ダラス・カイケル

ダラス・カイケルDallas Keuchel,[注釈 1] 1988年1月1日 - )は、アメリカ合衆国オクラホマ州タルサ出身のプロ野球選手投手)。左投左打。MLBミネソタ・ツインズ傘下所属。愛称はキッド・カイキーKid Keuchy[2]

ダラス・カイケル
Dallas Keuchel
ミネソタ・ツインズ(マイナー)
ヒューストン・アストロズ時代
(2015年8月25日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 オクラホマ州タルサ
生年月日 (1988-01-01) 1988年1月1日(35歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
205 lb =約93 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2009年 MLBドラフト7巡目
初出場 2012年6月17日
年俸 $18,500,000(2022年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴

プロ入りとアストロズ時代

2009年MLBドラフト7巡目(全体221位)でヒューストン・アストロズから指名され、プロ入り。

2012年6月17日のテキサス・レンジャーズ戦でメジャーデビューを果たした[3]。二度目の登板となった6月23日のクリーブランド・インディアンスでは1失点完投でメジャー初勝利を挙げた[4]。しかし、7月以降は打ち込まれる試合が増え、与四球が奪三振を上回った。

2014年は29試合全てに先発登板して12勝9敗、防御率2.93の成績を残した。また、自身初となるゴールドグラブ賞を受賞した。

2015年は33試合に登板し、アメリカンリーグ最多の232.0イニングに投げ、リーグトップタイの2完封勝利を含む20勝を挙げて最多勝のタイトルを獲得。WHIP1.02もリーグトップであり、ほか216奪三振はリーグ5位だった。チームにとって10年振りとなったポストシーズンでは、10月6日のニューヨーク・ヤンキースとのワイルドカードゲームで自身初出場・初先発し、6回無失点、3安打、1四球の好投で勝利投手となり、ディビジョンシリーズ進出に貢献した。シーズンオフ、30票中22票の1位票を獲得し、2位のデビッド・プライスに40ポイント以上の差をつけてアリーグのサイ・ヤング賞投手に選出された[5][6]

2016年は先発ローテーションで26試合に登板したが、9勝12敗、防御率4.55を記録し、3年連続でゴールドグラブ賞を受賞した。

2017年は開幕9連勝を記録する一方、首の故障で2度の故障者リスト入りを経験した[7]。23試合の登板に終わり規定投球回には達しなかったが、2年ぶりの2桁勝利となる14勝を挙げ、防御率も2.90だった。ポストシーズン全体で2勝2敗、防御率3.58の成績を残し、球団史上初のワールドシリーズ制覇に貢献した。

2018年は34試合に先発登板して12勝11敗、防御率3.74、153奪三振を記録した。オフに2年ぶりに自身4度目となるゴールドグラブ賞を受賞した。単年1790万ドルのクオリファイング・オファー(QO)を拒否し、10月29日にFAとなった[8]

ブレーブス時代

2019年シーズン開幕前での契約合意には至らず[9]MLBドラフト終了後の6月7日にアトランタ・ブレーブスと単年1300万ドルで合意したことが発表された[10]。背番号はアストロズ時代と同じ「60」で、6月21日にメジャー昇格した。最終成績は19先発で8勝8敗、防御率3.75だった。ポストシーズンのNLDSで2先発したが勝敗はつかなかった。同年オフの10月31日にFAとなった[11]

ホワイトソックス時代

2019年12月30日にシカゴ・ホワイトソックスと3年総額5500万ドルで契約を結んだことが発表された[12]。背番号はメジャー昇格以降身につけている「60」で、オプションとして2023年シーズンは球団側が選択権を所持し、バイアウトの際は150万ドル支払われる。

2022年は開幕から不振で、5月28日にDFAとなり[13]、30日に自由契約となった[14]

ダイヤモンドバックス時代

2022年6月7日にアリゾナ・ダイヤモンドバックスとマイナー契約を結び、傘下のAAA級リノ・エーシズへ送られた[15]。26日にメジャー契約を結びアクティブ・ロースター入りした[16]。7月22日にDFAとなり、そのまま自由契約となった[17]

レンジャーズ時代

2022年7月25日にテキサス・レンジャーズとマイナー契約を結んだ[18]。8月27日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[19]。9月4日にDFAとなり[20]、5日に自由契約となった[21]

ツインズ傘下時代

2023年6月22日にミネソタ・ツインズとマイナー契約を結んだ[22]

投球スタイル

Brooksbaseball.net版投球データ[23][25]

球種投球割合平均球速
mph (kph)
水平変化
in (cm)
垂直変化
in (cm)
空振り率
シンカー52 %89 (144)7 (17)6 (14)6 %
スライダー20 %79 (128)-6 (-15)-1 (2)19 %
カットボール12 %87 (140)-1 (-3)5 (11)9 %
チェンジアップ11 %79 (128)8 (19)5 (14)23 %
フォーシーム4 %90 (145)1 (3)9 (22)7 %

元々技巧派で、球威はあまりなく、速球ツーシームフォーシーム)は最速93.9mph[26](約151.1km/h)程度。その他には、平均142km/hのカットボール、平均127km/hのスライダー、平均127km/hのチェンジアップを投げる[27]

2013年のスプリングトレーニングで、ツーシームを習得すると、技巧派としての幅を広げた。しかし、2014年には習得して1年のツーシームと、それまで多投していたカーブを封印。ツーシーム、フォーシーム、スライダーを主体に、カットボール、チェンジアップも投げる速球派にモデルチェンジした。また、技巧派時代は、平均球速115km/hと極端に遅かったチェンジアップの球速・精度を上げ、ゴロを打たせて取る現在の投球スタイルを確立した。投手ゴロによる補殺は、2014年に47個、2015年に53個と2年連続で両リーグ1位を記録した。

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2012 HOU 16161003800.27337785.193143911382056505.271.55
2013 312200061002.375682153.21842052351237096885.151.54
2014 292951312900.571808200.01871148271467071652.931.18
2015 333332120800.714911232.01851751022169068642.481.02
2016 262611091200.429701168.01682048121449088854.551.29
2017 232310014500.737584145.21161547021251050472.901.12
2018 3434100121100.522874204.22111858021539092853.741.31
2019 ATL 19190008800.500487112.2115163919916050473.751.37
2020 CWS 11110006200.75025763.15221700420015141.991.09
2021 32300009900.500720162.01892559179550105955.281.53
2022 880002500.28616432.04962020203033287.882.16
ARI 440000200.0008918.2274700180022209.641.82
TEX 220000200.0005010.0181400700141412.602.20
'22計 14140002900.18230360.294113120453069629.202.06
MLB:11年 26825712441019102.52667041588.01594169489113712185807607023.981.31
  • 2022年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績



投手(P)












2012 HOU 1681922.931
2013 31724031.000
2014 29184713.985
2015 33185311.986
2016 26527021.000
2017 2373453.891
2018 341427011.000
2019 ATL 19323041.000
2020 CWS 1126001.000
2021 3274113.980
2022 823011.000
ARI 414001.000
TEX 231011.000
'22計 1468021.000
MLB 268953091024.976
  • 2022年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高
  • 各年度の太字年ゴールドグラブ賞受賞

タイトル

表彰

記録

背番号

  • 60(2012年 - 2022年)

脚注

注釈

  1. 英語発音: [ˈdæləs ˈkaɪkəl], 英語発音: /KY-kull/, ドイツ語発音: [ˈkɔʏçəl]

出典

  1. Dallas Keuchel Contract Details, Salaries, & Earnings (英語). Spotrac. 2019年12月31日閲覧。
  2. Astros Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月2日閲覧
  3. Astros call on Keuchel to debut on Sunday astros.com
  4. Cleveland Indians vs. Houston Astros - Recap - June 23, 2012 ESPN
  5. Brian McTaggart. “[http://m.mlb.com/news/article/157609396/dallas-keuchel-wins-al-cy-young-award Keuchel named AL Cy Young Award winner Lefty is third Astros pitcher to take home honor, and first since move to AL]”. MLB.com. 2015年11月25日閲覧。
  6. 2015 Awards Voting - AL Cy Young Voting - Baseball-Reference.com (英語) . 2015年11月25日閲覧。
  7. アストロズ痛手 エースのカイケルが再DL 復帰時期未定 スポニチ (2017年6月9日) 2017年10月7日閲覧
  8. Chandler Rome (2018年10月30日). Six Astros officially become free agents (英語). The Houston Chronicle. 2019年2月15日閲覧。
  9. QOを拒否したFA選手とMLBドラフト開催日(6月上旬)までに契約した場合、チームはドラフト指名権などを喪失する規定となっており、これを嫌って各球団が契約を避けたり、6月まで待つケースがある。詳細はクオリファイング・オファーの項を参照 - BASEBALL KING (2019年6月3日). “おかしな二人【ボクたちにはMLBが必要なんだ】”. https://baseballking.jp/ns/column/190569 2019年9月30日閲覧。
  10. Braves, Keuchel finalize 1-year deal (英語). MLB.com. 2019年6月8日閲覧。
  11. Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). Here are every team's free agents this winter (English). MLB.com. 2019年12月2日閲覧。
  12. Keuchel, White Sox finalize 3-year deal (英語). MLB.com. 2019年12月31日閲覧。
  13. Dallas Keuchel designated by White Sox”. www.mlb.com. 2022年5月28日閲覧。
  14. Press release: White Sox make four roster moves”. www.mlb.com. 2022年5月31日閲覧。
  15. Krajewski, Jim. Former Cy Young winner Dallas Keuchel headed to Reno Aces (英語). Reno Gazette Journal. 2022年6月7日閲覧。
  16. Diamondbacks To Select Dallas Keuchel (英語). MLB Trade Rumors. 2022年6月27日閲覧。
  17. D-backs DFA Keuchel after four starts (英語). MLB.com. 2022年7月26日閲覧。
  18. Rangers sign Dallas Keuchel, 2015 Cy Young Award winner, to minor-league contract (英語). CBSSports.com. 2022年7月26日閲覧。
  19. Rangers select contract of LHP Dallas Keuchel from Round Rock (英語). MLB.com. 2022年8月28日閲覧。
  20. Rangers Designate Dallas Keuchel For Assignment (英語). MLB Trade Rumors. 2022年9月4日閲覧。
  21. Rangers Release Dallas Keuchel (英語). MLB Trade Rumors. 2022年9月6日閲覧。
  22. Do-Hyoung Park (2023年6月23日). Twins bolster rotation depth with former Cy Young winner Keuchel”. MLB.com. 2023年6月24日閲覧。
  23. 小数点以下四捨五入
  24. Player Card: Clayton Kershaw (英語). BrooksBaseball.net (2017年12月30日). 2017年12月30日閲覧。
  25. 投球データは2017年シーズンに基づく。[24]
  26. 2015年 ホワイトソックス戦で計測
  27. Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Player Card: Dallas Keuchel、2017年4月12日閲覧。

関連項目

外部リンク

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