在米朝鮮語

(ざいべいちょうせんご)は、アメリカ合衆国に在住する朝鮮人民族学校や家庭等で身につける朝鮮語の変種。在米朝鮮人はそのほとんどが大韓民国系(在米韓国人、韓国系アメリカ人)であり、規範は韓国における朝鮮語(韓国語)

在米朝鮮語
話される国 アメリカ合衆国カナダなど
地域 北アメリカ
話者数 推定200万人程度
話者数の順位 不明
言語系統
論争あり
孤立した言語アルタイ諸語

 朝鮮語

  在米朝鮮語
公的地位
公用語 なし
統制機関 なし
言語コード
ISO 639-1 なし
ISO 639-2 なし
ISO 639-3 なし
SIL なし

成立経緯

1960年代からアメリカに移民した韓国人は総勢200万人にも及び、彼らとその子孫たちによって北アメリカに朝鮮語圏が構築された。

言語学的特徴

上述の通り、在米韓国人のための民族学校などでは大韓民国標準語とされているソウル方言を規範とした朝鮮語を教えている。また多くの家庭では、家庭内で朝鮮語のみを使用させるため、在米韓国人は在日韓国・朝鮮人韓国系日本人高麗人に比して朝鮮語の保持率は高い。しかし朝鮮族と違い、根拠地となる特定の地域を持っていないため、必然的に彼等の子弟は英語との二言語併用生活を送ることとなり、その結果英語からの借用語が多く、アメリカ英語の影響を受けた発音の在米朝鮮語が形成されることとなった。

正書法

在米朝鮮語はあくまで口語であり書記言語ではないので、文章にする際は標準的な朝鮮語で書かれる。よって、この言語のハングルでの正書法は存在しない。ただし、在米朝鮮人の2世以降の世代が互いに私信などをやり取りする際は、ハングルもしくはラテンアルファベットを用いてこれを文字化することもあるが、在日朝鮮語コリョマルに比して成立してからの時間経過も浅いため、そのような例もあまり多いとはいえない。

他の海外方言及び本国朝鮮語との比較

在米朝鮮語は中国朝鮮語ほどではないにしろ、本国人との意思疎通が容易なもう一つの海外朝鮮語である。朝鮮族の言語が本国人とほぼ変わらないのに対して、在米朝鮮語ではややその差が大きいとされている。在日朝鮮語コリョマルはそれぞれ日本語ロシア語からの影響が極めて大きく、本来の朝鮮語から著しくかけ離れた言語と化しているが、在米朝鮮語は現在までのところそのような現象は起こっていない。

主な話者

関連項目

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