ツリバナ

日本・南千島・朝鮮半島・中国の暖帯から温帯にかけてアジア北東部に自生し[6]、日本では北海道、本州、四国、九州に分布する[5]。丘陵や山地に自生し[5]、人の手によって植栽もされ、庭や盆栽などに見られる[5]。

落葉広葉樹の低木ないし小高木で[6]、樹高は1 - 4メートル (m) ほどある[4]。樹皮は滑らかで、ふつう灰色だが茶色味を帯びたり、白っぽい斑が入ることもある[5][4]。一年枝は稜や皮目はなく、緑色や紫褐色をしている[4]。全体に無毛である[6]。葉は長さ3 - 10センチメートル (cm) の長楕円形で、葉縁には鋸歯がある[5][6]。

開花時期は初夏（5月 - 6月頃）で[6]、葉腋から長さ4 - 15 cmの花柄がある集散花序を出して[6]、紫がかった緑色の花が長い花柄の先にぶら下がって咲く[5]。小花の径は7 - 8ミリメートル (mm) 、萼片と花弁と雄蕊が5個ずつつく[6]。

果実は赤く、熟すと5裂して、種子を吊り下げる[5]。果実には翼がない[6]。

冬芽は枝に対生し、細長い被針形で先端が鋭く尖り、芽鱗6 - 10枚に覆われる[4]。色は枝とほぼ同色で、頂芽は側芽よりも大きい[4]。冬芽のつけ根にある葉痕は半円形で、維管束痕は1個つく[4]。

果実が美しく庭木や盆栽にされる[5]。

• 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽：四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、211頁。ISBN 978-4-416-61438-9。
• 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、134頁。ISBN 4-522-21557-6。
• 邑田仁、米倉浩司 編『APG原色牧野植物大図鑑II』（初版）北隆館、2013年3月25日、64頁。ISBN 978-4-8326-0974-7。

• ニシキギ
• マユミ