レ・タン・モデルヌ

レ・タン・モデルヌ』(: Les Temps modernes、「現代」の意)は、フランス哲学者作家ジャン=ポール・サルトルシモーヌ・ド・ボーヴォワールによって創刊された政治文学哲学雑誌。

レ・タン・モデルヌ
Les Temps modernes
ジャンル 政治文学哲学雑誌
発売国 フランスの旗 フランス
言語 フランス語
出版社 ガリマール出版社ほか
発行人 ジャン=ポール・サルトル
シモーヌ・ド・ボーヴォワール
刊行期間 1945年10月号 - 2018年10-12月号

歴史

創刊

『レ・タン・モデルヌ』誌はサルトルとボーヴォワールにより、1945年10月に創刊された[1][2]。創刊の辞には、「政治的社会的事件が起こるごとに、われわれの雑誌は一々の場合に応じて立場を明らかにする。政治的にそうするのではない。すなわちどの政党に仕えるのでもない。そうではなくて、目前の主張がよって立つところの人間観に従って意見を述べる」という「アンガージュマン(engagement)」思想が掲げられた[3][4]

創刊時の編集委員

創刊時の編集委員は以下のとおりである[1]

創刊号にはサルトル、アロン、メルロー=ポンティのほか、詩人フランシス・ポンジュアメリカの作家リチャード・ライトジャック=ローラン・ボストらが寄稿した[1]。その後、サミュエル・ベケットアルベルト・モラヴィアカルロ・レーヴィジェームズ・エイジーボリス・ヴィアンレーモン・クノージャン・ジュネヴィオレット・ルデュックナタリー・サロートらの新しい作家、思想家、芸術家の作品が次々と掲載された[1]

2019年まで

1986年10月号以降2018年まで、ナチス強制収容所を扱った記録映画SHOAH ショア』(制作期間1974-85)の監督などで知られるクロード・ランズマンが編集長を務めた。1995年にランズマン編『レ・タン・モデルヌ50周年記念号』を刊行(1998年に緑風出版より邦訳刊行)[4]。2000年6・7・8月号はサルトル没後20年特集号であった[6]

ランズマンは生前から『レ・タン・モデルヌ』誌の継続を願っていたが[7]、彼が2018年7月5日に死去した後、2018年10-12月号のを最後に刊行されなくなり、2019年7月4日付『リベラシオン』紙(1973年にサルトルらによって創刊)に同誌編集部が終刊の意向を表明し、70年以上の歴史に幕を下ろすことになった[7][8]

出版社[1]

  • 1945年10月 - 1948年12月:ガリマール出版社
  • 1949年1月 - 1965年9月:ジュイヤール出版社
  • 1965年10月 - 1985年3月:プレス・ドージュールドュイ(Presses d'aujourd'hui)
  • 1985年4月 - 2018年12月:ガリマール出版社

脚注

  1. Revue Les Temps Modernes”. www.gallimard.fr. Éditions Gallimard. 2020年4月21日閲覧。
  2. “« Le but des “Temps Modernes” était d’apporter une intelligence globale du monde »” (フランス語). Le Monde.fr. (2019年5月2日). https://www.lemonde.fr/idees/article/2019/05/02/le-but-des-temps-modernes-etait-d-apporter-une-intelligence-globale-du-monde_5457197_3232.html 2020年4月21日閲覧。
  3. 「参加」の意。特に、知識人や芸術家が現実の問題に取り組み、社会運動などに参加すること(「アンガージュマン」 - コトバンク
  4. レ・タン・モデルヌ50周年記念号”. 紀伊國屋書店. 2020年4月21日閲覧。
  5. 清水書院『新訂版 倫理資料集 ソフィエ ~智を学び夢を育む~』235ページ
  6. Les Temps Modernes - Revue Les Temps Modernes”. www.gallimard.fr. Éditions Gallimard. 2020年4月21日閲覧。
  7. Le comité de la revue, «les Temps modernes» (2019年7月4日). Claude Lanzmann et «les Temps modernes» (フランス語). Libération.fr. 2020年4月21日閲覧。
  8. La fin des "Temps Modernes", la fin d’une époque ? (フランス語). France Culture. 2020年4月21日閲覧。

関連項目

外部リンク

This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.