大分B-リングス
大分B-リングス(おおいたビーリングス、英語: Oita B-rings)は、2021年開幕のプロ野球独立リーグ・九州アジアリーグに所属する大分県のプロ野球チーム。2020年に設立され、開幕とともにリーグ戦に参加している。
大分B-リングス | |
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創設 | 2020年 |
所属リーグ | |
九州アジアリーグ | |
歴代チーム名 | |
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本拠地 | |
別大興産スタジアム(大分県大分市) | |
収容人員 | 15,500人 |
大分県(2021年 - ) | |
永久欠番 | |
なし | |
獲得タイトル | |
球団組織 | |
監督 | 山下和彦 |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場 |
本社所在地 |
日本 〒870-1203 大分県大分市大字野津原397 |
設立 | 2020年(令和2年) |
業種 | サービス業 |
法人番号 | 1320001018108 |
事業内容 | スポーツ事業(プロ野球団の運営) |
代表者 | 森 慎一郎 |
特記事項:球団ウェブサイトでは「大分B-リングス」だが[1]、国税庁法人番号検索サイトではこの名称で登録されている[2]。 |
概要
大分県に所在する初のプロ野球チームである[3]。
球団の母体となったのは、大分市でスポーツを通じた地域活性化を目的として活動する特定非営利活動法人(NPO)の「七瀬の里Nクラブ」である[4]。法人の理事長は中学校野球部の監督や少年野球クラブチーム運営の実績があり、NPBを目指す若い世代のために球団の設立を発案した[4]。2020年9月の球団設立時点で、県内の約30の企業および個人が出資している[4]。
球団名の「B」は「豊後」「ベースボール」を、また「リングス」は大分県の県鳥であるメジロの「目の輪」と「仲間の輪」および「約束」を表すと球団ウェブサイトでは説明されている[1]。
開催球場
2021年2月に発表された試合日程では、主催40試合のうち、大分市の大洲総合運動公園硬式野球場(別大興産スタジアム)で最多の17試合を実施するほか、佐伯総合運動公園野球場(佐伯中央病院スタジアム)で7試合、竹田市総合運動公園市民球場[注釈 1]と臼杵市民球場[注釈 2]で各5試合を実施する予定だった(未定6試合)[7]。チームウェブサイトでは別大興産スタジアムを「本拠地」、佐伯・臼杵・竹田の各球場を「準本拠地」と明記しているほか、2月の日程には記載のない別府市民球場も準本拠地に含めている[1]。3月18日発表された3・4月の試合日程では、2月の発表段階で「未定」となっていた琉球ブルーオーシャンズとの交流戦のうち4月の3試合を、宮崎県の宮崎市清武総合運動公園野球場(SOKKENスタジアム)で開催することが新たに明らかにされ[8]、予定通り実施された[9]。
最終的に、開催30試合(公式戦17試合・交流戦13試合)のうち、別大が14試合で最多、以下佐伯(7試合)、竹田市民(4試合)、清武(3試合)、臼杵(2試合)の順であった[10]。
2022年3月11日に発表された2022年シーズンの公式戦日程では、前年公式戦の開催がなかった中津市の大貞総合運動公園野球場(ダイハツ九州スタジアム)で新たに8試合を実施し、他球場の試合数は本拠地の別大興産が10、佐伯12、臼杵市民4、竹田市民2となり、そのほかにソフトバンク3軍との交流戦は別大で3試合となっている[11]。最終的には大貞公園での試合数が4試合に減少、臼杵から別大に1試合が振替となった以外は、当初予定の試合数となった[12]。
2023年1月26日に発表された同年度の日程(主催39試合、うち公式戦33試合、ソフトバンク3軍・4軍との交流戦6試合)の開催球場は、別大興産19試合が最多で、以下佐伯6、臼杵市民5、大貞公園3、竹田市民2のほか、初開催となる別府市民球場2試合が含まれていた(球場未定2)[13][14]。2023年1月時点ではリーグウェブサイトの「球団概要」での「準本拠地」には大貞公園(ダイハツ九州)も追加されている。その後、2月16日発表の日程修正版では未定の2試合が大貞公園に決定し、同球場での開催は5試合となった[15]。
歴史
球団構想を抱いていたNPO法人理事長が、熊本ゴールデンラークスを母体とした独立リーグ設立構想を知り、球団設立に踏み切った[3]。リーグの立ち上げに関わった火の国サラマンダーズ球団社長の神田康範によると、理事長は当初資金のことがほとんど念頭になかったため「夢を語る前に、お金を集めてください。潰れるようなチームは絶対リーグに入れません。」と説得を続けて意識が変わったという[16]。
2020年
- 9月27日 - 大分市内で設立総会を開き、球団名を「大分B-リングス」に決定する[17][18]。
- 11月7日 - 熊本県人吉市で、熊本県の球団「火の国サラマンダーズ」と合同のトライアウトを実施[19]。
- 11月10日 - トライアウト合格者(10人)がリーグから発表される[20]。
- 12月1日 - 元NPB投手の廣田浩章が監督に就任することを発表[21]。
- 12月22日 - 7人の選手が参加した入団記者会見を開催[22][23][24][25]。会見に参加した選手には、四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグス時代の2017年に最多勝のタイトルを獲得した岡部峻太(大分県立中津東高等学校出身)も含まれている[23][26][25]。この会見では25人の選手(うち1人は練習生)が在籍していると発表されたが、他に交渉中の選手がいるとも報じられていた(この時点では11月10日のトライアウト合格者以外にリーグやチームから選手の具体名の発表はなかった)[22][24][25]。
2021年
- 1月13日 - 記者会見を開き、元オリックス・バファローズの白崎浩之が兼任コーチとして入団することを発表[27]。
- 3月27日 - リーグの開幕戦となる対火の国戦を佐伯中央病院スタジアムで開催(2対3で敗戦)[28]。始球式は球場のある佐伯市出身の元プロ野球選手である川崎憲次郎が、地元の少年野球チーム選手とともにおこなった[29]。
- 4月13日 - 交流戦となる対琉球ブルーオーシャンズ戦でチームの初勝利を挙げる[30]。
- 5月4日 - 対火の国戦に勝ち、順位決定の対象となる直接対決で初勝利[31]。
- 8月18日 - 対戦していた琉球のチーム関係者に新型コロナウィルスPCR陽性判定の可能性が出たことから、全チームの関係者にPCR検査を実施することとなり、その結果が判明するまで大分を含めたリーグの活動を休止すると発表[32]。
- 8月26日 - 抗原検査で陽性者がいなかったため、27日から活動を再開すると発表[33]。
- 9月26日 - 初年度の公式戦を終了(9勝23敗の2位)[34]。
- 10月21日 - 2022年シーズンの新体制を発表し、監督だった廣田はGM兼投手コーチとなり、従来選手兼任コーチだった小野真悟が専任監督に就任するほか、新たに新井勝也が選手兼任コーチとなる[35]。
- 11月29日 - 来シーズン選手兼任コーチとなる予定だった新井勝也が、アメリカ野球への挑戦を理由として退団することを発表[36][注釈 3]。
2022年
- 4月11日 - 選手1名が新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受け[38]、さらに翌日までに2名が陽性判定となった[39][40]。これを受けて、4月15日から17日までの間に予定されていた主催3試合(対福岡北九州フェニックス)につき、4月13日に延期が発表された[41]。
- 4月18日 - 新型コロナウイルス感染症感染者発生のため回復の見込みが立たないとして、新たに4月22日から24日までに予定されていた主催3試合(対北九州)の延期が発表される[42]。
- 4月20日 - 新型コロナウイルス感染症陰性者及び回復者に対して活動自粛を解除[43]。
- 5月21日 - この日までに複数の選手から新型コロナウイルス感染症の陽性反応が検出されたため[44][45]、5月25日の対火の国戦を延期すると発表[46]。
- 9月25日 - 2022年の公式戦を終了[47]。前年に続いて最下位(3位)に終わる。
- 10月21日 - 監督の小野とコーチの廣田・白崎の退任を発表(白崎については選手としては引退)[48]。
- 11月2日 - 2023年シーズンの監督として宇佐市出身の山下和彦(元・横浜DeNAベイスターズコーチ)、ゼネラルマネージャーに大分市出身の岡崎郁(元・読売ジャイアンツコーチ)の就任を、それぞれ発表した[49]。岡崎の招聘には、高校の先輩だった球団代表からの勧誘があったと後に報じられた[50]。
- 12月3日 - 大分市出身の元・東京ヤクルトスワローズの内川聖一の入団を発表[51]。
成績
年度 | 監督 | 順位 | 試合 | 勝利 | 敗戦 | 引分 | 勝率 | ゲーム差 |
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2021 | 廣田浩章 | 2 | 32 | 9 | 23 | 0 | .281 | 14.0 |
2022 | 小野真悟 | 3 | 74 | 28 | 44 | 2 | .389 | 15.5 |
- 特記事項
- 2022年は対北九州戦4試合の振替を実施せず、未消化となった[52]。
マスコットキャラクター
ハチをイメージしたリンビーぶんパチ[53]。デザインは大分県立鶴崎工業高等学校デザイン科の生徒に委嘱して募集した50点から決められた[53]。「働き蜂のように一生懸命練習する選手」がモチーフで、「父はカナダ人元メジャーリーガー、母は大分市野津原[注釈 4]出身」という設定がある[53]。チームの帽子をかぶったユニホーム姿だが、「練習生」という扱いで背番号はない[53]。
2021年6月に着ぐるみが披露された[53]。
運営
発足当時、1試合平均の入場者目標を800人としたが、初年度が342人、2年目が248人にとどまっている[54]。
応援スタイル
私設応援団として「蜂翔優羽会」が結成されている[55]。
脚注
注釈
出典
- 公式ウェブサイト(「球団概要」の箇所を参照)
- 株式会社大分Bリングス - 国税庁法人番号検索サイト(2021年2月9日閲覧)
- “九州の独立リーグ11・4旗揚げ 消えた構想…時を超え、形を変え復活”. 西日本スポーツ(リンクはYahoo!ニュースへの転載). (2020年10月25日) 2020年12月2日閲覧。
- “独立リーグ 大分の挑戦 新球団「B―リングス」”. 読売新聞. (2020年10月24日) 2020年12月2日閲覧。
- 竹田市総合運動公園内施設のネーミングライツ・パートナーと愛称が決定しました - 竹田市(2022年1月31日)2022年8月20日閲覧。
- 広報うすき2022年7月号 (PDF) - 臼杵市(p.16を参照)2022年8月20日閲覧。
- 2021年度九州アジアプロ野球機構試合予定表 (PDF) - 九州アジアプロ野球機構(2021年2月5日)
- 九州アジアリーグ 日程表 3.4月 (PDF) - 九州アジアプロ野球機構(2021年3月18日)
- 試合情報 4月 - 九州アジアプロ野球機構(4月19日以下を参照
- 2021年度 公式試合結果(公式戦・交流戦) - 九州アジアリーグ(2021年9月29日閲覧)
- ヤマエ久野九州アジアリーグ2022シーズン 公式戦日程 (PDF) - 九州アジアプロ野球機構(2022年3月11日)2022年3月11日閲覧。
- 2022年 公式戦試合予定・結果 - 九州アジアプロ野球機構(2022年9月25日閲覧)
- 九州アジアリーグ [@kyushuasia] (2023年1月26日). "〜2023シーズン 試合日程について〜(3月〜6月)" (ツイート). Twitterより2023年1月26日閲覧。
- 九州アジアリーグ [@kyushuasia] (2023年1月26日). "〜2023シーズン 試合日程について〜(7月〜9月)" (ツイート). Twitterより2023年1月26日閲覧。
- 九州アジアリーグ [@kyushuasia] (2023年2月16日). "〜2月16日更新 2023シーズン 試合日程について〜(3月〜6月)" (ツイート). Twitterより2023年2月16日閲覧。
- 中島大輔 (2020年12月18日). “「本田圭佑の右腕」、立ち上げた九州独立リーグの勝算”. News Picks 2020年12月18日閲覧。
- “大分にプロ野球チーム 27日に運営会社設立 独立L参入へ構想”. 西日本新聞. (2020年9月23日) 2020年12月2日閲覧。
- 大分プロ野球チーム チーム名は 『大分B-リングス』!! - Nスポーツクラブfacebook(2020年9月27日)
- “【九州独立リーグ】熊本・火の国サラマンダーズ投手GM・馬原孝浩氏 合同トライアウトに熱視線”. 東京スポーツ. (2020年11月7日) 2020年11月10日閲覧。
- 2020 年入団トライアウト合格者 (PDF) - 九州独立プロ野球機構(2020年11月10日)
- “大分プロ球団監督に広田浩章氏 元巨人、九州独立リーグに参入”. 共同通信. (2020年12月1日) 2020年12月1日閲覧。
- “大分B−リングスが新入団選手会見”. 大分放送. (2020年12月22日) 2020年12月29日閲覧。
- “大分B-リングス入団会見”. テレビ大分. (2020年12月22日) 2020年12月29日閲覧。
- “「Bーリングス」入団選手が会見”. NHK大分放送局. (2020年12月22日) 2020年12月29日閲覧。
- “将来のNPB入り誓う 九州独立野球リーグ、大分B―リングス入団会見”. 大分合同新聞. (2020年12月27日) 2021年1月1日閲覧。
- 四国アイランドリーグplus2017個人タイトル確定 - 四国アイランドリーグplusニュースリリース(2017年9月21日)
- “元DeNA白崎が独立リーグ大分入り コーチ兼任選手「NPBの経験生かせる」”. 西日本新聞. (2021年1月13日) 2021年1月13日閲覧。
- 試合情報 - 九州アジアリーグ(2021年3月27日閲覧)
- “大分B-リングス ホーム開幕戦飾れず”. テレビ大分. (2021年3月27日) 2021年3月28日閲覧。
- 阿佐智 (2021年4月23日). “大分初勝利。琉球ブルーオーシャンズ、「敵地」熊本と宮崎で主催試合【九州アジアリーグ】”. Yahoo!ニュース 2021年5月9日閲覧。
- 阿佐智 (2021年5月7日). “リーグ公式戦再開。初の延長タイブレークを大分B-リングスが制す。【九州アジアリーグ】”. Yahoo!ニュース 2021年5月9日閲覧。
- PCR検査実施に伴う活動自粛について - 九州アジアプロ野球機構(2021年8月18日)2021年8月18日閲覧。
- 活動自粛解除のお知らせ(大分B-リングス) - 九州アジアプロ野球機構(2021年8月26日)2021年8月27日閲覧。
- 田尻耕太郎 (2021年9月27日). “投手三冠に火の国サラマンダーズ宮澤、打撃二冠王は水本!プロ野球独立・九州アジアL初代タイトル選手たち”. Yahoo!ニュース 2021年9月27日閲覧。
- 2022年度 新体制発表 - 大分B-リングス(2021年10月21日)2021年10月21日閲覧。
- 選手契約について - 大分B-リングス(2021年11月29日) 2021年11月29日閲覧。
- 大分B-リングス 新入団選手のお知らせ - 九州アジアプロ野球機構(2022年4月27日)2022年4月27日閲覧。
- 大分球団における新型コロナウイルス感染症陽性判定について - 九州アジアプロ野球機構(2022年4月11日)2022年4月27日閲覧。
- 大分球団における新型コロナウイルス感染症陽性判定について - 九州アジアプロ野球機構(2022年4月11日)2022年4月27日閲覧。
- 大分球団における新型コロナウイルス感染症陽性判定について - 九州アジアプロ野球機構(2022年4月12日)2022年4月27日閲覧。
- 公式戦延期のお知らせ - 九州アジアプロ野球機構(2022年4月13日)2022年4月27日閲覧。
- 公式戦延期のお知らせ - 九州アジアプロ野球機構(2022年4月18日)2022年4月27日閲覧。
- 大分B-リングス活動自粛解除のお知らせ - 九州アジアプロ野球機構(2022年4月20日)2022年4月27日閲覧。
- 大分球団における新型コロナウイルス感染症陽性判定について - 九州アジアプロ野球機構(2022年5月19日)2022年5月22日閲覧。
- 大分球団における新型コロナウイルス感染症陽性判定について - 九州アジアプロ野球機構(2022年5月21日)2022年5月22日閲覧。
- 公式戦延期のお知らせ - 九州アジアプロ野球機構(2022年5月21日)2022年5月22日閲覧。
- 九州アジアリーグ [@kyushuasia] (2022年9月25日). "本日をもちまして2022 ヤマエ久野 九州アジアリーグ公式戦は全日程を終了いたしました。" (ツイート). Twitterより2022年9月25日閲覧。
- 大分B-リングス 退任のお知らせ - 九州アジアプロ野球機構(2022年10月21日)2022年10月22日閲覧。
- “「ワクワクするゲームを」大分B-リングス新体制発表 監督に山下和彦氏 GMに岡崎郁氏”. TBSテレビ(大分放送配信). (2022年11月2日) 2022年11月2日閲覧。
- 阿佐智 (2022年12月7日). “「名球会打者」内川聖一獲得のB-リングス、「オール大分」体制でペナント奪取へ。その裏側に迫る”. Yahoo!ニュース 2022年12月7日閲覧。
- 【緊急生配信】内川聖一選手入団記者会見 - Youtube(大分B-リングスチャンネル、2022年12月3日)2022年12月3日閲覧。
- 公式戦振替試合の一部不開催について - 九州アジアプロ野球機構(2022年9月19日)2022年9月20日閲覧。
- “「リンビーぶんパチ」よろしくね 大分B-リングスマスコットお披露目”. 大分合同新聞. (2021年6月6日)
- 田尻耕太郎 (2022年12月8日). “内川聖一入団の効果は?“低迷”大分B-リングスは生まれ変われるか=九州アジアリーグ”. Yahoo!ニュース 2022年12月10日閲覧。
- 蜂翔優羽会-大分bリングス私設応援団 (蜂翔優羽会-大分bリングス私設応援団-105140265124799) - Facebook