フサイチリシャール

フサイチリシャール(欧字名:Fusaichi Richard2003年4月6日 - )は、日本競走馬種牡馬[1]

フサイチリシャール
2008年3月2日阪神競馬場
欧字表記 Fusaichi Richard[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 芦毛[1]
生誕 2003年4月6日(20歳)[1]
抹消日 2008年4月2日
クロフネ[1]
フサイチエアデール[1]
母の父 サンデーサイレンス[1]
生国 日本の旗 日本北海道早来町[1]
生産者 ノーザンファーム[1]
馬主 関口房朗[1]
調教師 松田国英栗東[1]
競走成績
タイトル JRA賞最優秀2歳牡馬(2005年)[1]
生涯成績 24戦5勝(うち日本国外1戦0勝)[1]
獲得賞金 2億7878万2000円(中央競馬
20,000ドル(日本国外)[1]
勝ち鞍
GI朝日杯FS2005年
GII阪神C2006年
GIII東スポ2歳S2005年

2005年朝日杯フューチュリティステークス(GI)、東京スポーツ杯2歳ステークス(GIII)を制し、同年のJRA賞最優秀2歳牡馬に選出された。その他の勝ち鞍に、2006年阪神カップ(GII)。

半姉クイーンカップ優勝馬ライラプス(父フレンチデピュティ)がいる。馬名の由来は、冠名ブランデーの名前である「ヘネシー・リシャール」。

競走馬時代

2歳・3歳時代

2003年セレクトセールにおいて9900万円で落札された。2005年9月、阪神競馬場の新馬戦でデビューしたが、マルカシェンクの4着に敗れる。しかし2戦目の未勝利戦を逃げきって初勝利を挙げると、続くオープン特別戦、GIII東京スポーツ杯2歳ステークスといずれも逃げきりでの3連勝を収め、2歳戦最大の舞台である朝日杯フューチュリティステークスに出走した。人気はいちょうステークスを圧勝してここに臨んできたジャリスコライトに次ぐ2番人気。レースはスタートがあまり良くなかったこともあり、2番手を追走する形となったが、残り400mで先頭に立つと、最後は追い込んできたスーパーホーネットをクビ差退け、4連勝でGIの舞台を制した。5戦4勝・重賞2勝の活躍が評価され、2005年度のJRA賞最優秀2歳牡馬に選出された。

3歳はクラシック路線を進んだが、皐月賞へのステップ2戦こそアドマイヤムーンメイショウサムソンといった強豪と僅差の2着と健闘したが、迎えた皐月賞、NHKマイルカップ東京優駿(日本ダービー)の三連戦ではいずれも5、6、8着と精彩を欠いた。夏の休養を経ての秋も緒戦を4着、父が得意としたダート戦にも出走したが5着、13着と大敗し、以降短距離路線に転じる。12月にこの年創設されたGII阪神カップに出走し、距離不安も囁かれたがGI優勝馬の力を見せて約1年ぶりの勝利を挙げ、阪神カップの初代優勝馬となった。

古馬時代

古馬になった2007年初戦は京都金杯で、12着と惨敗する。するとここから再び精彩を欠き始め、2007年は秋のスワンステークスで僅差2着になった以外はいずれも着外という成績に低迷した。年が明けた2008年初戦の阪急杯も見せ場なく8着と敗れ、続く高松宮記念では単勝人気は12番人気にまで下がっていた。レースは好位に付けると、直線入口でローレルゲレイロを手応え良く交わし、一旦は先頭に立ったが、残り200m手前で急に失速し7着と敗れた。競走中の負傷が疑われたため、後日精密検査を受けた結果、左前脚の腱を断裂していたことが判明し、これを最後に競走馬を引退[2]。種牡馬入りが発表された[3]

種牡馬時代

2008年8月、北海道新ひだか町アロースタッドにて種牡馬となる[4]。2014年10月4日付で用途変更となり種牡馬を引退[5]。同月から橋本牧場豊畑分場で引退名馬繋養展示事業の助成を受け、余生を送っていた[6][7]。2016年12月、同牧場で乗馬に復帰[8][9]。2019年頃からは広島県三原市の苅谷乗馬クラブに繋養されている[10][11][12]

当初は産駒に目立った活躍はなかったが、2016年5月にニホンピロバロン京都ハイジャンプを制し、種牡馬としての中央重賞初制覇を果たすと、同年8月にはリッカルドエルムステークスを制し、中央平地重賞初制覇を果たした。2018年にはニホンピロバロンが中山大障害を制し、中央J・GI初制覇を果たした。

主な産駒

ニホンピロバロン(2010年産)

競走成績

年月日 競馬場 競走名 頭数 枠番 馬番 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量
[kg]
距離馬場 タイム
(上り3F
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2005 9. 11 阪神 2歳新馬 9 6 6 05.4 0(2人) 04着 武豊 54 芝2000m(良) 02:04.8 (35.3) -0.7 マルカシェンク
9. 25 阪神 2歳未勝利 10 2 2 03.2 0(2人) 01着 武豊 54 芝2000m(良) 02:06.6 (34.7) -0.1 ドリームパスポート
10. 29 京都 萩S OP 8 3 3 06.3 0(5人) 01着 福永祐一 55 芝1800m(重) 01:49.1 (34.4) -0.5 (ドリームパスポート)
11. 19 東京 東京スポーツ杯2歳S GIII 11 2 2 02.7 0(1人) 01着 福永祐一 55 芝1800m(良) R1:46.9 (34.0) -0.4 メイショウサムソン
12. 11 中山 朝日杯FS GI 14 6 12 03.2 0(2人) 01着 福永祐一 55 芝1600m(良) 01:33.7 (34.4) -0.0 スーパーホーネット
2006 2. 5 東京 共同通信杯 GIII 11 6 6 02.0 0(1人) 02着 福永祐一 57 芝1800m(良) 01:48.5 (34.7) -0.1 アドマイヤムーン
3. 19 中山 スプリングS GII 16 2 3 01.6 0(1人) 02着 福永祐一 56 芝1800m(良) 01:48.9 (36.0) -0.0 メイショウサムソン
4. 16 中山 皐月賞 GI 18 1 1 07.2 0(3人) 05着 福永祐一 57 芝2000m(良) 02:00.5 (36.2) -0.6 メイショウサムソン
5. 7 東京 NHKマイルC GI 18 8 18 02.6 0(1人) 06着 福永祐一 57 芝1600m(良) 01:34.0 (36.3) -0.8 ロジック
5. 28 東京 東京優駿 GI 18 4 7 34.7 (10人) 08着 G・ボス 57 芝2400m(稍) 02:29.0 (36.2) -1.1 メイショウサムソン
9. 24 中京 神戸新聞杯 GII 16 3 5 09.7 0(4人) 04着 福永祐一 56 芝2000m(良) 01:58.3 (35.0) -0.2 ドリームパスポート
10. 28 東京 武蔵野S GIII 16 4 7 01.9 0(1人) 05着 岩田康誠 54 ダ1600m(良) 01:35.7 (36.4) -0.4 シーキングザベスト
11. 25 東京 ジャパンCダート GI 15 2 3 10.4 0(4人) 13着 内田博幸 55 ダ2100m(良) 02:10.2 (38.1) -1.7 アロンダイト
12. 17 阪神 阪神カップ GII 17 5 10 10.1 0(8人) 01着 福永祐一 56 芝1400m(良) 01:20.6 (35.2) -0.1 プリサイスマシーン
2007 1. 6 京都 京都金杯 GIII 16 8 15 06.4 0(3人) 13着 鮫島良太 57 芝1600m(稍) 01:34.9 (35.8) -1.0 マイネルスケルツィ
3. 31 ナドアルシバ ゴドルフィンマイル G2 14 4 4 06着 C・スミヨン 57 ダ1600m(良) Spring at Last
5. 12 東京 京王杯SC GII 18 6 12 08.3 0(6人) 05着 鮫島良太 58 芝1400m(良) 01:20.8 (35.1) -0.8 エイシンドーバー
6. 10 中京 CBC賞 GIII 18 2 4 07.9 0(4人) 12着 鮫島良太 58 芝1200m(重) 01:09.6 (35.7) -0.5 ブラックバースピン
9. 9 阪神 セントウルS GII 16 8 15 11.9 0(6人) 12着 鮫島良太 58 芝1200m(良) 01:08.7 (34.4) -1.6 サンアディユ
10. 27 京都 スワンS GII 18 7 14 30.3 (10人) 02着 福永祐一 58 芝1400m(稍) 01:20.7 (34.8) -0.0 スーパーホーネット
11. 18 京都 マイルCS GI 18 3 6 17.9 0(6人) 12着 O・ペリエ 57 芝1600m(良) 01:33.6 (35.6) -0.9 ダイワメジャー
12. 16 阪神 阪神カップ JpnII 18 6 12 15.2 0(6人) 12着 鮫島良太 57 芝1400m(良) 01:21.1 (34.8) -0.5 スズカフェニックス
2008 3. 2 阪神 阪急杯 GIII 16 7 13 17.1 0(5人) 08着 川田将雅 57 芝1400m(良) 01:21.5 (35.3) -0.8 ローレルゲレイロ
3. 30 中京 高松宮記念 GI 18 5 9 45.6 (12人) 07着 川田将雅 57 芝1200m(良) 01:07.5 (34.1) -0.4 ファイングレイン
  • タイム欄のRはレコード勝ちを示す。

血統表

フサイチリシャール血統(血統表の出典)[§ 1]
父系ヴァイスリージェント系
[§ 2]

*クロフネ
1998 芦毛
父の父
*フレンチデピュティ
French Deputy
1992 栗毛
Deputy Minister Vice Regent
Mint Copy
Mitterand Hold Your Peace
Laredo Lass
父の母
*ブルーアヴェニュー
Blue Avenue
1990 芦毛
Classic Go Go Pago Pago
Classic Perfection
Eliza Blue Icecapade
*コレラ

フサイチエアデール
1996 黒鹿毛
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
母の母
*ラスティックベル
Rustic Belle
1990 黒鹿毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Ragtime Girl Francis S.
Swinging Doll
母系(F-No.) 20号族(FN:20-a) [§ 3]
5代内の近親交配 Raise a Native4×5=9.38%(母内) [§ 4]
出典
  1. JBISサーチ フサイチリシャール 5代血統表2017年9月12日閲覧。
  2. netkeiba.com フサイチリシャール 5代血統表2017年9月12日閲覧。
  3. JBISサーチ フサイチリシャール 5代血統表2017年9月12日閲覧。
  4. JBISサーチ フサイチリシャール 5代血統表2017年9月12日閲覧。

脚注

  1. フサイチリシャール”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年6月27日閲覧。
  2. フサイチリシャール、故障で引退へ | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2022年4月14日閲覧。
  3. フサイチリシャール引退、種牡馬に(2日)”. 競馬ブック. 2022年4月14日閲覧。
  4. フサイチリシャール、ホウオーがアローSで種牡馬入り”. 競馬ブック. 2022年4月14日閲覧。
  5. 2014年供用停止種雄馬一覧 (PDF) ジャパン・スタッドブック・インターナショナル 2015年2月23日
  6. 引退名馬 フサイチリシャール”. 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2022年4月14日閲覧。
  7. 一時助成外になり、2016年1月から再助成となっているhttps://www.meiba.jp/news/view/2260 助成外となった理由ははっきりしないが、2015年北海道秋季馬術大会に出場した記録がある。https://web.archive.org/web/20160414155136/http://doubaren.com/data/2015/29th_autumn_kiroku-201510.pdf
  8. 引退名馬 思い出の名馬たち”. 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2022‐04‐14閲覧。
  9. https://twitter.com/hashimotobokujo/status/831996463190142976”. Twitter. 2022年4月14日閲覧。
  10. 馬・牧場・施設検索 フサイチリシャール - 競走馬のふるさと案内所、2022/1/30閲覧。
  11. 馬の紹介 - 苅谷乗馬クラブ”. www.mcat.ne.jp. 2022年4月14日閲覧。
  12. 馬の紹介 苅谷乗馬クラブ(※2019年6月時点のウェブアーカイブ)”. 苅谷乗馬クラブ. 2022‐04‐14閲覧。
  13. 【中山大障害】ニホンピロバロンがJ・GI初制覇! アップトゥデイトは落馬で競走中止/JRAレース結果netkeiba.com、2018年12月22日閲覧
  14. ニホンピロバロン”. JBISサーチ. 2018年3月9日閲覧。
  15. リッカルド”. JBISサーチ. 2018年4月18日閲覧。
  16. サンエイリシャール”. JBISサーチ. 2018年3月9日閲覧。
  17. ホワイトウィングス”. JBISサーチ. 2018年3月9日閲覧。

外部リンク

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