一〇式艦上偵察機
概要
1921年(大正10年)に三菱は国産艦上偵察機の開発に着手し、翌年1月に試作機の初飛行に成功した。機体は先に初飛行に成功していた同社製かつ同じハーバード・スミス技師の設計である一〇式艦上戦闘機(一〇式艦戦)を大型にして複座化したような形態で、木製骨組みに羽布張りの機体に一〇式艦戦と同じ300hpのエンジンを搭載した。テストの結果は良好で、1924年(大正13年)11月に海軍に制式採用された。
制式採用前から部隊配備が進んでおり、1924年当時における海軍の主力偵察機だったが、一三式艦上攻撃機が偵察機を兼ねるようになると急速に前線から引き上げられ、その後は後部座席に複操縦装置を追加して中間練習機として利用された。また、民間にも払い下げられて、通信、測量、練習等に活用された。総生産機数は159機であった。
スペック
- 全長: 7.952 m
- 全幅: 12.039 m
- 全高: 2.895 m
- 全備重量: 1320 kg
- 最高速度: 204 km/h
- 乗員: 2 名
- 発動機: 三菱 ヒ式三〇〇馬力発動機 水冷V型8気筒 300 hp×1
- 航続距離: 754 km
- 武装:
- 7.7 mm機銃×4
- 爆弾 90kg
関連項目
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