スライマン=トー
スライマン=トーないしスレイマン=トー(キルギス語: Сулайман-Тоо)は、キルギス第二の都市オシ近郊にある山である。山の名前は「スライマーンの山」の意味で、預言者のスライマーン(ソロモン)が逗留したとされる伝説に従って18世紀に名づけられたものである[1]。
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オシュの町から見たスライマン=トー | |||
英名 | Sulaiman-Too Sacred Mountain | ||
仏名 | Montagne sacrée de Sulaiman-Too | ||
面積 | 112 ha (緩衝地域 4,788 ha) | ||
登録区分 | 文化遺産 | ||
登録基準 | (3), (6) | ||
登録年 | 2009年 | ||
公式サイト | 世界遺産センター(英語) | ||
使用方法・表示 |
概要
かつては、イスラーム伝播以前からの伝統的な信仰にとっても、ムスリムにとっても重要な巡礼地となっていた。この山はいまなお地元のムスリムたちの崇拝の対象となっており、モスクのある最高峰への階段が設置されている。そのモスクは1510年に建設されたもので、20世紀に大規模な修復をほどこされたものである。
この山の信仰の歴史は古く、新石器時代に遡る線刻画などが刻まれた礼拝所なども残っている[1]。
岩山はフェルガナ渓谷の平原から出し抜けに屹立しており、優れた景観とともに、地元民にとっても旅人にとっても人気の場所となっている。スライマーンは『クルアーン』における預言者の一人で、山には彼の墓とされてきた社もある。伝説によれば、頂上にあるその社に登り、聖なる岩を横切っている広場で腹ばいになると、健康な子供を授かるとされている。山の木々や茂みには無数の小さな布切れが結び付けられている。それらは訪れた人々が願掛けで結んでいったものである。
山にはソビエト連邦時代に作られた博物館もあり、出土した考古資料や歴史についての展示をしている。山腹のふもと近くは共同墓地になっている。
世界遺産
スライマン=トーは、中央アジアにおいて崇拝の対象になってきた霊峰の優れた例証として、2001年1月29日に世界遺産暫定リストに登載され、2009年の世界遺産委員会で世界遺産リストに登録された。文化遺産としてのカテゴリーは「サイト」で、文化的景観とも位置付けられている[3]。
脚注
- ICOMOS [2009] p.19
- ICOMOS [2009] p.18
- 日本ユネスコ協会連盟『世界遺産年報2010』東京書籍、2010年
- 世界遺産アカデミー『世界遺産検定公式ガイド300』毎日コミュニケーションズ、2010年
- 『世界遺産完全ガイドブック』(谷治正孝ほか監修『なるほど知図帳 世界2010』昭文社・別冊付録)
- Yahoo!トラベル 世界遺産ガイド
参考文献
- ICOMOS [2009], Sulaiman-Too (Kyrgyzstan)(ICOMOSの評価書)