レイズ・ヴァイブレーション

レイズ・ヴァイブレーション』(Raise Vibration)は、レニー・クラヴィッツ2018年に発表した11作目のスタジオ・アルバム

レイズ・ヴァイブレーション
レニー・クラヴィッツスタジオ・アルバム<meta itemprop='albumReleaseType' content='アルバム' />
リリース
録音 バハマ エルーセラ島 グレゴリー・タウン・サウンド
ジャンル ロック
ファンク
R&B
時間
レーベル ロキシー・レコード
プロデュース レニー・クラヴィッツ
専門評論家によるレビュー
  • AllMusic 星4 / 5<meta itemprop='reviewBody' content='4' /><meta itemprop='bestRating' content='5' /><meta itemprop='worstRating' content='0' /> link
チャート最高順位
レニー・クラヴィッツ アルバム 年表
ストラット
(2014年)
レイズ・ヴァイブレーション
(2018年)

背景

2018年4月17日付の『ローリング・ストーン』誌のインタビューによれば、2015年のワールド・ツアー終了後、クラヴィッツは曲作りに関してスランプに陥り、当時のことを「ここまでどうすればいいか混乱したことはなかった」と振り返っている[13]。しかし、ある日の朝4時に曲想が浮かんで、すぐに自宅スタジオでラフ・レコーディングを行い、創作意欲を取り戻したという[13]

収録曲「ロウ」では、マイケル・ジャクソンが生前に録音した肉声が使用された。クラヴィッツは1999年、ジャクソンとのコラボレーション曲「(アイ・キャント・メイク・イット)アナザー・デイ」(ジャクソンの没後の2010年に発売されたアルバム『MICHAEL』に収録)のデモ録音を行っており、本作で使用されたボーカル・パートは、この曲のセッションで録音された未発表音源である[14]。「ジョニー・キャッシュ」はカントリー歌手ジョニー・キャッシュに捧げられた曲で、クラヴィッツは1995年に母を亡くして落ち込んでいた際、キャッシュおよび彼の妻であるジューン・カーター・キャッシュと会い、精神的に支えられたという[15]。「イッツ・イナフ!」は戦争や環境問題などについて言及した曲で、当初はパンク・ロック的な音楽性だったが、娘のゾーイ・クラヴィッツが難色を示したため、カーティス・メイフィールド風のグルーヴ・チューンとなり、クラヴィッツは「彼女が正しかったよ。俺は滑らかなウィスパー・ボイスで歌ってみた。そうしたらよりパワフルになった」と説明している[16]

反響

本作からの先行シングル「ロウ」は、ベルギーのワロン地域では2018年6月30日付のシングル・チャートで初登場43位となり、同年9月22日には最高6位を記録して、19週トップ50入りするヒットとなった[17]

母国アメリカのBillboard 200では、2018年9月22日に初登場43位となるが、翌週にはトップ200圏外に落ち、『ママ・セッド』(1991年)以降のアルバムとしては初めて、全米トップ40入りを逃す結果となった[12]。一方、ヨーロッパの一部地域では高い人気を維持し、フランスのアルバム・チャートでは初登場3位となり、合計24週にわたりトップ200入りした[4]。また、オランダのアルバム・チャートでは初登場8位となり、同国では『ママ・セッド』以降の全アルバムとも連続でトップ10入りを果たした[9]

評価

Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け、アルバムの全体像に関して「いつもながらクラヴィッツは、様々な物をかき集める職人としても、プロデューサーとしても卓越しており、彼が尊敬する人々の要素を寄せ集めて、あくまで彼らしいサウンドに結実させている」、「フー・リアリー・アー・ザ・モンスターズ?」に関して「エレクトロ・ファンク・ビートが脈打つ、彼が以前までに試みたことのないサウンドだが、2016年にプリンスが悲劇的な死を遂げたことを考えれば合点がいく」と評している[18]。また、山西絵美は『bounce』2018年10月号において「デビュー25周年に合わせて登場した前作では、原点回帰をテーマに力強いロックンロールを披露していましたが、4年ぶりとなる今作に若作り感は希薄」「堂々と老いを受け入れていまを全力で生きようとする姿に、これまでとは違う色気を感じます」と評している[19]

収録曲

特記なき楽曲は作詞・作曲:レニー・クラヴィッツ。

  1. ウィ・キャン・ゲット・イット・オール・トゥゲザー / We Can Get It All Together - 4:40
  2. ロウ / Low - 5:19
  3. フー・リアリー・アー・ザ・モンスターズ? / Who Really Are the Monsters? - 5:19
    • 作詞:レニー・クラヴィッツ/作曲:レニー・クラヴィッツ、クレイグ・ロス
  4. レイズ・ヴァイブレーション / Raise Vibration - 5:27
  5. ジョニー・キャッシュ / Johnny Cash - 6:18
  6. ヒア・トゥ・ラヴ / Here to Love - 4:42
  7. イッツ・イナフ! / It's Enough! - 7:55
  8. 5モア・デイズ・ティル・サマー / 5 More Days 'Til Summer - 4:02
  9. ザ・マジェスティー・オブ・ラヴ / The Majesty of Love - 5:49
  10. ゴールド・ダスト / Gold Dust - 5:08
    • 作詞:レニー・クラヴィッツ/作曲:レニー・クラヴィッツ、クレイグ・ロス
  11. ライド / Ride - 5:58
  12. アイル・オールウェイズ・ビー・イン・ユア・ソウル / I'll Always Be Inside Your Soul - 4:01

日本盤ボーナス・トラック

  1. ロウ(デヴィッド・ゲッタ・リミックス) / Low - 3:30

参加ミュージシャン

脚注

  1. italiancharts.com - Lenny Kravitz - Raise Vibration
  2. Lenny Kravitz - Raise Vibration - hitparade.ch
  3. Offizielle Deutsche Charts
  4. lescharts.com - Lenny Kravitz - Raise Vibration
  5. Lenny Kravitz - Raise Vibration - austriancharts.at
  6. Lenny Kravitz - Raise Vibration - ultratop.be
  7. Lenny Kravitz - Raise Vibration - ultratop.be
  8. spanishcharts.com - Lenny Kravitz - Raise Vibration
  9. Lenny Kravitz - Raise Vibration - dutchcharts.nl
  10. Lenny KRAVITZ | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
  11. レイズ・ヴァイブレーション - レニー・クラヴィッツ”. オリコン. 2022年6月19日閲覧。
  12. Lenny Kravitz Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2022年6月19日閲覧。
  13. Browne, David (2018年4月17日). Lenny Kravitz Talks Overcoming Dry Spell for New Album 'Raise Vibration'”. Rolling Stone. 2022年6月19日閲覧。
  14. (I Can't Make It) Another Day by Michael Jackson”. Songfacts. 2022年6月19日閲覧。
  15. Johnny Cash by Lenny Kravitz”. Songfacts. 2022年6月19日閲覧。
  16. Barlow, Eve (2018年5月24日). Lenny Kravitz on 30 years in music: 'I did whatever I had to do to survive'”. The Guardian. Guardian News and Media. 2022年6月19日閲覧。
  17. Lenny Kravitz - Low - ultratop.be
  18. Erlewine, Stephen Thomas. Lenny Kravitz Raise Vibration Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. 2022年6月19日閲覧。
  19. 山西絵美. レニー・クラヴィッツ 『Raise Vibration』 老いを受け入れ全力でいまを生きようとする姿に感じる、これまでとは違う色気”. Mikiki. TOWER RECORDS JAPAN. 2022年6月19日閲覧。
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