キルギスの大統領
キルギスの大統領（キルギスのだいとうりょう、キルギス語: Кыргыз Республикасынын Президенти, ロシア語: Президент Кыргызской Республики）は、キルギス共和国の元首たる大統領である。
 キルギス共和国大統領 Кыргыз Республикасынын Президенти（キルギス語） Президент Кыргызской Республики（ロシア語） | |
|---|---|
 大統領旗 | |
| 地位 | キルギス共和国元首 |
| 種類 | 大統領 |
| 呼称 | His/Her Excellency（閣下） |
| 官邸 | ホワイトハウス アラアルカ国家官邸 |
| 任命 | 直接選挙 |
| 任期 | 6年（再選禁止） |
| 初代就任 | アスカル・アカエフ |
| 創設 | 1990年10月27日 |
| ウェブサイト | キルギス共和国大統領府 |
概要
キルギスの大統領は独立当時からアスカル・アカエフが14年間あまり務めていたが、2005年3月24日、野党側の反政府運動が首都もに広がったため、アカエフ大統領が隣国カザフスタンに亡命し暫定政府が樹立され、アカエフ政権は崩壊した。その後、クルマンベク・バキエフが大統領となったが、そのバキエフも2010年キルギス騒乱により政権崩壊に追い込まれ、4月15日に亡命した。
2010年以前の旧憲法では大統領職について、「外交・内政の政策を決定し、キルギス国家を代表する」地位と規定し、1期につき5年間の任期で直接選挙で選出されるとしていた。大統領には、首相・最高裁長官・最高検検事長の任命権や外交決定権・法案提出権など、広範かつ強大な権限が与えられていた。こうした強大な権限を大統領に与えていた事が、アカエフ・バキエフ両政権の独裁化につながったという反省から、バキエフ政権を打倒した暫定政府によって制定された新憲法では、大統領は事実上の象徴的地位となり、大統領制から議院内閣制に政体を移行させた。
しかし、2021年にサディル・ジャパロフ政権が国民投票を実施し、大統領制に再び移行した[1]。
機能
アカエフ・バキエフ両政権及びジャパロフ政権では、大統領が国家元首と行政府の長を兼任している。大統領が欠員した場合はジョゴルク・ケネシ議長が大統領代行を務める。
選出条件として35歳以上及びキルギスに15年以上居住している者に限られる。ただし、大統領に就任している間は政党の活動を自粛しなければならない。任期は6年のみでは再選は不可。
大統領の一覧
キルギス・ソビエト社会主義共和国・キルギスタン共和国 | |||||||
| 代 | 大統領 | 所属政党 | 期 | 在任期間 | 備考 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | アスカル・アカエフ Аскар Акаевич Акаев |
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無所属 | 1 | 1990年10月27日 - 1991年8月31日 |
308日 | 独立 |
キルギスタン共和国・キルギス共和国 | |||||||
| 代 | 大統領 | 所属政党 | 期 | 在任期間 | 備考 | ||
| 1 | アスカル・アカエフ Аскар Акаевич Акаев |
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無所属 | - | 1991年8月31日 - 1991年10月29日 |
13年 + 205日 | |
| 1 | 1991年10月29日 - 1995年10月29日 |
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| 2 | 1995年10月29日 - 2000年10月29日 |
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| 3 | 2000年10月29日 - 2005年3月24日 |
任期満了前に辞任[注釈 1] | |||||
| - | イシェンバイ・カドイルベコフ Ишенбай Дүйшөнбиевич Кадырбеков |
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無所属 | 2005年3月24日 - 2005年3月25日 |
1日 | 大統領代行 （国民議会議長） | |
| - | クルマンベク・バキエフ Курманбек Сали уулу Бакиев |
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キルギスタン人民運動 | 2005年3月25日 - 2005年8月14日 |
142日 | 大統領代行 （首相） | |
| 2 | 4 | 2005年8月14日 - 2007年11月5日 |
4年 + 236日 | ||||
| 2 | アク・ジョル | 2007年11月5日 - 2009年7月23日 |
新党結成 | ||||
| 5 | 2009年7月23日 - 2010年4月7日 |
辞任[注釈 2] | |||||
| - | ローザ・オトゥンバエヴァ Роза Исаковна Отунбаева |
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キルギス社会民主党 | 2010年4月7日 - 2010年5月19日 |
1年 + 238日 | 臨時政府[注釈 3] | |
| 2010年5月19日 - 2010年7月3日 |
暫定大統領 | ||||||
| 3 | 6 | 2010年7月3日 - 2011年12月1日 |
議院内閣制を導入 | ||||
| 4 | アルマズベク・アタンバエフ Алмазбек Шаршенович Атамбаев |
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キルギス社会民主党 | 7 | 2011年12月1日 - 2017年11月24日[2] |
5年 + 358日 | |
| 5 | ソーロンバイ・ジェーンベコフ Сооронбай Жээнбеков |
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キルギス社会民主党 | 8 | 2017年11月24日 - 2020年10月16日 |
2年 + 327日 | 任期満了前に辞任 |
| - | サディル・ジャパロフ Садыр Нургожоевич Жапаров |
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アタ・ジュルト党 | 2020年10月16日 - 2020年11月14日 |
29日 | 大統領代行 （首相） | |
| - | タラント・マミトフ Талант Турдумамат уулу Мамытов |
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キルギスタン | 2020年11月14日 - 2021年1月28日 |
75日 | 大統領代行 （国民議会議長） | |
| 6 | サディル・ジャパロフ Жапаров Садыр Нургожо уулу |
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メケンチル | 9 | 2021年1月28日 - （現職） |
2年 + 35日 | |
脚注
注釈
- チューリップ革命により国外逃亡し政権崩壊。翌月、亡命先のモスクワで辞任を正式発表した。
- 2010年キルギス騒乱により首都から逃亡し、政権崩壊。4月15日、辞任を表明して国外へ亡命。
- バキエフの首都脱出を受け、自らを首班とする臨時政府の樹立を宣言。
出典
- キルギスで国民投票、大統領制に移行へ
- 新憲法では大統領の任期は6年間で1期限りとなり、再選は禁じられた。
外部リンク
- キルギス共和国大統領府 （キルギス語）
