宇治駅 (京阪)

宇治駅(うじえき)は、京都府宇治市宇治乙方にある、京阪電気鉄道宇治線。宇治線の終着駅である。駅番号はKH77

宇治駅
駅舎
うじ
Uji
KH76 三室戸 (0.4 km)
所在地 京都府宇治市宇治乙方18-5
北緯34度53分40.5秒 東経135度48分22.81秒
駅番号 KH77
所属事業者 京阪電気鉄道
所属路線 宇治線
キロ程 7.6 km(中書島起点)
電報略号 宇(駅名略称方式)
駅構造 地上駅
ホーム 1面2線
乗車人員
-統計年度-
(全日) 2,560人/日(降車客含まず)
-2019年-
乗車人員
-統計年次-
(特定日) 2,923人/日(降車客含まず)
-2019年-
開業年月日 1913年大正2年)6月1日
駅構内

西日本旅客鉄道(JR西日本)に同名の駅があることから便宜上、京阪宇治駅と呼ばれることが多い[注 1]。なお、両駅間は宇治川を挟んで、約890mの距離がある。

休日には観光客で賑わう。また、時期によっては混雑するため駅前ロータリーに臨時の切符売場が設けられる。

歴史

開業時からの駅は大部分が国鉄・JR奈良線の南側に位置しており、改築直前の時点では2線路を凹型に抱き込む形状の6両編成に対応したプラットホームを持つ駅で改札口を出るとすぐ宇治橋、またホームの上を奈良線の鉄橋が跨いでいた。1991年(平成3年)12月、駅前を通過している府道7号京都宇治線の拡幅[注 2]にともなう用地確保およびバスターミナル整備のため駅の移設工事が開始され、1995年(平成7年)6月に新駅を使用を開始。線路の全てが奈良線の北側に移転したほか、駅舎および駅ビルは奈良線の南北にまたがって設置された(詳細は後述)。

また1914年(大正3年)から宇治線でも貨物輸送が開始され宇治駅の3番線で貨物の受け渡しがされた[1]が、1960年代に廃止されている。

駅の属する自治体は、宇治郡宇治村東宇治町→宇治市と変わっている[注 3]

かつては京都方面からの直通列車が終日にわたって設定されていた。また、観光シーズンにおける大阪方面からの臨時直通列車として、昭和40年代には6連の列車が設定されていたほか、1998年11月から1999年秋にかけては「宇治快速」が運転されていた。

駅移設および整備状況

現駅舎は1991年12月より移設工事が進められ1995年6月17日に旧駅から切り替えて使用を開始した[2]。円を基調とした駅舎は南海の特急ラピートのデザインも手がけた建築家、若林広幸の設計によるもので、1996年に私鉄の駅としては初めてとなるグッドデザイン賞を受賞している[3]。2005年12月には改修工事が行われ、駅名表示板が従来の銀色から青色に付け替えられた。なお、現駅は旧駅に比べて180m三室戸方へ後退し、営業キロも変更されている[3]。また、この移設に伴い旧駅跡に駅前ロータリーやバスターミナル・タクシー待機場を備える駅前広場も設けられた。

さらに、駅ビルの建設と駐輪場の設置が進められた[2]1996年12月、駅前に駅コンコースと商業施設が入る「京阪宇治ビル」の建設が本格的に開始され、翌年8月5日に開業した。入口には巨大なステンドグラス障壁画「飛翔」が飾られているほか、当初は2階に旧・京阪宇治交通の「リムジンセンターU-ハウス京阪宇治」などが入居していた。同センターは2002年に廃止されたが、その跡地には学習塾の京進が入居している。

年表

駅構造

プラットホーム

頭端式1面2線のホームを持つ地上駅[2]、終点には油圧式車止めが設置されている。駅舎および改札口はホーム頭端部にある。改札口は1か所。コンコースは半地下部分にある[2]

のりば

番線路線行先
1・2 宇治線 中書島方面[11]
  • 当駅からの列車は全て中書島駅までの運転のため、淀屋橋中之島線方面と出町柳方面は同駅で乗り換える必要がある。
  • ホーム有効長は5両。大半の列車は2番線から発車する。なお、1番線は平日の朝ラッシュ時と夜間のみ、土曜・休日は1日1本のみそれぞれ使用される。
  • 発車メロディが使用されているが、列車の設定がなく実際には使用されていない特急用の設定もある[12]

利用状況

2009年11月10日の乗降人員は5,353人だった[13]。近年の利用客数は以下の通りである[13][14]

年度調査日
乗降人員
1日平均
乗車人員
2001年6,4613,408
2002年5,5072,879
2003年5,5262,995
2004年5,9023,063
2005年5,5292,841
2006年5,2992,830
2007年6,0612,809
2008年5,8163,022
2009年5,3532,797
2010年2,989
2011年2,773
2012年2,696
2013年2,838
2014年3,578
2015年3,320
2016年2,532
2017年2,800
2018年2,838
2019年2,560

駅周辺

バス路線

京都京阪バスが運行している。また、紫陽花などのシーズンには三室戸寺への臨時便も運行される。かつては宇治川沿いを経由して滋賀県の石山駅まで運行される便も存在していた。

京阪宇治京阪宇治駅バス停

  • 京都京阪バス
    • 21系統(宇治淀線):近鉄大久保経由 京阪淀駅
    • 22A系統:近鉄大久保経由 久御山団地行
    • 27系統:城南荘経由 近鉄大久保行
    • 41,44,45系統:太陽が丘行 ※41,45系統は琵琶台3丁目経由。
    • 44A,45A系統:太陽が丘ゲート前行
    • 180,180B系統:太陽が丘ゲート前経由 維中前行 ※180B系統は琵琶台3丁目経由。
    • 182系統:太陽が丘ゲート前経由 緑苑坂行
    • 184系統:太陽が丘ゲート前経由 宇治田原工業団地行
    • 188系統(宇治やんたんライナー):平等院経由 湯屋谷行 ※2020年10月17日~12月13日の土休に運行。
    • 40系統:宇治文化センター行
    • 40A系統:JR宇治駅行
    • 240,240A,250,250A系統:琵琶台・植物公園経由 近鉄大久保行 ※240A,250A系統は立命館宇治高校経由。
    • 103,250,250A系統:森本経由 黄檗駅
    • 40,40A系統:明星町3丁目行
    • 41A系統:森本経由 菟道高校
    • 直通便 森本立命館線:立命館宇治高校行 ※平日の開校日および学校行事開催日のみ運行。

その他

  • 京阪線[注 4]では、路線が通る市である自治体の中心部に位置する駅の名称は「自治体名+市」と表記する法則となっており[注 5]、当駅はこの法則によらない唯一の駅であったが、2019年に八幡市の中心駅も八幡市駅から石清水八幡宮駅に改称されている。現在でも、市をつけずに自治体名のみを表記する駅名としては唯一である[注 6]。なおこの法則は京阪電鉄の系列であった新京阪鉄道が建設した現在の阪急京都本線の大阪府内においても同じことが言える[注 7]
  • 交通新聞社発行の『JR時刻表』や『コンパス時刻表』の巻頭地図では、正式名称ではない「京阪宇治」という表記が2011年1月現在も用いられている。かつては、便宜上、会社名を付記し正式名称ではない駅名を表記する事例が少なくなかった[注 8]が、近年はほぼ全ての駅が正式名称で表記されている中で当駅は数少ない例外である[注 9]

隣の駅

京阪電気鉄道
宇治線
三室戸駅 (KH76) - 宇治駅 (KH77)
  • 括弧内は駅番号を示す。

脚注

注釈

  1. 同様に、JRの駅はJR宇治駅と呼ばれることがある。
  2. 宇治橋の移設架け替えなどを含む。
  3. 奈良線宇治駅の所在地は、宇治市発足以前は久世郡宇治町だった。
  4. 京阪本線および鴨東線・宇治線・交野線中之島線の総称。詳しくは、京阪本線を参照。
  5. 例:守口市駅枚方市駅など。
  6. 京都市・大阪市および現存しない自治体を除く。
  7. 例:茨木市駅高槻市駅など。阪急のほかの路線では見られない。
  8. 周遊指定地接続駅の表記と合わせたり、国鉄との連絡運輸において国鉄の同名駅と区別するといった理由であったとされる。
  9. ほかには阪急電鉄宝塚駅が「阪急宝塚」と表記されている。

出典

  1. 参考文献:『鉄道ピクトリアル』2009年8月増刊号のP145-147より、他にも「宇治・御陵前(桃山南口)・中書島に設備があった」との記事あり。『京阪百年のあゆみ』資料編184頁の年表「大正3年9月5日宇治線で貨物輸送を開始」と記述
  2. “京阪が一部区間値下げ 宇治駅移転で17日から”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1995年6月13日)
  3. 開業90年記念誌 120-121頁
  4. 出典・『京阪百年のあゆみ』資料編146頁
  5. 開業90年記念誌 222頁
  6. 出典・「くらしの中の京阪」1996年2月号
  7. 宇治線開業100周年記念イベントを開催京阪公式ホームページより
  8. 出典・駅置きの広報誌「K PRESS」2016年10月号の16頁『くらしのなかの京阪』より
  9. 出典・駅置きの広報誌「K PRESS」2017年10月号の16頁『くらしのなかの京阪』500号より
  10. 京阪電車 4駅に 外貨両替機設置 楽天infoseekニュース 12月30日閲覧 
  11. 中書島駅|駅構内図”. 京阪電気鉄道. 2022年9月19日閲覧。
  12. 『京阪電車 発車メロディ collection』に収録されている。
  13. 『京阪百年のあゆみ』資料編104頁「駅別乗降人員の推移」
  14. 京都府統計書「鉄道乗車人員」”. 2021年4月14日閲覧。

参考文献

  • 『開業90周年記念 街をつなぐ、心をむすぶ』京阪電気鉄道株式会社、2000年10月1日。

関連項目

外部リンク

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