柏島 (倉敷市)
柏島(かしわじま)は、岡山県倉敷市玉島地域にある地区である。住所表記上の倉敷市玉島柏島・玉島柏台・玉島勇崎からなる。
柏島 かしわじま | |
---|---|
国 | 日本 |
地方 |
中国地方、山陽地方 中国・四国地方 |
都道府県 | 岡山県 |
自治体 | 倉敷市 |
旧自治体 | 浅口郡柏崎村 |
隣接地区 | 玉島 |
北緯34度31分54.42秒 東経133度39分39.28秒 | |
柏島 |
かつての浅口郡柏崎村(かしわざきそん)に相当する。この記事では自治体時代の柏崎村についても述べる。
概要
玉島地域の西南部に位置し、丘陵部と海岸沿いの平地からなる。玉島港の西部に位置する。柏島・柏台・勇崎からなる[1]。
古来は、北接の阿賀崎地区とともに、当地区の大部分は同名の島嶼であった[2]。
玉島を代表する寺院で、良寛に所縁が深い円通寺が地区北東部、阿賀崎との境界付近に所在していることで知られる[2]。
東部の玉島港沿岸部は古くからの集落が続くが、中部の丘陵地には大型の住宅地が造成され、南部の干拓地一帯でも開発が行われている[2]。
歴史
かしわざきそん 柏崎村 | |
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廃止日 | 1902年(明治35年)9月30日 |
廃止理由 |
新設合併 玉島町、柏崎村、乙島村 → 玉島町 |
現在の自治体 | 倉敷市 |
廃止時点のデータ | |
国 | 日本 |
地方 |
中国地方、山陽地方 中国・四国地方 |
都道府県 | 岡山県 |
郡 | 浅口郡 |
市町村コード | なし(導入前に廃止) |
隣接自治体 | 浅口郡黒崎村、玉島町、乙島村 |
柏崎村役場 | |
所在地 | 岡山県 |
ウィキプロジェクト |
古代においては、『和名抄』に載る浅口郡間人郷(はしひとごう、まむどごう)の一部とも考えられている[2]。
江戸時代前半頃まで当地区は島嶼であり、周囲は甕の海(もたいのうみ)や玉の浦(たまのうら)と呼ばれる海域で、東西両面まで海が入り込んで、北面には干潮時に干潟が広がっていた[2]。
江戸時代に柏島は柏島村呼ばれ、備中国松山藩主水谷氏領であったが、元禄6年に除封となり、徳川幕府領(倉敷支配所)となった。のちに、一部が再び松山藩領(板倉氏)となる[2]。
寛文年間に、当時の備中国松山藩主によって柏島北部で大規模な干拓事業が行われ、阿賀崎新田(あがさきしんでん)が開発された。これにより柏島は本土と陸続きになった[2]。
寛永年間から寛文年間にかけて、柏島西側の南北に長い入江状の海域も干拓され、勇崎新田(ゆうざきしんでん)が造成され、対岸であった黒崎村と地続きとなった。のち、勇崎新田は柏島から独立した勇崎村となる。現在の勇崎には、外浜(あだはま)、西浦、東元浜、西元浜、唐船(とうせん)などの小字が残り、その名残となっている。この中の元浜は、最初は塩田として開発されたもので、元禄年間の検地地図には、柏島村の枝村の押山塩浜として記載されている[2]。
近代になると、明治10年に柏島村と勇崎村が合併し柏島村を新設したが、明治12年に再び元の2村に戻る。1889年(明治22年)6月1日の町村制施行時に改めて2村が合併して柏崎村(かしわざきそん)を新設し、柏島と勇崎がそれぞれ柏崎村の大字となった。1902年(明治35年)9月30日に玉島村に編入となり玉島町へ移行。玉島町は玉島市への移行を経て新しい倉敷市となり、柏島・勇崎はそれぞれ倉敷市玉島柏島・玉島勇崎となった[2]。
その後、1980年(昭和55年)4月1日に玉島柏島・玉島勇崎の一部に住居表示が実施され玉島柏台1-5丁目が成立した。
人口・世帯数
平成24年9月末現在[3]。
町字 | 世帯数 | 男性人口 | 女性人口 | 総人口 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
玉島柏島 | 2666 | 3283 | 3467 | 6750 | |
玉島柏台1丁目 | 148 | 178 | 199 | 377 | |
玉島柏台2丁目 | 163 | 191 | 214 | 405 | |
玉島柏台3丁目 | 205 | 254 | 258 | 512 | |
玉島柏台4丁目 | 98 | 117 | 137 | 254 | |
玉島柏台5丁目 | 192 | 239 | 244 | 483 | |
玉島勇崎 | 1034 | 1339 | 1466 | 2805 | |
合計 | 4506 | 5601 | 5985 | 11586 |
通信
学区
- 小学校区
- 柏島北部・勇崎北部・柏台は、倉敷市立柏島小学校区。柏島南部・勇崎南部は、倉敷市立玉島南小学校区。
- 中学校区
- 全域が倉敷市立玉島西中学校区。
主要施設
- 教育・保育施設
- 倉敷市立玉島西中学校
- 倉敷市立柏島小学校
- 倉敷市立玉島南小学校
- 倉敷市立柏島保育園
- 倉敷市立八幡保育園
- 倉敷市立柏島幼稚園
- 勇崎学園勇崎幼稚園
- 敬愛学園第二敬愛幼稚園
- 新倉敷自動車学校
- 医療施設
- 玉島協同病院
- 藤沢脳神経外科
- 神社仏閣
名所・旧跡
- 円通寺・円通寺公園 - 良寛ゆかりの寺院と、その周囲を公園として整備したもの。
- 財の山公園
- 玉島みなと公園
交通
- 道路
- 岡山県道47号線
- 岡山県道398号線
- 水玉ブリッジライン
- 国道2号線
脚注
- 現在の柏島小学区には阿賀崎の一部、黒崎の一部が含まれている。
- 巌津政右衛門 『岡山地名事典』(1974年)日本文教出版社
- 人口月報|倉敷市
- 総務省|電気通信番号の利用・指定|市外局番の一覧 2014年5月25日閲覧。
参考文献
- 巌津政右衛門『岡山地名事典』(1974年)日本文教出版社
- 岡山県大百科事典編集委員会『岡山地名事典』(1979年)山陽新聞社
- 渡辺光・中野尊正・山口恵一郎・式正英『日本地名大辞典2 中国・四国』(1968年)朝倉書店
- 下中直也『日本地名大系第三四巻 岡山県の地名』(1988年)平凡社
- 黒田茂夫『県別マップル33 岡山県広域・詳細道路地図』(2010年)昭文社