レティセラ

レティセラ(reticella)とは、布地に刺繍を施した後、糸を引き抜いて数本の糸を残し、ボタンホールステッチで補強して幾何学的な模様を作る技法である。すべてのニードルレース技法の源とされ、これがプント・イン・アリアへと発展していった[1]ヴェネツィアの刺繍師たちが、1540年代に発明したとされる[2]ポアン・クペはレティセラより原始的な、カットワークであり、布をカットしてかがることで透かしを入れる技法であり、レティセラの前身とされる[1]

レティセラ
年代不詳
エリザベス1世(1522年-1603年)
レティセラの特徴をもつレースを身につけている

ヨーロッパ中の高貴な人々の身を飾るようになった最初のレースである、当時は非常に高価であった。レティセラ1560年頃から1610年代頃の肖像画に描かれている[3]

脚注

  1. Anne Kraatz『レース 歴史とデザイン』訳:深井晃子株式会社平凡社、1989年、p.24
  2. Anne Kraatz『レース 歴史とデザイン』訳:深井晃子株式会社平凡社、1989年、p.12
  3. 吉野真理 (レース蒐集家) 『アンティーク・レース』里文出版、1997年、p.24

参考文献

  • ブリュッセル王立博物館 『ヨーロッパのレース』株式会社学習研究社、1981年、ISBN 4050047764
  • Anne Kraatz『レース 歴史とデザイン』訳:深井晃子株式会社平凡社、1989年、ISBN 4582620132
  • 吉野真理 (レース蒐集家) 『アンティーク・レース』里文出版、1997年、ISBN 4898062695

関連項目

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