クリスチャン・プリシッチ

クリスチャン・メイト・プリシッチ(Christian Mate Pulisic; [ˈmɑːt pəˈlɪsɪk, ˈpʊlɪʃɪ][2]クロアチア語: Pulišić; 発音: [krǐstijan mǎːte pǔliʃitɕ]1998年9月18日 - )は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州ハーシー出身のサッカー選手プレミアリーグチェルシーFC所属。アメリカ代表。ポジションはFWMF

クリスチャン・プリシッチ
アメリカ代表でのプリシッチ(2019年)
名前
本名 クリスチャン・メイト・プリシッチ
Christian Mate Pulisic
ラテン文字 Christian Pulisic
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
クロアチアの旗 クロアチア
生年月日 (1998-09-18) 1998年9月18日(24歳)
出身地 ペンシルベニア州ハーシー
身長 178cm[1]
体重 73kg
選手情報
在籍チーム イングランドの旗 チェルシーFC
ポジション FW (WG) / MF (AMF)
背番号 10
利き足 右足
ユース
2005-2006 イングランドの旗 ブラックリー・タウン
2006-2007 アメリカ合衆国の旗 Michigan Rush
2008-2015 アメリカ合衆国の旗 PA Classics
2015-2016 ドイツの旗 ボルシア・ドルトムント
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2016-2019 ドイツの旗 ボルシア・ドルトムント 81 (10)
2019- イングランドの旗 チェルシー 111 (21)
2019 ドイツの旗 ボルシア・ドルトムント (loan) 9 (3)
代表歴2
2012-2013  アメリカ合衆国 U-15 10 (2)
2013-2015  アメリカ合衆国 U-17 34 (20)
2016- アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 60 (25)
1. 国内リーグ戦に限る。2023年6月1日現在。
2. 2023年6月19日現在。
■テンプレート(■ノート ■解説)■サッカー選手pj

クラブ経歴

アメリカ時代

祖父がクロアチア出身、1990年代のインドアサッカーのプロ選手であった父のもとにアメリカ合衆国のペンシルバニアで生まれた。そのため、クロアチア国籍も取得している。7歳の時に1年間イングランドで生活し、ブラックリー・タウンFCのユースチームでプレーした。ドイツのボルシア・ドルトムントは早速獲得を打診し、2015年2月、父親とともにドイツへ渡りU-17ボルシア・ドルトムントと契約した。

ドルトムント

それからわずか半年後の7月には16歳ながらU-19に昇格し[3]、さらに半年が経過した2016年1月、トーマス・トゥヘル監督によりドバイ合宿に招集された[4]。2016年1月30日に行われたブンデスリーガ第19節のFCインゴルシュタット04戦で、アドリアン・ラモスとの交代で17歳133日でブンデスリーガデビューを果たした[5]トーマス・トゥヘルの下でブレイクし、一躍ドルトムントの中心選手に躍り出た。

2018-19シーズンにリュシアン・ファーヴルが監督に就任すると、怪我の影響もあって出番が減り、リーグ戦20試合の出場に留まった。

チェルシー

2019年1月2日、チェルシーボルシア・ドルトムントとプリシッチの完全移籍で合意したと発表した[6]。シーズン終了までドルトムントにレンタル移籍の形で残留し、2019-20シーズンからチェルシーに合流することになった[6]

プレシーズンでは背番号24番を着用していたが、2019年8月3日に背番号は22番になることが発表された。ウィリアンが2018-19シーズンまでつけていた番号を引き継いだ。その夏にチェルシーはエースのエデン・アザールを放出していたため、ポストアザール、NEXT HAZARDとして期待されていた。しかしベンチスタートが長く続くなど出場機会に恵まれず、10月には加入早々ながら冬に移籍するという話題が浮上した[7]。チェルシーデビューは黒星に終わったマンチェスター・ユナイテッド戦。この時は途中出場にとどまったが、数日後のUEFAスーパーカップリヴァプール戦でスタメンデビュー。オリヴィエ・ジルーの先制点をアシストした。しかしチームは敗れた。2019年10月26日、バーンリー戦で移籍後初ゴールを決めると、その後2ゴールを決め、同試合でクラブ史上最年少となる21歳38日でのハットトリックを達成した[8]ワトフォードクリスタルパレス戦勝利に貢献すると、アヤックス相手にもそのポテンシャルを遺憾なく発揮し4-4の引き分けへと持ち込んだ。FAカップ決勝のアーセナル戦ではジルーのポストプレーから先制ゴールを決めたが、負傷交代を強いられ、チームも1-2と敗れた[9]

2020-21シーズンより、ウィリアンが着用していた背番号10番を着用することが発表された[10]ジョー・コールフアン・マタエデン・アザールが着用していた番号である。その後、クラスノダール戦では今季初ゴールも決めたが、バーンリーでのウォーミングアップ中ハムストリングに違和感感じて、先発メンバーから外れた。さらに1ヶ月間の離脱を余儀なくされた。復帰2戦目のリーズ戦では、終盤に試合を決定づけるゴールを決めた。3月のチャンピオンズリーグアトレティコ・マドリード戦では、マルコス・アロンソのバーンリー戦でのゴール、エメルソンのゴールなど、トゥヘル監督就任後2つ目のゴールを生み出した。4月には、ウェストブロムウィッチアルビオンとクリスタルパレスの2試合でリーグ戦3ゴールを挙げた。2021年4月14日に行われたポルト戦でマンオブザマッチに選ばれた。2021年4月28日に行われたチャンピオンズリーグ準決勝1stレアルマドリード戦でゴールを決めた。2021年5月30日のUEFAチャンピオンズリーグ決勝にも途中出場しアメリカ人選手としては初のチャンピオンズリーグ決勝戦出場、初優勝を経験した[11]

2021-22シーズン途中にフランク・ランパードが解任され、ドルトムントで共闘したトーマス・トゥヘルと再会するが、スタメン起用を示唆されながら試合直前にカイ・ハフェルツが代わって先発出場したことに絶望するなど良好な関係を築けていたわけではなかった[12]。開幕戦のクリスタルパレス戦でゴールを決めた。11月に行われたレスターとの対戦では、ハキム・ツィエクのクロスに反応し、3-0の勝利を収めた。チャンピオンズリーグ、リール戦でホーム&アウェーの両方でゴールを決めた。2022年2月のカラバオカップ決勝、リヴァプール戦でチェルシー通算100試合出場した。

2022-23シーズンはトゥヘルが9月に解任されグレアム・ポッターが新監督に就任するまで公式戦187分の出場に留まり控えとなった。10月8日に行われたウォルバーハンプトンワンダラーズ戦でシーズン初得点を記録した。

代表経歴

2013年に14歳でU-15アメリカ合衆国代表デビューを果たすと、そのわずか2カ月半後にはU-17同代表に飛び級で招集された。2016年3月28日のワールドカップ予選グアテマラ戦でA代表デビュー。同年5月28日のボリビアとの親善試合で代表初得点を挙げた。

2022年11月9日、ワールドカップカタール大会に挑むメンバーの1人に選出された[13][14]。本大会の1次リーグ初戦のウェールズ戦ではティモシー・ウェアの先制点をアシストしたが、試合は1-1の引き分けに終わった[15]。続くイングランド戦も引き分けたことで、グループステージ突破には勝利が必要な状況で迎えた最終節イラン戦。ウェストン・マッケニーのロブパスを受けたセルジーニョ・デストが頭で折り返したボールを体ごと押し込んでゴールを決めた。このゴールが決勝点となり、アメリカは2大会ぶりのグループステージ突破を果たした[16]

個人成績

クラブ シーズン リーグ リーグ戦 カップ戦 リーグ杯 国際大会 その他 合計
出場得点出場得点出場得点出場得点出場得点出場得点
ドルトムント 2015–16 ブンデスリーガ 9200-3000 12 2
2016–17 29341-10100 43 5
2017-18 32410-8011 42 5
2018-19 20432-7100 30 7
通算901383-28211 127 19
チェルシー 2019-20 プレミアリーグ 25921204110 34 11
2020-21 274600010200 43 6
2021-22
通算5213812014310 77 17
総通算 142261642042521 204 36

代表歴

出場大会

試合数

  • 国際Aマッチ 55試合 22得点(2016年- )
アメリカ代表国際Aマッチ
出場得点
2016113
201796
201830
2019115
202183
2022135
通算 5522

ゴール

#開催日開催地対戦国スコア結果試合概要
1.2016年5月29日アメリカ合衆国の旗 カンザスシティチルドレンズ・マーシー・パークボリビアの旗 ボリビア4040親善試合
2.2016年9月2日セントビンセント・グレナディーンの旗 キングスタウンアーノス・ベイル・スタジアムセントビンセント・グレナディーンの旗 セントビンセント・グレナディーン04062018 FIFAワールドカップ・北中米カリブ海予選
3.06
4.2017年3月24日アメリカ合衆国の旗 サンノゼアバイア・スタジアムコスタリカの旗 コスタリカ4060
5.2017年6月3日アメリカ合衆国の旗 サンディリオ・ティント・スタジアムベネズエラの旗 ベネズエラ1111親善試合
6.2017年6月8日アメリカ合衆国の旗 デンバーディックス・スポーティング・グッズ・パークトリニダード・トバゴの旗 トリニダード・トバゴ10202018 FIFAワールドカップ・北中米カリブ海予選
7.20
8.2017年10月6日アメリカ合衆国の旗 オーランドオーランド・シティ・スタジアムパナマの旗 パナマ1040
9.2017年10月10日トリニダード・トバゴの旗 クーバアト・ボルドン・スタジアムトリニダード・トバゴの旗 トリニダード・トバゴ2121
10.2019年3月26日アメリカ合衆国の旗 ヒューストンPNCスタジアムチリの旗 チリ1011親善試合
11.2019年6月22日アメリカ合衆国の旗 クリーブランドファーストエナジー・スタジアムトリニダード・トバゴの旗 トリニダード・トバゴ40602019 CONCACAFゴールドカップ
12.2019年7月3日アメリカ合衆国の旗 ナッシュビルニッサン・スタジアムジャマイカの旗 ジャマイカ2031
13.31
14.2019年10月11日アメリカ合衆国の旗 ワシントンD.C.アウディ・フィールドキューバの旗 キューバ70702019 CONCACAFネーションズリーグ
15.2021年3月28日北アイルランドの旗 ベルファストウィンザー・パーク北アイルランドの旗 北アイルランド0212親善試合
16.2021年6月6日アメリカ合衆国の旗 デンバーエンパワー・フィールド・アット・マイル・ハイメキシコの旗 メキシコ32322019 CONCACAFネーションズリーグ
18.2022年2月2日アメリカ合衆国の旗 セントポールアリアンツ・フィールドホンジュラスの旗 ホンジュラス30302022 FIFAワールドカップ・北中米カリブ海3次予選
19.2022年3月27日アメリカ合衆国の旗 オーランドオーランド・シティ・スタジアムパナマの旗 パナマ1051
20.40
21.50
22.2022年11月29日カタールの旗 ドーハアル・トゥマーマ・スタジアムイランの旗 イラン01012022 FIFAワールドカップ・グループB

タイトル

クラブ

ドルトムント
チェルシー

代表

アメリカ合衆国代表

個人

脚注

  1. Christian Pulisic (英語). www.chelseafc.com. 2022年12月3日閲覧。
  2. Wahl, Grant. Masters of Modern Soccer: Christian Pulisic's craft (英語). Sports Illustrated. 2021年12月8日閲覧。
  3. Who is US international Christian Pulisic, and how did he make the Borussia Dortmund first team at 17 years old?”. MLSsoccer.com. 2016年1月26日閲覧。
  4. Der nächste Schritt für Passlack und Pulisic”. kicker online. 2016年1月26日閲覧。
  5. “American 17-year-old Christian Pulisic makes Bundesliga debut for Dortmund”. ESPN FC. (2016年1月30日). http://www.espnfc.us/borussia-dortmund/story/2797405/american-christian-pulisic-makes-bundesliga-debut-at-age-17 2016年1月30日閲覧。
  6. “プリシッチの完全移籍で合意”. チェルシーフットボールクラブ公式サイト. (2019年1月2日). https://www.chelseafc.com/ja/news/2019/1/2/pulisic-transfer-agreed?extcmp=SOCIA_TW_JAP 2019年1月2日閲覧。
  7. わずか半年で退団? チェルシーMFプリシッチ、77億円高額移籍も新天地で不満露わfootball zone 2019年10月7日
  8. チェルシーMFプリシッチ、同僚の“最年少ハットトリック記録”をわずか42日間で更新”. www.football-zone.net. 2021年3月7日閲覧。
  9. “チェルシーのクリスティアン・プリシッチとペドロが、先週末FAカップ決勝アーセナル戦後の自身の怪我の状態をSNS上で更新した。”. www.chelseafc.com. (2020年8月4日). https://www.chelseafc.com/ja/news/2020/08/04/christian-pulisic-and-pedro-injury-update
  10. チェルシーが新シーズンの背番号発表! プリシッチが10に変更、11はヴェルナーに”. サッカーキング (2020年9月10日). 2021年3月7日閲覧。
  11. チェルシー・プリシッチ、米国人初の欧州CL決勝戦出場「誇りに思う」”. 日刊スポーツ (2021年5月30日). 2021年5月31日閲覧。
  12. プリシッチ、約束破ったトゥヘル前監督への落胆を明かす「唖然とした」サッカーキング 2022年9月21日
  13. BERHALTER NAMES 26 PLAYER USMNT ROSTER FOR 2022 FIFA WORLD CUP (英語). US Soccer (2022年11月8日). 2022年11月12日閲覧。
  14. 平均年齢は25歳! アメリカ代表がW杯メンバー発表…プリシッチら26名を選出”. サッカーキング (2022年11月10日). 2022年11月12日閲覧。
  15. 白熱の一戦はドロー決着…プリシッチお膳立てからアメリカ先制もベイルの終盤PKでウェールズが追い付く”. サッカーキング. 2022年11月21日閲覧。
  16. プリシッチの決勝弾を守り切ったアメリカ、イランに競り勝ち2大会ぶり決勝トーナメントへ!”. Goal.com (2022年11月30日). 2022年11月30日閲覧。

関連項目

外部リンク

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