リヤド

リヤド(Riyadh, アラビア語: الرياض , ar-Riyādh, アッ=リヤード)は、サウジアラビア首都アラビア半島中央部のナジュド地方に位置する内陸都市で、人口は2018年時点でおよそ767万人である[1]

リヤド
الرياض ar-Riyādh
City of Riyadh
サウジアラビアの旗
愛称 : Riyadh
位置
サウジアラビア内のリヤド(Riyadh)の位置の位置図
サウジアラビア内のリヤド(Riyadh)の位置
位置
リヤドの位置(サウジアラビア内)
リヤド
リヤド
リヤド (サウジアラビア)
リヤドの位置(中東内)
リヤド
リヤド
リヤド (中東)
地図
座標 : 北緯24度38分 東経46度43分
行政
サウジアラビアの旗 サウジアラビア
  リヤード州
  リヤド
市長 Abdullah bin Abdul Rahman Al Mogbel
地理
面積  
  市域 1,200 km2
  市街地 1,000 km2
  都市圏 1,815 km2
標高 612 m
人口
人口 (2018年[1]現在)
  市域 7,676,654人
    人口密度   4,400人/km2
その他
等時帯 アラビア標準時 (UTC+3)
夏時間 なし
市外局番 +966-1
リヤド(衛星画像、2018年)

サウジアラビア王国建国以前からサウジ王家であるサウード家の本拠地としてワッハーブ主義運動の中心になってきた。中東有数の世界都市で、アメリカのシンクタンクが2014年に発表した世界都市ランキングでは65位にランクインしている。

歴史

古代から存在したと考えられておりHajrと呼ばれていた。リヤドはナジュド地方の心臓部であるワディ・ハニーファの中心都市の一つであったとも考えられており人口もリヤドのみでは数万人、ワディ・ハニーファ全体を合わせると数十万人いたとも言われている。この一帯はサウード家の所属するバヌー・ハニーファ一門が支配していたともされる。

18世紀にサウード家の第一次サウード王国の支配下に入ったリヤドは、1818年エジプトムハンマド・アリーの軍により本拠地ディルイーヤを破壊されたサウード家が移転したことにより、歴史に名が残るようになった。

サウード家はここで第二次サウード王国を興すが、リヤドは1892年にはサウード家に敵対するラシード家ジャバル・シャンマル王国)の手に落ちた。1902年、サウード家を復興したアブドゥルアズィーズ・イブン=サウードがラシード家からリヤドを奪還して以降はナジュド地方の政治的中心となり、1932年にサウジアラビア王国の首都に定められた。

もともとリヤドは内陸の小都市でサウジアラビア建国以前は数万人が居住するに過ぎなかったが、第二次世界大戦後石油がサウジアラビアに還流するようになると急速に発展し、アラビア半島最大の都市へと変貌を遂げた。

周辺国との国境から距離があり、戦争とは無縁の土地であったが、2015年以降、隣国イエメンの反政府勢力フーシが発射した弾道ミサイルが市内に飛来するようになり、パトリオットミサイルで迎撃する事態となっている[2]。2021年2月28日にも大規模な弾道ミサイル攻撃があり、複数のミサイルの破片が落下。ケガ人の発表は無かったが、民家の被害が報道されている[3]

地理

アラビア半島中央部のナジュド(高原地帯)に位置し、リヤード州の州都である。

気候

気候はケッペンの気候区分では砂漠気候に属する。年降水量は約135mmである。

リヤドの気候
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
最高気温記録 °C°F 31.5
(88.7)
34.8
(94.6)
38
(100)
43
(109)
46.1
(115)
47
(117)
48
(118)
47.8
(118)
44.5
(112.1)
42
(108)
39
(102)
33
(91)
48
(118)
平均最高気温 °C°F 20.1
(68.2)
23
(73)
27.6
(81.7)
34
(93)
40.6
(105.1)
42.7
(108.9)
43.4
(110.1)
43.2
(109.8)
41.3
(106.3)
37.1
(98.8)
28.6
(83.5)
21
(70)
33.1
(91.6)
日平均気温 °C°F 14.4
(57.9)
16.9
(62.4)
21.1
(70)
26.9
(80.4)
32.9
(91.2)
35.4
(95.7)
36.6
(97.9)
36.5
(97.7)
33.3
(91.9)
28.2
(82.8)
21.4
(70.5)
16.1
(61)
26.6
(79.9)
平均最低気温 °C°F 6.9
(44.4)
9
(48)
15
(59)
21.3
(70.3)
26.7
(80.1)
28.6
(83.5)
31.1
(88)
29.5
(85.1)
26.7
(80.1)
22.9
(73.2)
14.3
(57.7)
8.4
(47.1)
19.9
(67.8)
最低気温記録 °C°F −2
(28)
0.5
(32.9)
4.5
(40.1)
11
(52)
18
(64)
21
(70)
23.6
(74.5)
22.7
(72.9)
16.1
(61)
13
(55)
7
(45)
1.4
(34.5)
−2
(28)
雨量 mm (inch) 11.7
(0.461)
10.5
(0.413)
24.7
(0.972)
23.3
(0.917)
2.6
(0.102)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0.7
(0.028)
6.9
(0.272)
13
(0.51)
94.6
(3.724)
平均降水日数 5.8 4.8 9.8 9.0 3.5 0.0 0.0 0.0 0.0 1.2 3.4 6.3 45.2
 % 湿度 47 38 34 28 17 11 10 12 14 21 36 47 26
出典:[4]

行政区画

リヤドは16地区に区分されている。

経済

リヤドのスカイライン
リヤドの夜景

サウジアラビアの経済の中心地である。工業分野では、リヤド地域サウジアラビア工業用地公団(MODON: Saudi Industrial Property Authority)の監督下の2つの工業団地がある[5]金融分野ではアルオラヤ金融ビジネス街やKAFDなどがある。アルオラヤにあるキングダムセンターは、著名な投資家であるアルワリード王子の金融関連会社のオフィスと、地上にはショッピングセンターがある。

交通

航空

高速道路

鉄道

以下の二つの国営鉄道会社による鉄道路線があり旅客便の運行が行われている。さらに、ジェッダ方面への鉄道も建設が進められている。

バス

  • 市内にはSAPTCOによりバス路線が運行されており、ICカードで乗車する方式を取っているが路線数は少なく広大なリヤド市内の中でも一部の地域での運行に限定されている。専用軌道を走るBRT区間も3路線ある。外国人労働者の利用が中心である。

地下鉄

  • リヤド・メトロが建設中であり6路線で開通予定。当初は2019年の開通が予定されていたが開業は度々延期されている。完成すればリヤド空港から中心部まで結ばれ、リヤド市内としても初めての本格的な公共交通機関となる。
  • 世界最大の女子大学とされるプリンセス・ヌーラ・ビント・アブドゥッラハマーン女子大学には、2012年に開通した広大なキャンパス内を走る総延長11.5 kmの無人運転を行うライトメトロが4路線走っており、14駅が設置されている。

教育

施設

ギャラリー

スポーツ

サッカー

リヤドをホームタウンとする、サウジ・プロフェッショナルリーグに属するプロサッカークラブが複数存在している。アル・ヒラルアル・ナスルFCアル・シャバブ・リヤドである。中でもアル・ヒラルはリーグ最多優勝クラブであり、AFCチャンピオンズリーグにおいても最多優勝を誇る。また、アル・ナスルFCも2022年にポルトガル代表クリスティアーノ・ロナウドと契約を結ぶなど、話題となっている。

脚注

  1. Population”. Statistical Yearbook 47 (2011). Central Department Of Statistics & Information. 2013年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年11月15日閲覧。
  2. サウジ、イエメンから発射のミサイル7発撃墜 1人死亡”. CNN (2018年3月26日). 2018年4月3日閲覧。
  3. イエメン・フーシ派、サウジ首都の攻撃認める 作戦継続を警告”. AFP (2021年3月1日). 2021年5月10日閲覧。
  4. Surface annual climatological report”. PME. 2009年8月17日閲覧。
  5. リヤド スタイル (JETRO)

関連項目

外部リンク

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