岡林信康アルバム第3集 俺ら いちぬけた

岡林信康アルバム第3集 俺ら いちぬけた』(おかばやしのぶやすアルバムだいさんしゅう おいら いちぬけた)は、岡林信康1971年8月1日URCレコードより発売したスタジオ・アルバム。現在は、Apple Musicでも配信されている。

岡林信康アルバム第3集 俺ら いちぬけた
岡林信康スタジオ・アルバム<meta itemprop='albumReleaseType' content='アルバム' />
リリース
録音
  • 1971年5月 (1971-05) - 6月
  • ビクタースタジオ
ジャンル フォークソング
レーベル URCレコード
プロデュース 秦政明
チャート最高順位
  • 最高53位オリコン
  • 登場9回(オリコン)
  • 売上1.1万枚(オリコン)[1]
岡林信康 アルバム 年表
  • 岡林信康アルバム第3集 俺ら いちぬけた
  • (1971年 (1971)
『SONGS』収録のシングル
  1. 俺らいちぬけた / 申し訳ないが気分がいい
    リリース: 1971年7月20日 (1971-07-20)

解説

柳田ヒログループ(柳田ヒロ高中正義戸叶京助)を基本バックバンドに起用して、「はちみつぱい」からも鈴木慶一和田博巳が参加したフォークロック快作で、URCレコードからのオリジナルとしては最後のスタジオ・アルバムになる。

”フォークの神様”というレッテルに耐えられず、対人恐怖症になった岡林が、自分が岡林信康だと知らない人ばかりが住む世界に一刻も早く逃げたいという強い願望を込めて作った「人と自然」がテーマ[2]のアルバム[3]。本作発表後、農村へ移住した。

はっぴいえんどのハードロック的なエレキの音に疲れ、ピアノの音が恋しくなり、ピアノ弾きを探していたところ柳田ヒロを紹介された[2]

「身体は東京に居るんだけど、気分は田舎暮らしだったから、サウンド的にもエレキでギンギンっていうのはダメだった。キーボードが心地よかったね」[2]

ジャケットは川仁忍が一生懸命撮ったのを、黒田征太郎がむちゃくちゃにデザインしたので、川仁が「やられた!」と言っていたという[2]

レコーディングにも参加した岩井宏とのインタビューでは、前作までは反体制的な内容の詩も多かったが、本作では「結局反抗してて無茶苦茶やっても、”人間らしい”ということにならへんのや。人間は"毛のないエテ公"なんや。そやから自然を生活基盤にせな、あかんと思ったんやな。『山岸会』に行ったり那須の牧場に行って働いたりしてると、まず個人の生活様式を変えていかなアカンと思うたんやな」と語っている[4]

レコーディング中は、「あーあ、あと何回歌わなあかんのやろな」と苦悩もあったが、編集段階になると笑い声も入ってなごやかなムードで進んだ[4][5]

収録曲

※ 記載以外は、作詞・作曲:岡林信康、編曲:柳田ヒロ

Side A

  1. 堕ちた鳥のバラード(アルバム・バージョン)[注釈 1]   (3:23)
  2. 仲のいい二人   (5:05)
  3. いくいくお花ちゃん[注釈 1]   (3:51)
    • 作詞:佐藤信
  4. ゆきどまりのどっちらけ   (4:34)
  5. 俺らいちぬけた   (3:39)

Side B

  1. 偉いもんだよ人間は   (2:48)
  2. 毛のないエテ公   (2:45)
  3. つばめ   (4:56)
  4. 人間の条件   (3:18)
  5. 申し訳ないが気分がいい(アルバム・バージョン)   (5:20)
    • 山岸会で自然農法を学んでいるときにできた曲[4]。同曲が終わって、しばらく後に「岡林信康に捧げる唄」も収録されている。

レコーディング・メンバー

ミュージシャン

  • 唄、ギター   岡林信康
  • ピアノ、オルガン、ベース、ボンゴ   柳田ヒロ
  • ドラム、コンガ   戸叶京助
  • ベース、ギター   高中正義
  • ギター   鈴木慶一
  • ギター   和田博己
  • バンジョー   岩井宏
  • フィドル   玉木宏樹
  • スチール・ギター   小林潔
  • ギター   石川鷹彦
  • テナーサックス、横笛   村岡健
  • フルート   衛藤幸雄
  • コーラス   安田南宇佐美じゅんこ吉見佑子

スタッフ

  • ディレクター   田川律、柳田ヒロ
  • プロデュース   秦政明
  • 写真撮影   川仁忍
  • A.D.   黒田征太郎
  • A.P.   田川律
  • Mix   梅津達男

発売履歴

発売日レーベル規格規格品番備考
1971年8月1日 (1971-08-01)URCレコードLPURG-4001
1976年10月25日 (1976-10-25)URCレコードLPUX-8009販売元は東宝レコード
1980年 (1980)SMSレコードLPSM22-4103
1992年12月2日 (1992-12-02)東芝EMICDTOCT-6873
2008年8月22日 (2008-08-22)ディスクユニオンCDFJ-10032008年 (2008)デジタルリマスター盤、紙ジャケット仕様
2013年3月20日 (2013-03-20)ディスクユニオンCDONL-10032008年 (2008)デジタルリマスター盤

関連項目

脚注

注釈

  1. 演劇センター68/71の『翼を燃やす天使たちの舞踏』の劇中歌。

出典

  1. 「オリコンチャートブック〈LP編(昭和45年‐平成1年)〉」ORICON BOOKS、1990年5月1日、101ページ。
  2. 「岡林、信康を語る」disk union、2011年7月13日、66-67ページ。
  3. 「日本ロック&フォークアルバム大全 1968-1979」音楽之友社、1996年5月1日、152頁。
  4. 『新譜ジャーナル』8月号(No.37)、自由国民社、1971年8月1日発行、10-11頁。
  5. 『伝説 信康』小学館、1991年8月1日、34-36頁にも、レコーディングに苦悩している岡林信康の姿が写真に収められている。
  6. 「岡林、信康を語る」disk union、2011年7月13日、55ページ。
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