石垣港離島ターミナル
石垣港離島ターミナル(いしがきこう りとうターミナル)は、沖縄県石垣市の石垣港にある離島航路の旅客ターミナルである。主に石垣港と離島を結ぶ旅客船(高速船)が発着する。ユーグレナが命名権を取得し、2018年4月1日から5年間、愛称がユーグレナ石垣港離島ターミナルとなった[2][3][4][5]。
石垣港離島ターミナル (ユーグレナ石垣港離島ターミナル) | |
---|---|
| |
情報 | |
用途 | 客船ターミナル |
事業主体 | 石垣市 |
管理運営 | 石垣市経済振興公社[1] |
延床面積 | 5,000 m² [1] |
階数 | 1階(一部2階) |
竣工 | 2007年1月30日 |
開館開所 | 2007年1月31日 |
所在地 |
〒907-0012 沖縄県石垣市美崎町1番地 |
座標 | 北緯24度20分13.7秒 東経124度9分20.2秒 |
概説
1階(一部2階)建て赤瓦葺き、延床面積約5,000 m2の施設で、200席の出発・到着ロビーや観光総合案内カウンターを備え、海運業者の事務所や旅行代理店が入居している[6]。
4基の浮桟橋を備え、ターミナルと浮桟橋の間は屋根付き歩道で結ばれている[7]。
ターミナル内には大型シアター、電子図鑑、観光情報システム、有料インターネット設備を備える観光情報発信施設「とぅもーるネットセンター石垣」が置かれていたが、利用が低調だったため[8]に閉鎖され、2019年7月にデジタルプロジェクターを備えたプラネタリウム施設「美ら星ゲート いしがき島星ノ海プラネタリウム」にリニューアルされた[9]。
沿革
かつて、石垣島と離島を結ぶ航路は、離島ターミナルから東に約200 mの位置にあった離島桟橋を拠点としていた。しかし、離島桟橋前の道路は一方通行で、旅客、タクシー、貨物車などで混雑していた。このため、旧港湾ターミナル跡地にターミナルを建設することとなり[6]、2007年(平成9年)1月30日に離島ターミナルが竣工。翌1月31日から正式な運用が開始された[7]。
運用開始時点では浮桟橋は2基で、全長は北側の浮桟橋が35 m、南側が30 m。幅はともに10 mであった[10]。2008年(平成10年)5月には、南側に2基が増設され、4基となった。増設されたうちの1基は旧離島桟橋で使われていた設備を移設したもので、全長は新設されたものが30m、移設されたものが42 m。幅はともに10 mである[11]。
2013年(平成25年)12月26日には、石垣島出身の具志堅用高の銅像が設置され、本人を迎えて除幕式が行われた[12][13]。2018年(平成30年)7月15日の海の日には、本ターミナルを代表施設とする「みなとオアシスいしがき」がみなとオアシスに認定され[14]、石垣港みなとまつりで登録証の交付式が行われた[15]。
年表
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)5月 - 浮桟橋2基が増設され計4基となる。
- 2009年(平成21年)2月1日 - 無料無線LAN整備。とぅもーるネットセンター石垣の入館無料化[17]。
- 2010年(平成22年)
- 7月6日 - JAおきなわのATM、キャッシングサービスコーナーが設置される[18]。
- 8月1日 - 離島ターミナル内の平田観光事務所がビジット・ジャパン案内所に認定される[19]。
- 2011年(平成23年)4月 - 八重山観光フェリーと安栄観光の共通チケット適用航路の拡大に伴い、のりばが会社ごとから航路ごとになる[20]。
- 2012年(平成24年)12月25日 - 八重山警察署の警察官立ち寄り所が設置される[21]。
- 2013年(平成25年)12月26日 - 具志堅用高の銅像の除幕式が行われる。
- 2014年(平成26年) - 歩道及びバス停留所に屋根を設置[22]。
- 2015年(平成27年) - 発着時刻等を表示する大型モニター6台が故障[23]。
- 2019年(令和元年) - 「とぅもーるネットセンター石垣」跡に、プラネタリウム施設「美ら星ゲート いしがき島星ノ海プラネタリウム」オープン。
- 2021年(令和3年)12月21日 - 2階に「尖閣諸島情報発信センター」を開設。
- 石垣港離島ターミナル入口側(2007年)
- 旧離島桟橋(2003年)
- 旧離島桟橋跡
離島ターミナルに移設された浮桟橋の跡が中央に残る。 - いしがき島星ノ海プラネタリウム
- 尖閣諸島情報発信センターに展示中の尖閣諸島行政標柱
定期航路
主に旅客船(高速船)が発着。
- - 竹富島(竹富東港)・小浜島(小浜港)・黒島(黒島港)・西表島(大原港・上原港)・鳩間島(鳩間港)[25]
かつては石垣島ドリーム観光も本ターミナル発着の定期航路を運航していたが、2018年4月以降、定期航路を運休し、ツアー(不定期航路)の運航のみとなっている[26]。また、波照間航路で高速船を運航していた波照間海運は、2011年から運休している[27]。
石垣港の他の旅客施設
八島ふ頭に発着する、石垣港と離島を結ぶ貨客船(フェリー)は、石垣港フェリーターミナル[28]を利用する。
浜崎町にある石垣港ターミナル[28]は、かつてはE岸壁に発着する名古屋・大阪等との間の長距離定期フェリー航路のターミナルとして利用された。2008年6月までに全ての長距離航路が休止した後は、大型クルーズ船用に利用されてきた[29]が、2018年4月21日には新港地区に整備されたクルーズ船専用バースが暫定供用されている[30]。
脚注
- “ユーグレナ石垣港離島ターミナルについて”. 石垣市 (2022年1月28日). 2022年5月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月29日閲覧。
- 「「石垣港離島ターミナル」のネーミングライツを、ユーグレナ社が取得 ~年間200万人以上が利用、石垣島と離島をつなぐ海の玄関口の愛称が4月1日(日)より「ユーグレナ石垣港離島ターミナル」に~」『株式会社ユーグレナ』2018年2月21日。 オリジナルの2018年2月23日時点におけるアーカイブ 。
- 『石垣港離島ターミナルネーミングライツ契約調印式について』(プレスリリース)石垣市、2018年2月21日。 オリジナルの2018年2月22日時点におけるアーカイブ 。
- “ユーグレナが命名権取得 離島ターミナル 維持管理に財源活用”. 八重山日報. (2018年2月22日). オリジナルの2018年2月23日時点におけるアーカイブ。
- “「ユーグレナ石垣港離島ターミナル」誕生”. 八重山毎日新聞. (2018年4月2日). オリジナルの2018年4月2日時点におけるアーカイブ。
- “石垣と離島結ぶ新拠点 旅客ターミナル建設へ”. 琉球新報. (2005年5月28日). オリジナルの2017年8月19日時点におけるアーカイブ。
- “石垣新離島ターミナル完成”. ニュースQプラス (琉球朝日放送 報道制作部). (2007年1月31日). オリジナルの2013年4月23日時点におけるアーカイブ。
- “とぅもーるネットセンター石垣、管理運営で揺らぐ”. 八重山毎日新聞. (2008年11月8日). オリジナルの2017年4月22日時点におけるアーカイブ。
- “美ら星ゲート、ドームシアターを整備 石垣市”. 八重山毎日新聞. (2017年7月21日). オリジナルの2017年8月19日時点におけるアーカイブ。
- “石垣港離島旅客ターミナルビル前浮き桟橋2基 今月末完成へ”. 八重山毎日新聞. (2006年1月20日). オリジナルの2008年3月13日時点におけるアーカイブ。
- “石垣港離島ターミナル浮き桟橋4基に倍増 5月から供用開始見込む”. 八重山毎日新聞. (2008年4月12日). オリジナルの2008年4月14日時点におけるアーカイブ。
- “具志堅用高さん銅像設置 石垣港離島ターミナル内”. 琉球新報. (2013年12月31日). オリジナルの2016年4月12日時点におけるアーカイブ。
- “具志堅用高モニュメント完成 離島ターミナルに常設”. 八重山毎日新聞. (2013年12月27日). オリジナルの2014年1月25日時点におけるアーカイブ。
- 「「みなとオアシスひらら」・「みなとオアシスいしがき」が新規登録」『沖縄みなとオアシス』、内閣府沖縄総合事務局、2018年7月15日。 オリジナルの2019年8月2日時点におけるアーカイブ 。
- “石垣港 「みなとオアシス」に登録”. 八重山毎日新聞. (2018年7月17日). オリジナルの2018年7月17日時点におけるアーカイブ。
- “とぅもーるネットセンター 入館料無料で出直し”. 八重山毎日新聞. (2008年10月5日). オリジナルの2008年10月7日時点におけるアーカイブ。
- “とぅもーるネットセンター、指定管理返還を申し出 市経済振興公社”. 八重山毎日新聞. (2008年10月5日). オリジナルの2009年2月6日時点におけるアーカイブ。
- “離島ターミナルで待望のATMが稼動 JAおきなわが設置”. 八重山毎日新聞. (2010年7月7日). オリジナルの2017年8月19日時点におけるアーカイブ。
- “外国人向け案内所設置 政府観光局”. 八重山毎日新聞. (2010年8月2日). オリジナルの2010年8月12日時点におけるアーカイブ。
- “共通チケット航路を拡大 観光フェリー・安栄観光両社離島間定期運航も開始”. 八重山毎日新聞. (2011年5月1日)
- “離島ターミナルに警察官立ち寄り所 テナント業者が要請”. 八重山毎日新聞. (2012年12月26日)
- “快適なバス停に 屋根設置工事急ピッチ”. 八重山毎日新聞. (2014年2月27日)
- “発着時刻案内モニターが停止 石垣港離島ターミナル”. 八重山毎日新聞. (2015年5月26日)
- 運航案内 安栄観光
- 航路図 八重山観光フェリー
- “来年4月に定期船休止 船員不足、ツアーは継続 ドリーム観光”. 八重山日報. (2017年10月22日). オリジナルの2017年10月24日時点におけるアーカイブ。
- “波照間海運が運休へ 国の補助打ち切りで”. 八重山毎日新聞. (2011年12月3日). オリジナルの2016年3月4日時点におけるアーカイブ。
- 『石垣市公共施設等総合管理計画』(レポート)、石垣市、2017年3月。
- “もうひとつのターミナル「石垣港ターミナル」”. DEEokinawa. (2013年10月24日). オリジナルの2014年4月2日時点におけるアーカイブ。
- “大型客船、着岸可能に 石垣港 20年、20万トン級受け入れ”. 琉球新報. (2018年4月22日). オリジナルの2018年4月22日時点におけるアーカイブ。