スティルインラブ

2002年11月30日、阪神競馬場第3競走の牝馬限定新馬戦に出走[6]。2着のキタノスザクに3馬身1/2差をつけて勝利する[6]。この新馬戦には、後に天皇賞・秋を制したヘヴンリーロマンスも出走していた[6]。

翌2003年の初戦、紅梅ステークスでシーイズトウショウなどの実績馬を下して2勝目を挙げ、一躍クラシック候補に[7]。しかし、次走桜花賞トライアルのチューリップ賞では直線行き場を失い、残り100mで追い上げるが2着[8]。

第63回桜花賞（写真中央左の黄色帽がスティルインラブ）

そして迎えた桜花賞では、自身と同じサンデーサイレンス産駒にして、1997年度のJRA賞年度代表馬に選出されたエアグルーヴを母に持つ超良血馬・アドマイヤグルーヴと並ぶ単勝オッズ3.5倍になったが、支持率の差で2番人気に[9]。鞍上の幸英明はチューリップ賞の失敗を踏まえ直線馬群を割って抜け出し、2着のシーイズトウショウに1馬身1/4差をつけて勝利する[9]。続く優駿牝馬（オークス）でもアドマイヤグルーヴに次ぐ2番人気になるが、2着のクイーンカップ優勝馬チューニーに1馬身1/4差をつけ優勝[10]。桜花賞・優駿牝馬を制しての二冠達成は1993年のベガ以来10年ぶりだった。

秋初戦、ローズステークスでアドマイヤグルーヴの5着と大敗し、本番の秋華賞では3度アドマイヤグルーヴの2番人気となる[11]。しかしここでもアドマイヤグルーヴの猛追を振り切り、メジロラモーヌ以来の牝馬三冠を達成した[11]。続くエリザベス女王杯では宿敵アドマイヤグルーヴにハナ差で敗れるも、同年のJRA賞では最優秀3歳牝馬を受賞[12]。

4歳は金鯱賞から始動。直線伸びず8着に敗れる[13]。続く宝塚記念は出走馬中唯一の牝馬として出走するも8着に[14][15]、北九州記念では負担斤量が響いたか12着に[16]、1番人気で臨んだ府中牝馬ステークスでは前を交わせず3着に[17][18]、復活の期待されたエリザベス女王杯も勝ち馬と同位置にいながら伸びず9着に敗れた[19][20]。

5歳になっても現役を続け、前年と同様に金鯱賞を走り6着[21]。続く宝塚記念では同じ牝馬で1つ年下のスイープトウショウの9着に敗れた[22]。なお、ライバルのアドマイヤグルーヴはクビ差の8着であった[22]。その後、府中牝馬ステークスでは出遅れて最下位17着[23]。エリザベス女王杯を前に引退が決まり、2006年1月7日に京都競馬場で引退式が行われた[24]。

結局、三冠を達成した秋華賞以降、スティルインラブが勝利を挙げることはなかった[21]。