沖縄赤瓦

沖縄赤瓦(おきなわあかがわら)は、沖縄県で産する赤色釉薬瓦粘土瓦)である。琉球赤瓦(りゅうきゅうあかがわら)とも言う。なお、沖縄県で産する瓦を色にかかわらず総称する場合には、琉球瓦(りゅうきゅうがわら)、島瓦(しまがわら)と呼ぶ。

赤瓦屋根の例:首里城正殿(那覇市首里
赤瓦屋根の例:中村家住宅中頭郡北中城村
赤瓦屋根の上に置かれたシーサー(八重山郡竹富町竹富島

概要

伝統的な沖縄赤瓦は、本葺瓦の系統に属する瓦で、平瓦に相当する女瓦と、丸瓦に相当する男瓦とからなる。瓦を葺く際には、まず女瓦を並べて、その左右の継ぎ目を覆うように男瓦を被せ、台風などの強風にも耐えるように瓦どうしの隙間を漆喰で塗り固める。このため、赤瓦を用いた屋根は、瓦の赤と漆喰の白とのコントラストが際だつ外観となる。

なお、沖縄県以外で生産される赤色の瓦で、焼成の途中で食塩を投入する塩焼瓦や、赤色の釉薬瓦も赤瓦と呼ばれる。塩焼瓦の代表例としては愛知県西三河地方で産する三州瓦、赤色の釉薬瓦の代表例としては島根県石見で産する石州瓦がある。

歴史

琉球地方の瓦はかつては灰色のものが主流であったが、18世紀に入ると酸化鉄による赤色系の瓦が現れるようになり、主に首里城正殿をはじめとする王府・役所の建物や、神社等で用いられた。しかし、一般の住宅では1889年に至るまで瓦葺きは禁止されており、赤瓦が広く市中に普及するのはこの禁止令が解かれた後であった。屋根に漆喰で作ったシーサーが置かれるようになったのも、この頃以降であると考えられている。

沖縄赤瓦は、近年では島尻郡与那原町を中心に生産されており、2009年2月20日に特許庁により地域団体商標として登録されている。商標権者は沖縄赤瓦事業協同組合である[1]

また、2007年度からは、沖縄県によって技能評価認定制度として初めて認定された琉球赤瓦施工技能評価試験が、沖縄県琉球赤瓦漆喰施工協同組合によって実施されており、技術の継承・向上や人材育成が期待されている[2]

脚注

外部リンク

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