ブロンテース
ブロンテース(古希: Βροντης, Brontēs)は、ギリシア神話に登場する巨人である。その名は「雷鳴」を意味する[1][2][3]。ガイアとウーラノスの子で、一つ目の巨人キュクロープスの1人。ステロペース、アルゲースと兄弟[4][5]。長母音を省略してブロンテスとも表記される。
ウーラノスは恐ろしい姿と膂力を恐れて、ブロンテースらキュクロープスとヘカトンケイルをガイアの腹の中に閉じ込めた[6]。その後、ティーターノマキアーの際にゼウスによって解放され、感謝した彼らはゼウスの武器である雷を鍛えた[7][8]。その後はシケリア島のエトナ火山にある洞窟で鍛冶神ヘーパイストスの仕事を手伝っているとされる[9]。
『イーリアス』8巻39行の古註によると、ブロンテースは女神アテーナーの父である。ゼウスはメーティスを手元に置くために女神を呑み込んだが、このときすでにメーティスはブロンテースの子を身ごもっていたという[10]。
脚注
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.108。
- フェリックス・ギラン『ギリシア神話』p.23。
- 安村典子『ゼウスの覇権』p.198。
- ヘーシオドス『神統記』140行。
- アポロドーロス、1巻1・2。
- ヘーシオドス『神統記』154行-158行。
- ヘーシオドス『神統記』141行。
- ヘーシオドス『神統記』501行-506行。
- ウェルギリウス『アエネーイス』8巻414行-453行。
- 安村典子『ゼウスの覇権』p.197。
参考文献
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