ラージャイ・デービス

ラジェイ・ラービー・デービスRajai Lavae Davis,[注釈 1] 1980年10月19日 - )は、アメリカ合衆国コネチカット州ノーウィッチ出身のプロ野球選手外野手)。右投右打。フリーエージェント(FA)。愛称はラジRaj[2]

ラジェイ・デービス
Rajai Davis
クリーブランド・インディアンス時代
(2018年4月22日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 コネチカット州ノーウィッチ
生年月日 (1980-10-19) 1980年10月19日(42歳)
身長
体重
5' 9" =約175.3 cm
195 lb =約88.5 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手
プロ入り 2001年 MLBドラフト38巡目
初出場 2006年8月14日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴

プロ入りとパイレーツ時代

2001年6月5日に行われたMLBドラフト38巡目(1134位)でピッツバーグ・パイレーツから指名され、6月26日に契約が成立してプロ入り。この年は傘下のルーキー級ガルフ・コーストリーグ・パイレーツとA-級ウィリアムズポート・クロスカッターズでプレーを始める(32試合出場)。

2002年にルーキー級ガルフ・コースト、A-級ウィリアムズポート、A級ヒッコリー・クロウダッズの3球団合計で65試合出場し、打率.380、出塁率.440、OPS.977、26盗塁と言うハイレベルな数字を叩き出し、ガルフ・コーストリーグのオールスターに出場した他、Topps 社のルーキー級とA-級のオールスターにも選出された[3]

2003年は、A級ヒッコリーで125試合に出場して打率.305、出塁率.383、40盗塁の成績を残し、サウス・アトランティックリーグのオールスターに出場した。

2004年は、元々はスイッチヒッターだったが、当年のシーズン前から右打席に専念[4]。A+級リンチバーグ・ヒルキャッツで127試合に出場して打率.314、出塁率.388、OPS.812、57盗塁(A+級最多)の好成績をマークし、9月1日にカロライナリーグのオールスターに出場した他、シーズン終了後、ベスト・ストライクゾーン・ディシプリンとファステスト・ベースランナーに選出された[5]

2005年はAA級アルトゥーナ・カーブにステップアップし、123試合に出場して打率.281、出塁率.351、45盗塁を記録した。7月13日、イースタンリーグのオールスターに出場するなど[3]マイナーリーグにおいて着実にキャリアを積み重ねる。

2006年はAAA級インディアナポリス・インディアンスにステップアップし、100試合に出場して、打率.283、45盗塁と好調を維持すると、8月14日のミルウォーキー・ブルワーズ戦においてメジャーデビュー。7回裏に代打として登場し、右飛に倒れたが、8月26日のシカゴ・カブス戦でカルロス・ザンブラーノから初安打となる二塁打を放った。ほとんど代打代走要員で[6]、目立った成績は残せなかったが、シーズン終了後、2度目となるファステスト・ベースランナーに選出されている[7]

2007年は、AAA級インディアナポリスで53試合に出場して打率.318、出塁率.384、OPS.853、27盗塁と結果を出すと、6月5日以降はメジャー定着[8]。主に「1番・中堅手」で先発出場していた[9]

ジャイアンツ時代

2007年7月31日、マット・モリスとのトレードで、スティーブ・マクファーランドと共にサンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍し、その翌日から「1番・中堅手」で出場。ジャイアンツでは51試合の出場ながら、デーブ・ロバーツに次ぐチーム2位の17盗塁を記録した。しぶとい打撃を披露した他[10]、1番打者として出場した試合では打率.293、出塁率.367と[9]、リードオフの重責を果たした。

2008年は開幕から不振が続き、4月19日にDFAとなった。

アスレチックス時代

2009年4月21日

2008年4月23日にウェイバー公示を経てオークランド・アスレチックスへ移籍した。

2009年途中にレギュラーの座をつかみ、規定打席未到達ながら41盗塁を記録。

2010年には50盗塁を記録した。

ブルージェイズ時代

トロント・ブルージェイズ時代
(2012年6月3日)

2010年11月17日にダニー・ファーカートリスタン・マグナソンとのトレードで、トロント・ブルージェイズへ移籍した。

2011年1月18日、ブルージェイズと2年575万ドル(3年目の2013年は300万ドルの球団オプション)の契約で合意した[11]

2012年アメリカンリーグ2位の46盗塁を記録。オフにオプションを破棄されたが、50万ドルのバイアウトと年俸250万ドルの1年契約で残留が決まった[12]

2013年10月31日にFAとなった[13]

タイガース時代

2013年12月11日にデトロイト・タイガースと2年契約を結んだ[14]

2014年は自己2位となる494打席に立ち、打率.282、得点圏打率.302、8本塁打、51打点を記録した。盗塁を36決め、6年連続30盗塁以上(厳密には34盗塁以上)、通算300盗塁を達成した。2014年レギュラーシーズン終了時点での通算304盗塁は、現役12位だった[15]

2015年7月31日

2015年は112試合に出場し、打率.258、自己ベストタイの8本塁打、30打点という打撃成績を残した。走塁面のスタッツでは、リーグ3位となる11本の三塁打を放ったが、盗塁が前年から半減となる18個に留まり、連続30盗塁以上は6年でストップした。外野の守備は、中堅と左翼手でプラスのDRSを記録した。オフの11月2日にFAとなった[16]

インディアンス時代

2015年12月17日にクリーブランド・インディアンスと1年525万ドルの契約を結んだ[17]

2016年7月22日

2016年7月2日のブルージェイズ戦でサイクル安打を達成した。本塁打三塁打二塁打単打の順番に達成するリバースサイクルと呼ばれる記録で、MLB史上6度目の快挙だった[18]。この年は中堅をメインに、左翼も守りながら134試合に出場。規定打席には届かなかったが、3シーズンぶりの40超となる43盗塁を決め、ア・リーグ盗塁王のタイトルを獲得した。打撃としては、打率.249、106三振と粗さが目立ったが、自己最多の12本塁打を放った。守備はまずく、中堅の80試合では3失策守備率.981、DRS-5、左翼の66試合で2失策、守備率.978・DRS-3という内容だった。シカゴ・カブスとのワールドシリーズでは、第7戦の8回裏にカブスの守護神アロルディス・チャップマンから起死回生の同点2ランを放ち、最終的に試合には敗れたものの球場を大いに沸かせた。オフの11月3日にFAとなった[13]

アスレチックス復帰

2017年7月24日

2017年1月3日にアスレチックスと1年600万ドルで契約を結んだ[19]

レッドソックス時代

2017年9月20日

2017年8月23日にラファエル・リンコーンズとのトレードで、ボストン・レッドソックスへ移籍した[20]。オフの11月2日にFAとなった[21]

インディアンス復帰

2018年2月17日にインディアンスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[22]。3月29日にメジャー契約を結び、開幕25人枠入りした。この年は101試合に出場して打率.224、1本塁打、6打点、21盗塁を記録した。オフの10月29日にFAとなった[13]

メッツ時代

2018年12月17日にニューヨーク・メッツとマイナー契約を結び、2019年のスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[23]

2019年の開幕は傘下のAAA級シラキュース・メッツで迎え、5月22日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[24]。初打席で本塁打を放つ活躍もあったが、マイケル・コンフォルトの故障者リストからの復帰に伴って5月26日にDFAとなり[25]、28日にマイナー契約でAAA級シラキュースへ配属された[13]。8月20日に再びメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[26]。オフの10月31日にFAとなった[27]

2020年メキシカンリーグモンクローバ・スティーラーズと契約するが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行によりシーズン中止となる。

選手としての特徴

左投手に強く、スピードはトップクラス[28]だが、守備範囲はあまり広くはなく、守備自体も上手い方ではない。

マイナーリーグ時代には、2003年から4年連続40盗塁以上を記録。2004年の57盗塁はリーグ最多、2006年の45盗塁は2位だった。尚、2007年はAAA級で27盗塁、MLBで22盗塁とキャリア合算で40盗塁を記録している[29]。メジャー昇格後は、2009年から6年連続30盗塁以上、2007年から8年連続20盗塁以上、同じく2016年時点で10年連続2桁盗塁をマークしている[30]
打席では積極的に打つ傾向にあり、四球の数は少ない。そのため、出塁率はあまり高くない。

マイナー7年間の通算成績は、打率.305、出塁率.375、OPS.782、251盗塁。

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
2006 PIT 2017141210030131020030.143.250.214.464
2007 245748613210172521170031.271.357.354.711
SF 511621422640911547174201414250.282.363.380.743
'07計 7521919032531121719226312114281.279.361.374.735
2008 1219182100010400010060.056.105.056.161
OAK 1012071962851543731925621701341.260.288.372.660
'08計 1132262143052543741929621801401.243.272.346.618
2009 1254323906511927531654841122429077012.305.360.423.784
2010 1435615256614928351985250111526047810.284.320.377.697
2011 TOR 9533832044762161112293411111501634.238.273.350.623
2012 1424874476411524381694346131429361028.257.309.378.687
2013 1083603314986162612424456122105678.260.312.375.687
2014 DET 134494461641302728185513611332205757.282.320.401.721
2015 11237034155881611815030188132203765.258.306.440.746
2016 CLE 1344954547411323212176484361233051069.249.306.388.693
2017 OAK 10032830049701725106182661126107010.233.294.353.647
BOS 173836792001123100101132.250.289.306.595
'17計 11736633656791925117202971127118312.235.293.348.648
2018 CLE 1012161963344611556217411104482.224.278.281.559
2019 NYM 29262545201108010010050.200.231.400.631
MLB:14年 144846074244637111122643621609387415108222826754684479.262.311.379.690
  • 2020年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績



左翼(LF)中堅(CF)右翼(RF)二塁(2B)
















































2006 PIT --10000-
2007 -12270001.000--
SF 770001.00046973001.00010000-
'07計 770001.000581243001.00010000-
2008 320001.000460001.000110001.000-
OAK -84147412.993-10000
'08計 320001.00088153412.994110001.00010000
2009 -113259841.985560001.000-
2010 4757110.98383190221.9902747211.980-
2011 TOR 450001.00079174220.9898180001.000-
2012 114171871.962650001.0002435010.972-
2013 5789221.97816341001.00035501001.000-
2014 DET 99160641.97648117010.992--
2015 3953110.98246931001.0001015010.938-
2016 CLE 6683420.97880151532.981110001.000-
2017 OAK 19110001.00079147522.987320001.000-
BOS 66010.857490001.000430001.000-
'17計 2517010.94483156522.988750001.000-
2018 CLE 30291001.00047812011.000220001.000-
2019 NYM 1120001.000-340001.000-
MLB 50267523183.975747153733159.991125184331.98410000

タイトル

MLB

記録

MiLB
MLB

背番号

  • 10(2006年 - 2007年途中)
  • 28(2007年途中 - 2008年途中)
  • 38(2008年途中 - 同年終了)
  • 11(2009年 - 2013年、2017年 - 同年8月22日)
  • 20(2014年 - 2016年)
  • 25(2017年8月24日 - 同年終了)
  • 26(2018年)
  • 18(2019年)

テレビ出演

日本TBS系で放送された正月番組「最強の男は誰だ!壮絶筋肉バトル!!スポーツマンNo.1決定戦2008年大会に出場、モンスターボックス16段(MLBタイ記録)・ ULTIMATE GUYS 1分36秒12 ・ ショットガンタッチ13m00cm(当時MLB記録、世界歴代9位タイ)など活躍、総合5位に食い込んだ。

脚注

  1. Rajai Davis BASEBALL-REFERENCE.com
  2. Red Sox Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月6日閲覧
  3. Awards/Honors: (英語). MiLB.com. 2008年3月17日閲覧。
  4. Biography: (英語). The Official Site of The San Francisco Giants. 2008年3月17日閲覧。
  5. John Perrotto (2004年11月15日). 2005 Pittsburgh Pirates Top 10 Prospects (英語). baseball america. The Enthusiast Network. 2015年12月21日閲覧。
  6. Rajai Davis 2006 Batting Gamelogs (英語). baseball-reference.com. 2008年3月17日閲覧。
  7. Prospects: Rankings: Organization Top 10 Prospects: Pittsburgh Pirates: Top 10 Prospects (英語). baseball america. The Enthusiast Network (2007年1月31日). 2015年12月21日閲覧。
  8. Transactions / Injuries / Suspensions (英語). sportsnet.ca. 2008年3月17日閲覧。
  9. Splits Batting:2007 , By Position , By Batting Order (英語). ESPN. 2008年3月17日閲覧。
  10. BB/K Graphs (英語). FanGraphs. 2008年3月17日閲覧。
  11. “Brandon Morrow, Rajai Davis have deals” (英語). Associated Press. ESPN. (2011年1月18日). http://sports.espn.go.com/mlb/news/story?id=6033503 2015年12月21日閲覧。
  12. Blue Jays exercise option on Darren Oliver, re-sign Rajai Davis thestar.com
  13. MLB公式プロフィール参照。2019年5月29日閲覧。
  14. "Tigers agree to terms with Rajai Davis" (Press release) (英語). MLB.com (Detroit Tigers). 11 December 2013. 2015年12月21日閲覧
  15. Active Leaders & Records for Stolen Bases BASEBALL-REFERENCE.com
  16. Transactions | Detroit Tigers (英語). MLB.com (2015年11月2日). 2015年11月3日閲覧。
  17. Scott Merkin (2015年12月17日). Davis brings versatility to Tribe's outfield, lineup (英語). MLB.com. 2015年12月21日閲覧。
  18. インディアンス デービスが“リバースサイクル”MLB史上6度目の珍事”. スポニチアネックス (2016年7月3日). 2016年7月4日閲覧。
  19. Brian McTaggart (2017年1月3日). Davis returns to Oakland on one-year deal (英語). MLB.com. 2017年1月4日閲覧。
  20. Ian Browne (2017年8月23日). With JBJ on DL, Sox land R. Davis from A's (英語). MLB.com. 2017年8月24日閲覧。
  21. Key free agents for all 30 MLB teams MLB.com (英語) (2017年11月5日) 2017年12月30日閲覧
  22. Jordan Bastian (2018年2月17日). Davis reunites with Tribe on Minor League deal (英語). MLB.com. 2018年3月21日閲覧。
  23. Anthony DiComo (2018年12月18日). Mets sign Rajai Davis to Minor League deal (英語). MLB.com. 2019年2月9日閲覧。
  24. Anthony DiComo (2019年5月22日). Stiff neck forces Nimmo to IL; Mets recall Rajai (英語). MLB.com. 2019年5月23日閲覧。
  25. Anthony DiComo (2019年5月26日). Conforto feels 'lucky' to be back from IL so soon (英語). MLB.com. 2019年5月27日閲覧。
  26. TC Zencka (2019年8月20日). Mets Notes: Rajai Davis, Lockett, Pounders, Nimmo, Lowrie (英語). MLB Trade Rumors. 2019年8月21日閲覧。
  27. Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). Here are every team's free agents this winter (English). MLB.com. 2019年12月2日閲覧。
  28. PECOTA , Rajai Davis (英語). baseball prospectus.com. 2008年3月17日閲覧。
  29. Rajai Davis Register Statistics & History (英語). Baseball Reference.com. 2016年7月5日閲覧。
  30. Rajai Davis Statistics and History (英語). Baseball Reference.com. 2016年7月5日閲覧。

注釈

  1. 姓のRajaiは、メディアによって表記揺れが見られるが、発音記号は[rah-jay]であり「ラジェイ]である。尚、この場合の「h」は長音記号ではないため伸ばさない[1]

関連項目

外部リンク

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