変動帯

造山帯（ぞうざんたい）とは、造山運動の影響を受けた地帯、造山運動が起こっている（ないし過去に起こった）地帯のことでる[4][5]。「変動帯」や「造構帯」などの用語と意味が近い。

• 古期造山帯 - 古生代の造山運動により基盤岩が形成された場所。
• 新期造山帯 - 中生代・新生代以降の造山運動により基盤岩が形成された場所。火山帯や地震帯を伴う場合が多く、地殻活動が著しい[6]。環太平洋造山帯やアルプス・ヒマラヤ造山帯などは新期造山帯である。

地震帯（じしんたい、英語: seismic zone）とは、地球上で、地震が特に多発する細長い帯状の地域のことである。

地図上に、過去に発生した多数の地震の震央をプロットしていくと、震央が帯状に集まる地域が見られ、このような場所を「地震帯」と呼ぶ[6][7]。代表的な大規模な地震帯としては、太平洋を取り囲む「環太平洋地震帯」や「ユーラシア地震帯」などが挙げられる。これらの地震帯は、プレートテクトニクスにおけるプレートの境界にあたるため、地震の発生が集中するのである。

地震帯は、プレートテクトニクス理論において、火山に着目した場合の「火山帯」や造山運動による「造山帯」などと分布が一致することが多い。地殻変動が顕著な「環太平洋造山帯」（環太平洋火山帯）や「アルプス・ヒマラヤ造山帯」などは、地震帯や火山帯を伴う「新期造山帯」であり[8]、前述の「環太平洋地震帯」や「ユーラシア地震帯」などとそれぞれ分布が一致する。また、ヨーロッパ西部やアジア北部などの「古期造山帯」でも比較的多く地震が発生する。

日本列島も環太平洋地震帯に属し[9]、地殻が非常に不安定であるため、世界的にも地震が多発する地域の1つである[10]。厳密には、 日本列島の外側の太平洋側を島弧に沿う地震帯は「外側地震帯」と呼ばれ[11]、日本列島の日本海沿岸に沿う地震帯は「内側地震帯」と呼ばれる[12]。

かつて日本では、内陸部で地震が多発している（群発地震など）特定の地域を指して、 「江戸川地震帯」「信濃川地震帯」「淀川地震帯」などと呼ばれた。しかしこれらは、あくまで短期間の地震の多発に着目した場合の呼び方であって、このような地震の多発は長期間継続するとは限らないため、現在ではこうした小さいスケールでの「地震帯」は意味を成さないとされている[6]。つまり、環太平洋地震帯などは、地球の長い年月の中でも特に長期的に地震が多発する、大きいスケールでの「地震帯」であり、前述の小さいスケールでの地震帯とは意味が異なる。

なお、日本列島周辺における地震の震源分布の研究が進んだ現在では、日本の地震多発地域は、帯状を成す2次元的な「地震帯」というよりは、「地震の巣」というような3次元的な言い方で表現する方が適切ともいわれている[6]。そのため、「地震帯」という表現は日本においてはやや古い概念になりつつある。