杜けあき
杜 けあき(もり けあき、1959年7月26日 - )は日本の女優。元宝塚歌劇団雪組トップスター。
もり けあき 杜 けあき | |
---|---|
本名 | 狩野 久美子(かの くみこ) |
生年月日 | 1959年7月26日(63歳) |
出生地 | 宮城県仙台市 |
国籍 | 日本 |
血液型 | AB型 |
職業 | 女優 |
活動期間 | 1979年 - |
活動内容 |
1979年:宝塚歌劇団入団 1980年:雪組に配属 1988年:雪組トップスター就任 1992年:菊田一夫演劇賞受賞 1993年:宝塚歌劇団退団、以降舞台・テレビで活動。 |
備考 | |
宝塚歌劇団卒業生 |
宮城県仙台市、仙台白百合高等学校出身。公称身長165センチ、血液型AB型。
本名:狩野久美子(かの くみこ)。宝塚歌劇団時代の愛称は「もりちゃん」「かりんちょ」。
経歴
1979年、65期生として宝塚歌劇団に入団[1]。花組公演『花影記/紅はこべ』で初舞台を踏む。同期に南風まい・春風ひとみ・さつきりせ・前田真里・白川亜樹(山沖之彦夫人、芹香斗亜実母)・たまなめいらがいる。入団時の成績は45人中7位[2]。
1980年4月8日[2]、雪組に配属。翌1981年に『彷徨のレクイエム』で、新人公演初主役に抜擢され、以来、2番手男役までの間にほとんどの新人公演の主演を務め男役スターとしての地位を築く。
1983年、当時としては最年少(入団5年目)で宝塚バウホール公演『恋のトリコロール』主演。翌1984年雪組男役3番手、1985年には男役2番手に昇進。
1988年に平みちの退団に伴い、雪組トップスターに就任。初の東北地方出身トップスターが誕生した。相手役には、男役出身の鮎ゆうきを迎え、翌1989年の『ムッシュ・ド・巴里/ラ・パッション』がお披露目公演となった。
同年、『ベルサイユのばら -アンドレとオスカル編-』ではアンドレを主役として演じる。1991年の月組公演『ベルサイユのばら -オスカル編-』でアンドレ役で当時の他組トップスター(大浦みずき、日向薫)と日替わりで特別出演し、この公演で月組トップスターに就任した涼風真世のお披露目公演に華を添えた。同年の全国ツアーでは、『ベルサイユのばら -オスカル・アンドレ編-』で今度はオスカルを主役として演じた。
1991年、相手役の鮎が『華麗なるギャツビー/ラバーズ・コンチェルト』の東京公演千秋楽を最後に宝塚歌劇団を退団したため、後任の相手役として紫ともを迎える。翌年、『この恋は雲の涯まで』で新トップコンビとしての大劇場初お披露目となった。
1992年、宝塚大劇場改築に伴う旧大劇場最後の公演、『忠臣蔵〜花に散り雪に散り〜』が彼女の退団公演となり、旧大劇場時代の最後のトップスターとなった。翌1993年3月31日[2]、同作品の東京公演千秋楽を最後に宝塚歌劇団を退団。
退団前に再演されたバウホール公演『ヴァレンチノ』と『忠臣蔵』の演技が評価され、1992年度菊田一夫演劇賞の演劇賞を受賞。
退団後は、サンミュージックプロダクション→アトリエ・ダンカンを経て現在の事務所に所属している。舞台・テレビで女優として活躍をつづけている。
人物
警察官の父のもと出生。仙台白百合高在学中に『ベルサイユのばら』にあこがれ宝塚歌劇団を志望、わずか3ヶ月の受験勉強で高校2年修了時宝塚音楽学校受験・合格。
芸名は当時の仙台市長・島野武の命名による。
宝塚歌劇団時代の主な舞台
雪組時代
- 1980年10月、『花の舞拍子』/『青き薔薇の軍神』新人公演:ニコラ(本役:山城はるか)
- 1981年5月、『彷徨のレクイエム』新人公演:コビリンスキー大佐(本役:寿ひずる)*新人公演初主演[3]
- 1981年9月、『暁のロンバルディア』(バウ)リカルド
- 1981年11月、『かもめ翔ぶ海』新人公演:島田悠太郎(本役:麻実れい)、花井一(本役:山城はるか)[4]/『サン・オリエント・サン』 *新人公演主演
- 1982年8月、『ジャワの踊り子』(東宝)イブラヒム、新人公演:アリ・アディナン(本役:麻実れい) *新人公演主演
- 1982年11月、『パリ変奏曲』パック軍曹、新人公演:ボルスタイン伯カール・ハインリッヒ(本役:麻実れい)/『ゴールデン・ドリーム』 *新人公演主演
- 1983年5月、『うたかたの恋』新人公演:ルドルフ皇太子(本役:麻実れい)/『グラン・エレガンス』 *新人公演主演
- 1983年8月、『ブルー・ジャスミン』ハッサン、新人公演:カシム・ベン・フセイン王子(本役:麻実れい)/『ハッピーエンド物語』 *新人公演主演
- 1983年10月、『恋のトリコロール』(バウ)フレッド・フォスター、モーリス(2役) *バウホール初主演
- 1984年2月、『うたかたの恋』モーリス大尉/『ハッピーエンド物語』(中日)
- 1984年3月、『風と共に去りぬ』チャーリー、新人公演:レッド・バトラー(本役:麻実れい) *新人公演主演
- 1984年9月、『千太郎纏しぐれ』三次、新人公演:千太郎(本役:麻実れい)/『フル・ビート』 *新人公演主演
- 1985年1月、『花夢幻』/『はばたけ黄金の翼よ』ジュリオ・タデル・カンポ、新人公演:ヴィットリオ・アラードロ(本役:麻実れい)
- 1985年2月、『フロムハート物語』(バウ)アル・ブライト
- 1985年6月、『愛のカレードスコープ』カール王子/『アンド・ナウ!』
- 1985年9月、『はばたけ黄金の翼よ』ファルコ・ルッカ/『フル・ビート』(全国ツアー)
- 1986年1月、『ショーボート』(バウ・東京特別)ジョー
- 1986年2月、『大江山花伝』渡辺綱/『スカイ・ハイ・スカイ』
- 1986年4月、『ヴァレンチノ』(バウ)ルドルフ・ヴァレンチノ *バウホール主演
- 1986年8月、『三つのワルツ』ヨハン・ブルンネル
- 1987年2月、『誇りたかき愛の詩』(バウ)モーリス・ランディ中尉 *バウホール主演
- 1987年3月、『宝塚をどり讃歌』/『サマルカンドの赤いばら』イヴン・アラジン
- 1987年9月、『梨花 王城に舞う』范文虎/『ザ・レビュースコープ』
- 1988年1月、『風と共に去りぬ』アシュレ・ウイルクス
- 1988年2月、『レッドヘッド』(バウ・東京特別)トム・バクスター *バウホール主演
- 1988年7月、『たまゆらの記』首皇子/『ダイナモ!』
- 1988年8月、『おもかげ草子』(バウ)坂田伊左衛門 *バウホール主演
雪組トップ時代
- 1989年2月、『ムッシュ・ド・巴里』フランソワ・ヴィヨン(ビリー・クレイボーン)/『ラ・パッション!』
- 1989年8月、『ベルサイユのばら - アンドレとオスカル編- 』アンドレ
- 1990年1月、『天守に花匂い立つ』加納真之介宗治/『ブライト・ディライト・タイム』
- 1990年6月、『黄昏色のハーフムーン』フィリップ/『パラダイス・トロピカーナ』
- 1990年9月、『天守に花匂い立つ』加納真之介宗治/『ブライト・ディライト・タイム』(全国ツアー)
- 1991年2月、『花幻抄』/『スイート・タイフーン』[5]
- 1991年3月、『ベルサイユのばら - オスカル編- 』(月組公演)アンドレ *特別出演
- 1991年4月、『ベルサイユのばら - オスカル・アンドレ編 - 』(全国ツアー)オスカル
- 1991年8月、『華麗なるギャツビー』ジェイ・ギャツビー/『ラバーズ・コンチェルト』
- 1991年10月、『スポットライト・マジック』(バウ)
- 1992年2月、『華麗なるギャツビー』ジェイ・ギャツビー/『ラバーズ・コンチェルト』(中日)
- 1992年4月、『この恋は雲の涯まで』源義経、杉目小太郎
- 1992年8月、『ヴァレンチノ』(バウ・東京特別・名古屋特別公演)ルドルフ・ヴァレンチノ
- 1992年10月、『忠臣蔵〜花に散り雪に散り〜』大石内蔵助 *退団公演
宝塚歌劇団退団後の主な出演
舞台
- 1993年5月 ガイズ&ドールズ 日生劇場 サラ
- 1993年7月 犬神家の一族 芸術座 野々宮珠世
- 1993年10月 女人太閤記 :三越劇場 可音
- 1994年5月 津和野の女 - 炎の女優 伊沢蘭奢の生涯 帝劇
- 1994年6月 犬神家の一族 名鉄ホール 野々宮珠世
- 1994年11月 ザ・近松 近鉄劇場 おさん
- 1995年2月 新版 滝の白糸 帝劇 秋月品子
- 1995年7月 新版 滝の白糸 飛天 秋月品子
- 1996年1月 祇園の姉妹 芸術座 吉沢の妹
- 1996年6月 わが心の龍馬 飛天
- 1996年9月 新おんたたちの同窓会 名鉄ホール
- 1996年11月 雪の夢 華のゆめ 明治座:大石りく
- 1997年2月 ラヴ・レターズ サンケイホール
- 1997年7月 六十の手習い 名鉄ホール
- 1997年10月 菊がさね 東京宝塚:鹿の子
- 1998年 2月 出雲の阿国 明治座:阿国
- 1998年 8月 屋根の上のヴァイオリン弾き 帝劇:ツァイテル
- 1998年10月 迷宮伝説 近鉄劇場
- 1999年1月 初姿次郎長富士 明治座
- 1999年7月 佐渡島他吉の生涯 飛天
- 1999年11月 天翔ける虹 明治座
- 2000年 2月 妻たちの季節 名鉄ホール:真佐子
- 2000年 7月 出雲の阿国 博多座:阿国
- 2000年 9月 木曽義仲と三人の女 明治座:巴
- 2000年11月 不死鳥よ波濤を越えて 梅田コマ劇場:藤原雅子・紫蘭
- 2001年 5月 暴れん坊将軍 大阪新歌舞伎座
- 2001年 7月 風と共に去りぬ 帝劇:メラニー
- 2001年10月 いのち燃ゆるとき 明治座:お篠
- 2002年 1月 不死鳥よ波濤を越えて 新宿コマ劇場:藤原雅子・紫蘭
- 2002年 3月 風の砦 明治座
- 2002年 5月 からくりお楽 帝劇
- 2002年 9月 佐渡島他吉の生涯 明治座
- 2003年 5月 風と共に去りぬ 帝劇:メラニー
- 2003年 9月 暴れん坊将軍 御園座
- 2004年 2月 しあわせ家族 名鉄ホール
- 2004年 5月 サウンド・オブ・ミュージック 博多座:エルザ
- 2005年 2月 BAT BOY THEATRE1010他
- 2005年 7月 佐渡島他吉の生涯 御園座
- 2006年 1月 BAT BOY 東京厚生年金会館他
- 2006年 3月 剣客商売 明治座
- 2006年10月 風と共に去りぬ 博多座:メラニー
- FAME 2006年11月11日初日・座長MA(ミュージカルアカデミー)
- 2007年 3月 大奥 御園座
- 2007年 5月 くたばれ!ヤンキース 青山劇場:メグ
- 2007年10月 売らいでか! 梅田芸術劇場
- 2008年 6月 ハロルドとモード 天王洲銀河劇場
- 2008年 9月 罠 サンシャイン劇場
- 2009年 1月 スーザンを探して シアタークリエ
- 2009年 6月 頭痛肩こり樋口一葉 浅草公会堂:稲葉鑛
- 2009年 7月 オペラ・ド・マランドロ 東京芸術劇場:シュトリーデル夫人
- 2010年 1月 キャバレー 日生劇場
- 2010年 4月 ブラッド・ブラザーズ シアター1010:ミセス・ライオンズ
- 2010年 8月 エリザベート 帝劇:ゾフィ(寿ひづるとWキャスト)
- 2012年 5月 エリザベート 帝劇:ゾフィ(寿ひづるとWキャスト)
- 2011年 1月 DREAM TRAIL 宝塚伝説 青山劇場他
- 2011年 4月 おもひでぽろぽろ 銀河劇場:タエ子の母親役
- 2011年 7月 嵐が丘 赤坂ACRシアター他
- 2011年12月 ア・ソング・フォー・ユー 新国立劇場中劇場
- 2012年 3月 キャバレー 東京国際フォーラムホールC
- 2012年12月 100歳の少年と12通の手紙 東京グローブ座
- 2013年 3月 新幹線 おそうじの天使たち アイシアタートーキョー:多恵子
- 2013年10月 DREQM.A DREAM 東急シアターオーブ他
- 2014年 2月 おもひでぽろぽろ エレトロンホール宮城他
- 2014年 4月 人生・おきあがりこぼし 三越劇場
- 2014年 5月 CELEBRATION 100! Takarazuka 青山劇場他
- 2014年 8月 伯爵夫人の相続人 リーガロイヤルホテル東京
- 2014年10月 安倍晴明 大槻能楽堂
- 2015年 2月 約束 リーガロイヤルホテル東京
- SUPER GIFT! (2015年9月 - 10月)
- CHICAGO THE MUSICAL 宝塚歌劇OGバージョン(2016年7月 - 8月):看守ママ・モートン
- 2017年 7月 ソ→ォス! 全労済ホール/スペース・ゼロ(新宿)
テレビドラマ
- はぐれ刑事純情派(テレビ朝日・東映)
- 第6シリーズ第14話「蘭の鉢植えを持つ女・見えない絆」(1993年) - 森川亜紀子
- 第12シリーズ第25話「死体は整形していた!?夫をほめる女」(1999年) - 内野陶子
- 第13シリーズ第13シリーズ「花に殺意を!? 嫉妬する女!」(2000年) - 大友映子
- さすらい刑事旅情編 最終シリーズ第20話「親切強盗!?お呪いを信じる女」(1995年、テレビ朝日・東映)
- 天空に夢輝き 手塚治虫の夏休み(1995年、NHK)天津乙女
- 火曜サスペンス劇場(日本テレビ)
- 女弁護士・高林鮎子17(1995年) - 西川靖江
- 当番弁護士6(1998年) - 谷沢美佐子
- 風の刑事・東京発! 第14話「北九州行き!結婚サギ師の女」(1996年、テレビ朝日・東映)
- 水戸黄門(TBS・C.A.L.)
- 土曜ワイド劇場(テレビ朝日)
- 湯けむり受胎旅行連続殺人1(1997年、) - 景山悠子
- 西村京太郎トラベルミステリー32(1998年、東映) - 原田秋子
- 西村京太郎トラベルミステリー46(2006年、東映) - 柏木めぐみ
- 漫画家・真行寺華美の殺人レシピ1(1999年、TBS) - 芳川雪乃
- 暴れん坊将軍 最終回スペシャル(2003年、テレビ朝日・東映)
- 天花(2004年、NHK) ※杜けあきの故郷、仙台を舞台にした作品である。
- 僕らプレイボーイズ 熟年探偵社 第7話(2015年、テレビ東京・The icon) - 加藤妙子
音楽作品
- 愛の詩(ポエム)(CD) TMPC-115A
- 愛の行方/愛しているのはあなただけ(CDシングル 1995年8月リリース) ※現在廃盤。表題曲は、映画『きけ、わだつみの声 Last Friends』イメージソング。高見沢俊彦がプロデュース・作詞・作曲。杜と高見沢は、この仕事以来良き友人関係にあるとのこと。
- 花は咲く(CDマキシシングル 2012年5月23日発売) ※NHK東日本大震災復興応援ソング、花は咲くプロジェクトのメンバーとして歌唱参加、作詞:岩井俊二、作曲・編曲:菅野よう子
- 最後の雨 - 宝塚歌劇団OGによるカバーアルバム『麗人 REIJIN』(2015年1月21日発売)に収録[6]。
- 枯葉 - 越路吹雪トリビュートアルバム『越路吹雪に捧ぐ』(2016年12月21日)に収録[7]。
- 配信deタカラヅカ Dinner Show Collection ~杜けあき~
脚注
- “杜けあき、名曲の数々を歌いつぐ 寺田瀧夫さん没後20年コンサート”. 日刊スポーツ (2021年6月10日). 2021年6月10日閲覧。
- 『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡り続けて(人物編)』小林公一・監修、阪急コミュニケーションズ、2014年4月1日、P.91。ISBN 9784484146010
- この作品はフィナーレを含めて4部構成になっており、第1部の主役は寿ひずるが務めた。
- この期間は新人公演が2回実施されていたため。
- 第2幕の『恋騒ぎ』は一路真輝主演の芝居で、杜は出演していない。
- “音楽史上初 宝塚歌劇団OGによるJ-POPカバーアルバムがリリース決定”. シアターガイド. (2014年11月21日) 2014年11月25日閲覧。
- “越路吹雪37回忌、トリビュートアルバム&メモリアルコンサートに宝塚OGら”. ステージナタリー. (2016年10月26日) 2016年10月26日閲覧。
外部リンク
- 杜けあき オフィシャルウェブサイト
- 杜けあき公式FCモーリスクラブ (@morris_club) - Twitter
- NHKラジオ ごごラジ! - ウェイバックマシン(2016年3月31日アーカイブ分)
- NHKラジオ ごごラジ!ブログ
- フレッシュアイリンク
- 配信deタカラヅカ Dinner Show Collection ~杜けあき~ ページ