勝手にしやがれ!!

勝手にしやがれ!!』(原題:Never Mind the Bollocks, Here's the Sex Pistols)は、イギリスパンクバンドセックス・ピストルズ唯一のスタジオ・アルバム。1977年10月28日ヴァージン・レコードよりリリースされ、全英アルバムチャート1位を記録。

勝手にしやがれ!!
セックス・ピストルズスタジオ・アルバム<meta itemprop='albumReleaseType' content='アルバム' />
リリース
録音 1976年10月
1977年3月 - 6月
1977年8月
Wessex Sound Studios, London, England
ジャンル パンク・ロック
時間
レーベル イギリスの旗ヴァージン・レコード
アメリカ合衆国の旗ワーナー・ブラザース・レコード
プロデュース クリス・トーマス
ビル・プライス
専門評論家によるレビュー
  • Allmusic 星5 / 5<meta itemprop='reviewBody' content='5' /><meta itemprop='bestRating' content='5' /><meta itemprop='worstRating' content='0' /> link
チャート最高順位
ゴールドディスク
  • ゴールド(1977年、イギリス
  • プラチナ(1988年、イギリス)
  • ゴールド(1987年、アメリカ
  • プラチナ(1992年、アメリカ)
  • ゴールド(1990年、オランダ
セックス・ピストルズ アルバム 年表
勝手にしやがれ!!
1977年
ザ・グレイト・ロックン・ロール・スウィンドル
1979年
『勝手にしやがれ!!』収録のシングル
  1. アナーキー・イン・ザ・U.K.
    リリース: 1976年11月26日
  2. ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン
    リリース: 1977年5月27日
  3. プリティ・ヴェイカント
    リリース: 1977年7月1日
  4. さらばベルリンの陽
    リリース: 1977年10月14日

ローリング・ストーン』誌の「オールタイム・ベスト・アルバム500」(大規模なアンケートで選出)と「オールタイム・ベスト・デビュー・アルバム100」に於いて、それぞれ41位[8]と7位[9]にランクイン。

解説

全英チャートで1位を獲得。アメリカではトップ100にも入らなかったが、発売から10年後の1987年にはゴールド・ディスクに輝くロングセラーとなった。

本作のレコーディングは1977年春から夏にロンドンのウェセックス・スタジオにて断続的に行われた。プロデューサーのクリス・トーマスは、プロコル・ハルムロキシー・ミュージックサディスティック・ミカ・バンド等を手がけたベテランであり、スティーヴ・ジョーンズギターを何重にもオーヴァー・ダビングすることで、音に厚みを出した。また、実際の演奏よりやや速目に再生されるよう録音した。エンジニアはビル・プライスが務めた。

ベーシストグレン・マトロックは、「アナーキー・イン・ザ・U.K.」「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」「プリティ・ヴェイカント」(2番の2行分をロットンが作詞した以外は作詞も担当)など、半数以上の曲を1人で作曲したが、本作のレコーディング直前に脱退している。2000年に行われたインタビューで本作を「ラジオで1曲だけ聴くと凄くいいと思う。でもアルバムを通して聴くと、ちょっと平板というか。僕がいたら、もっとカラフルにできていたかも」と語っている[10]

マトロックに代わって加入したシド・ヴィシャスの演奏技術が拙かったため、ベースはギタリストのスティーヴ・ジョーンズが担当した。また、すでにシングルとして発売されていた「アナーキー・イン・ザ・U.K.」のベースはマトロックによるものである。

本作制作中のピストルズのレコード契約は不安定なものであり、テレビでの舌禍事件を理由にEMIから契約を打ち切られた後、A&Mレコードと契約するもすぐに破棄された。一時は契約がない状態になったが、最終的にヴァージン・レコードと契約。本作に収録されている「拝啓EMI殿」は題名通りEMIを揶揄したものであり、曲の最後でA&Mにもメッセージが向けられている。

タイトルの中の「Bollock」(スラングで「睾丸」の意)が猥褻だという理由で、警察は本作の販売店に圧力をかけたが、裁判では猥褻に当たらないとされた。

発表から3ヶ月後、ピストルズは初のアメリカ・ツアーに向かったが、現地でジョニー・ロットンが脱退。バンドは空中分解し、結果的に本作がデビュー作にして最後のアルバムとなった。

収録曲

  • 作曲クレジットはスティーヴ・ジョーンズ、ジョニー・ロットン、グレン・マトロック、ポール・クックによる。
  • ただし、「さらばベルリンの陽」と「ボディーズ」のみマトロックではなくシド・ヴィシャスがクレジットされている。
  • UKオリジナル盤(Virgin V2086)は全11曲入りで、特典としてシングル「サブミッション」が付加されていた。1977年11月以降にリリースされたUK盤には「サブミッション」がアルバム内に組み込まれ、曲順が若干変更されている。
  • US盤およびカナダ版はアートワークがピンクの下地に緑のバンドロゴとなっている。

UKオリジナル盤

  • Side A
  1. さらばベルリンの陽 - Holidays in the Sun(3分20秒)
  2. ライアー - Liar(2分41秒)
  3. 分かってたまるか - No Feeling(2分49秒)
  4. ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン - God Save the Queen(3分19秒)
  5. 怒りの日 - Problems(4分10秒)
  • Side B
  1. セブンティーン - Seventeen(2分02秒)
  2. アナーキー・イン・ザ・U.K. - Anarchy in the U.K.(3分32秒)
  3. ボディーズ - Bodies(3分03秒)
  4. プリティ・ヴェイカント - Pretty Vacant(3分17秒)
  5. ニューヨーク - New York(3分05秒)
  6. 拝啓EMI殿 - E.M.I.(2分57秒)

USオリジナル盤

  • Side A
  1. さらばベルリンの陽 - Holidays in the Sun(3分20秒)
  2. ボディーズ - Bodies(3分03秒)
  3. 分かってたまるか - No Feeling(2分49秒)
  4. ライアー - Liar(2分41秒)
  5. 怒りの日 - Problems(4分10秒)
  6. ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン - God Save the Queen(3分19秒)
  • Side B
  1. セブンティーン - Seventeen(2分02秒)
  2. アナーキー・イン・ザ・U.K. - Anarchy in the U.K.(3分32秒) ※
  3. サブミッション - Submission(4分10秒)
    • 作曲:グレン・マトロック
  4. プリティ・ヴェイカント - Pretty Vacant(3分17秒)
  5. ニューヨーク - New York(3分05秒)
  6. 拝啓EMI殿 - E.M.I.(2分57秒)

CD版

  1. さらばベルリンの陽 - Holidays in the Sun(3分20秒)
  2. ボディーズ - Bodies(3分03秒)
  3. 分かってたまるか - No Feeling(2分49秒)
  4. ライアー - Liar(2分41秒)
  5. ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン - God Save the Queen(3分19秒)
  6. 怒りの日 - Problems(4分10秒)
  7. セブンティーン - Seventeen(2分02秒)
  8. アナーキー・イン・ザ・U.K. - Anarchy in the U.K.(3分32秒)
  9. サブミッション - Submission(4分10秒)
  10. プリティ・ヴェイカント - Pretty Vacant(3分17秒)
  11. ニューヨーク - New York(3分05秒)
  12. 拝啓EMI殿 - E.M.I.(2分57秒)

参加ミュージシャン

脚注

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