外周を周回する遊歩道より撮影された岩を、上方からではあるが安全に眺めることが出来る。
町名の変遷
銚子市と高神村の合併後、銚子市大字高神の内、以下の小字が再編されて犬吠埼となった[17] 。
実施後 | 実施年月日 | 実施前 |
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犬吠埼 | 1938年6月1日[18] | 鵜ノ屎(一円)、酉明(天王台に編入された10,159-10,195番地[19]を除いた部分)、犬吠(一円)[20] |
周辺施設
ギャラリー
- 酉明浦より犬吠埼を望む
- 岬より酉明浦方面を望む
- 犬吠埼灯台南側下の岩場
- 銚子ポートタワーより犬吠埼方面を望む
脚注
注釈
- 富士山のような高地や、離島を除く。
出典
- “千葉県銚子市の町丁・字一覧”. 人口統計ラボ. 2019年8月19日閲覧。
- “町丁字別人口および世帯数・各年齢別人口”. 銚子市 (2019年8月8日). 2019年8月19日閲覧。
- “郵便番号”. 日本郵便. 2019年8月19日閲覧。
- “市外局番の一覧”. 総務省. 2019年8月19日閲覧。
- “銚子・犬吠埼に義経伝説?初日の出・夕陽おすすめスポットも”. ORICON NEWS. 2022年11月30日閲覧。
- “のぼれる灯台16 犬吠埼灯台(いぬぼうさき)(千葉県銚子市)”. 公益社団法人燈光会. 2022年11月30日閲覧。
- “国宝・重要文化財(建造物)の指定について”. 文化庁. 2020年10月18日閲覧。
- 令和2年12月23日文部科学省告示第140号
- 重要文化財指定にともない、登録有形文化財の登録は抹消されている(令和2年12月23日文部科学省告示第142号)。
- “犬吠埼灯台について”. 海上保安庁第三管区海上保安本部. 2022年11月30日閲覧。
- “銚子市生涯学習ガイド〜犬吠埼の自然植物”. www.city.choshi.chiba.jp. 2019年2月13日閲覧。
- “犬吠埼の自然 - 犬吠埼ブラントン会”. www.inubo.net. 2019年2月13日閲覧。
- “観光情報 銚子市”. www.city.choshi.chiba.jp. 2019年2月13日閲覧。
- “初日の出情報(2019年1月)”. 国立天文台(NAOJ). 2019年2月13日閲覧。
- “自然環境整備計画(国定公園等整備事業)の目標、計画期間及び整備方針”. 千葉県. 2022年11月30日閲覧。
- 銚子市立小・中学校通学区域一覧 2019年8月19日閲覧 (PDF)
- 『続銚子市史Ⅰ 昭和前期』p.337,343 銚子市 1983
- 『続銚子市史Ⅰ 昭和前期』p.337 銚子市 1983
- 『続銚子市史Ⅰ 昭和前期』p.341 銚子市 1983
- 『続銚子市史Ⅰ 昭和前期』pp.343-344 銚子市 1983