御崎駅

御崎駅(みさきえき)は北海道室蘭市御崎町2丁目にある北海道旅客鉄道(JR北海道)室蘭本線である。駅番号M34電報略号ミサ事務管理コードは▲130352[2]

御崎駅
駅舎(2017年9月)
みさき
Misaki
M33 輪西 (1.9 km)
(1.7 km) 母恋 M35
地図
所在地 北海道室蘭市御崎町2丁目
北緯42度19分45.04秒 東経140度59分37.92秒
駅番号 M34
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 室蘭本線
キロ程 4.2 km(東室蘭起点)
電報略号 ミサ
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
乗降人員
-統計年度-
28人/日
-2014年-
開業年月日 1905年明治38年)6月21日[1]
備考 無人駅

歴史

1976年の御崎駅と日本製鋼所周囲約1.5km範囲。右上側に見える御崎駅裏から日本製鋼所の専用鉄道が分岐して工場構内を縦横に走る。左側の菱形の埠頭が日通埠頭。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

駅名の由来

所在地名より。岬を意味するアイヌ語の「エサシ(esasi)」(注:原型は「エサウシ(e-sa-us-i)」〔頭が・浜に・ついている・所〕)を意訳した[10]、と紹介されることもあるが、これについて山田秀三は、室蘭における「エサシ」の地名は、現在の陣屋町付近の岬の事を指すものだ、として、当地付近の岬から付いた和名の地名ではないか、との見解を示している[11]

駅構造

相対式ホーム2面2線を有する複線区間の地上駅転轍機を持たない棒線駅となっている。線路東側の駅舎側ホームが上り1番線、対向側ホームが下り2番線となっている。互いのホームは両ホーム南側を結んだ跨線橋で連絡している[12]

かつては単式ホーム島式ホーム複合型の2面3線の配線であった。対向側のホームが島式で、西側に上下線共用で使用されていた副本線の3番線が存在し、そこから駅構内西側の貨物線、付近の日通埠頭日本製鋼所への専用線が分岐し、旅客よりも貨物の取り扱いをメインとする駅であった。これら多数の貨物線、専用線は、共に遅くとも1993年(平成5年)までに全て撤去された[12]

現在は無人駅となっている。駅舎は構内の東側(室蘭方面に向かって左側)に位置し単式ホーム中央部に接している。駅舎は1989年(平成元年)築のもので[13]、駅舎内にトイレを有する。またかつては駅舎内に売店も存在し(1993年(平成5年)時点では営業中であった[12])、閉店後その部分にはシャッターが降りている[13]。2017年3月31日までは、駅前商店乗車券を販売する簡易委託駅となっていた[13](営業時間:7時00分から21時00分まで。日曜日は休み)。

有人駅時代には「室蘭線発祥の地」と記載された駅スタンプが存在した[12]

そのほか、構内には「室蘭線発祥の地」碑がある。

のりば

番線路線方向行先
1 室蘭本線 上り 室蘭方面
2 下り 東室蘭札幌方面

利用状況

  • 1981年度(昭和56年度)の1日乗降客数は225人[14]
  • 1992年度(平成4年)の1日乗降客数は172人[12]

1日の平均乗降人員は以下の通りである[15]

乗降人員推移
年度 1日平均人数
2011 14
2012 22
2013 24
2014 28

駅周辺

エトチケレップとはアイヌ語で「」の意で、室蘭方面車窓左手に見える山がそれである。エトチケレップ岬にかつてあったエトチケレップ仮桟橋室蘭本線の計画上の起点であり、そのためエトチケレップ岬の最寄駅である当駅には、「室蘭線発祥の地記念碑」が建立されている。なお当駅の名称「御崎」もこの岬にちなむものである。
  • 室蘭線発祥の地記念碑
1892年(明治25年)8月1日石狩炭田からの石炭積み出しを目的に北海道炭礦鉄道が室蘭 - 岩見沢間の鉄道を開設。終着駅であった初代室蘭駅(現在の新日本製鐵室蘭製鐵所第1門の北東約200メートル、現輪西駅の北東約100メートルの位置にあったものと思われる)から約1.5 km 先(現在のゴルフ練習場周辺)のエトチケレップ岬突端にあった蛇島の南東側基部に石炭積出用鉄道桟橋が設けられ、ここまで貨物専用線が敷かれたことを記念するために最寄の御崎駅に記念碑が建てられた。よって、この記念碑は本来の室蘭線発祥の地からは約250メートル南東の位置にあたることになる。

隣の駅

北海道旅客鉄道(JR北海道)
室蘭本線
母恋駅 (M35) - 御崎駅 (M34) - 輪西駅 (M33)

脚注

注釈

  1. 1990年7月1日時点では簡易委託駅となっている(小冊子『HANDBOOK 1990』「駅は旅の出発点」(発行:北海道旅客鉄道、1990年発行)より)。

出典

  1. 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、857頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
  2. 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、226頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧
  3. 新室蘭市史 第3巻 P118、「室蘭港實地繪圖」川瀬善一編著 明治25年10月発行。設置届が出されなかった理由は不明。
  4. 当初の設置地点については1909年(明治42年)室蘭測量舎編、室蘭タイムス出版部発行『室蘭港明細図』(北海道立図書館北方資料デジタル・ライブラリー)を参照の事。図中「止」が停車場を示す。該当地点は「エトツケ」の根本に記されており、現在位置から約500m東室蘭寄りの位置。
  5. 北海道炭礦鐵道 第三十一回、第三十二回営業報告。なお、当初はエトツケ貨物停車場という名前で設置届及び使用届が出されていたが、6月9日に使用許可が降りた直後の6月13日に駅名改称を行っている。
  6. 『官報』 1905年07月03日 逓信省彙報「停車場設置」(国立国会図書館デジタルコレクション)
  7. 地方鉄道軌道一覧 (社)鉄道同士会 昭和7年10月発行。
  8. 室蘭市史 下巻 昭和16年発行 P135によれば、旧・輪西駅が現・東室蘭駅の位置に移転したために御崎、輪西両町の住民が不便になり、鉄道当局に対して貨客取り扱いの陳情を行った結果開設されたとある。
  9. 「通報 ●飯田線三河川合駅ほか186駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報号外』日本国有鉄道総裁室文書課、1986年10月30日、12面。
  10. 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、69頁。ASIN B000J9RBUY
  11. 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 別巻〉、2018年11月30日、402頁。ISBN 978-4-88323-114-0。
  12. 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館1993年6月発行)85ページより。
  13. 書籍『北海道鉄道駅大図鑑』(著:本久公洋、北海道新聞社2008年8月発行)129ページより。
  14. 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館1983年7月発行)76ページより。
  15. 国土数値情報 駅別乗降客数データ - 国土交通省、2020年9月26日閲覧
  16. 御崎駅前”. NAVITIME. 2019年10月13日閲覧。
  17. 御崎駅前 のりば地図”. 北海道中央バス. 2019年10月13日閲覧。

関連項目

外部リンク

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