オランダグランプリ

オランダグランプリオランダGP, Dutch Grand Prix)は、1948年からオランダで断続的に開催されているF1レースのひとつである。

Dutch Grand Prix
ザントフォールト・サーキット
(2021-)
レース情報
周回 72
コース長 4.259 km (2.646 mi)
レース長 306.648 km (190.542 mi)
開催回数 36
初回 1948年
最多勝利
(ドライバー)
イギリスの旗 ジム・クラーク (4)
最多勝利
(コンストラクター)
イタリアの旗 フェラーリ (9)
最新開催(2022年):
ポールポジション オランダの旗 マックス・フェルスタッペン
レッドブル-RBPT
1:10.342
決勝順位 1. オランダの旗 マックス・フェルスタッペン
レッドブル-RBPT
1:36:42.773
2. イギリスの旗 ジョージ・ラッセル
メルセデス
4.071s
3. モナコの旗 シャルル・ルクレール
フェラーリ
+10.929s
ファステストラップ オランダの旗 マックス・フェルスタッペン
レッドブル-RBPT
1:13.652

概要

1952年から1985年にかけて、レースは全てザントフォールトで開催された。

騒音等の問題から1985年をもってF1の開催は行われなくなったが[1]2016年にオランダ人ドライバーとしてのF1初勝利を挙げたマックス・フェルスタッペンの活躍によりオランダグランプリ開催復活の機運が高まり、当初はMotoGPが開催されているTTサーキット・アッセンになる可能性が高いとされたが、2020年からのザントフォールトでの復活開催に向けてF1を経営するリバティメディアとの交渉が進み[2]、2020年より3年間の開催契約を結んだことが発表された[3]。復活初年度となる2020年は5月3日に開催される予定であったが、新型コロナウイルス世界的流行の影響で延期が発表され[4]、さらにマルク・ルッテ首相が9月1日までの国内イベントの全てを中止すると発表したため[5]、2020年度中の開催は困難な状況となり[6]、2020年の開催は中止され翌2021年に延期されることになった[7]

特筆すべきレース

  • 1961年 - 決勝に出走した15台[注 1]が途中1台もリタイアすることなく全車完走した。『出走全車完走』はF1史上初のことであり、20世紀では唯一である[注 2]。また、ピットストップが1回もなかった史上唯一のレースでもある。

過去の結果と開催サーキット

ザントフォールト (1948-1971)
ザントフォールト (1973-1979)
ザントフォールト (1980-1985)
決勝日 ラウンド サーキット 勝者 コンストラクター
(括弧内はノンワークスチーム)
結果
1948 8月07日-ザントフォールトタイ王国の旗 プリンス・ビラマセラティ詳細
1949 7月31日-ザントフォールトイタリアの旗 ルイジ・ヴィッロレージフェラーリ詳細
1950 7月23日非選手権ザントフォールトフランスの旗 ルイ・ロジェタルボ・ラーゴ詳細
1951 7月22日非選手権ザントフォールトフランスの旗 ルイ・ロジェタルボ・ラーゴ詳細
1952 8月17日7ザントフォールトイタリアの旗 アルベルト・アスカリフェラーリ詳細
1953 6月07日3ザントフォールトイタリアの旗 アルベルト・アスカリフェラーリ詳細
1954 開催されず
1955 6月19日5ザントフォールトアルゼンチンの旗 ファン・マヌエル・ファンジオメルセデス詳細
1956 開催されず
1957
1958 5月26日3ザントフォールトイギリスの旗 スターリング・モスヴァンウォール詳細
1959 5月31日3ザントフォールトスウェーデンの旗 ヨアキム・ボニエBRM詳細
1960 6月06日4ザントフォールトオーストラリアの旗 ジャック・ブラバムクーパー-クライマックス詳細
1961 5月22日2ザントフォールト西ドイツの旗 ヴォルフガング・フォン・トリップスフェラーリ詳細
1962 5月20日1ザントフォールトイギリスの旗 グラハム・ヒルBRM詳細
1963 6月23日3ザントフォールトイギリスの旗 ジム・クラークロータス-クライマックス詳細
1964 5月24日2ザントフォールトイギリスの旗 ジム・クラークロータス-クライマックス詳細
1965 7月18日6ザントフォールトイギリスの旗 ジム・クラークロータス-クライマックス詳細
1966 7月24日5ザントフォールトオーストラリアの旗 ジャック・ブラバムブラバム-レプコ詳細
1967 6月04日3ザントフォールトイギリスの旗 ジム・クラークロータス-フォード詳細
1968 6月23日5ザントフォールトイギリスの旗 ジャッキー・スチュワートマトラ-フォード
マトラ・インターナショナル
詳細
1969 6月22日4ザントフォールトイギリスの旗 ジャッキー・スチュワートマトラ-フォード
(マトラ・インターナショナル)
詳細
1970 6月21日5ザントフォールトオーストリアの旗 ヨッヘン・リントロータス-フォード詳細
1971 6月20日4ザントフォールトベルギーの旗 ジャッキー・イクスフェラーリ詳細
1972 開催されず
1973 7月29日10ザントフォールトイギリスの旗 ジャッキー・スチュワートティレル-フォード詳細
1974 6月23日8ザントフォールトオーストリアの旗 ニキ・ラウダフェラーリ詳細
1975 6月22日8ザントフォールトイギリスの旗 ジェームス・ハントヘスケス-フォード詳細
1976 8月29日12ザントフォールトイギリスの旗 ジェームス・ハントマクラーレン-フォード詳細
1977 8月28日13ザントフォールトオーストリアの旗 ニキ・ラウダフェラーリ詳細
1978 8月27日13ザントフォールトアメリカ合衆国の旗 マリオ・アンドレッティロータス-フォード詳細
1979 8月26日12ザントフォールトオーストラリアの旗 アラン・ジョーンズウィリアムズ-フォード詳細
1980 8月31日11ザントフォールトブラジルの旗 ネルソン・ピケブラバム-フォード詳細
1981 8月30日12ザントフォールトフランスの旗 アラン・プロストルノー詳細
1982 7月03日9ザントフォールトフランスの旗 ディディエ・ピローニフェラーリ詳細
1983 8月28日12ザントフォールトフランスの旗 ルネ・アルヌーフェラーリ詳細
1984 8月26日13ザントフォールトフランスの旗 アラン・プロストマクラーレン-TAG詳細
1985 8月25日11ザントフォールトオーストリアの旗 ニキ・ラウダマクラーレン-TAG詳細
1986
-
2019
開催されず
2020 新型コロナウイルス感染症の世界的流行により中止[7]
2021 9月05日13ザントフォールトオランダの旗 マックス・フェルスタッペンレッドブル-ホンダ詳細
2022 9月04日15ザントフォールトオランダの旗 マックス・フェルスタッペンレッドブル-RBPT詳細

優勝回数(ドライバー)

(2勝以上)

回数 ドライバー 優勝年
4 イギリスの旗 ジム・クラーク 1963, 1964, 1965, 1967
3 イギリスの旗 ジャッキー・スチュワート 1968, 1969, 1973
オーストリアの旗 ニキ・ラウダ 1974, 1977, 1985
2 フランスの旗 ルイ・ロジェ 1950, 1951
イタリアの旗 アルベルト・アスカリ 1952, 1953
オーストラリアの旗 ジャック・ブラバム 1960, 1966
イギリスの旗 ジェームズ・ハント 1975, 1976
フランスの旗 アラン・プロスト 1981, 1984
オランダの旗 マックス・フェルスタッペン 2021, 2022

優勝回数(コンストラクター)

(2勝以上)

回数 コンストラクター 優勝年
9 イタリアの旗 フェラーリ 1949, 1952, 1953, 1961, 1971, 1974, 1977, 1982, 1983
6 イギリスの旗 ロータス 1963, 1964, 1965, 1967, 1970, 1978
3 イギリスの旗 マクラーレン 1976, 1984, 1985
2 フランスの旗 タルボ・ラーゴ 1950, 1951
イギリスの旗 BRM 1959, 1962
フランスの旗 マトラ 1968, 1969
イギリスの旗 ブラバム 1966, 1980
オーストリアの旗 レッドブル 2021, 2022
  • 太字2022年のF1世界選手権に参戦中のコンストラクター。
  • ピンク地はF1世界選手権以外で開催された年。

優勝回数(エンジン)

(2勝以上)

回数 メーカー 優勝年
10 アメリカ合衆国の旗 フォード * 1967, 1968, 1969, 1970, 1973, 1975, 1976, 1978, 1979, 1980
9 イタリアの旗 フェラーリ 1949, 1952, 1953, 1961, 1971, 1974, 1977, 1982, 1983
4 イギリスの旗 クライマックス 1960, 1963, 1964, 1965
2 ルクセンブルクの旗 TAG ** 1984, 1985
フランスの旗 タルボ・ラーゴ 1950, 1951
イギリスの旗 BRM 1959, 1962

脚注

注釈

  1. 予選に出走した17台のうち、2台が決勝に出走できなかった。
  2. このレースの次に全車完走となったレースは2005年アメリカGPであったが、ミシュランタイヤ使用チームが出走を取りやめ、ブリヂストンタイヤを使用した6台による全車完走であるため、厳密には2005年イタリアGPとなる。
  3. 改良型のDFYを含む。

出典

  1. ザントフォールト・サーキットとは?”. Formula1-Data (2019年11月25日). 2019年12月30日閲覧。
  2. オランダGP来季復活へ……ザンドフールトでの開催が大筋で合意か?”. motorsport.com (2019年5月1日). 2019年5月2日閲覧。
  3. Formula 1 Dutch Grand Prix to return at Zandvoort from 2020 (英語). www.formula1.com. 2019年5月14日閲覧。
  4. F1、オランダ/スペイン/モナコの3レースの延期を発表。新型コロナウイルスの影響で序盤7戦を開催できず”. autosport web (2020年3月20日). 2020年4月25日閲覧。
  5. オランダ、9月1日までイベント禁止。MotoGPオランダは延期濃厚。F1も厳しい?”. motorsport.com (2020年4月22日). 2020年4月25日閲覧。
  6. オランダGPの2020年開催は困難な状況に”. ESPN F1 (2020年4月22日). 2020年4月25日閲覧。
  7. F1オランダGP、2020年の開催中止を正式に発表。無観客でのレース開催を回避へ”. autosport web (2020年5月28日). 2020年5月29日閲覧。
  8. 【技術革新の足跡】フォード・コスワースDFV――F1最多勝の汎用エンジン(1967年)”. GAZOO (2015年4月3日). 2019年12月30日閲覧。
  9. F1死亡事故一覧”. ESPN F1. 2019年12月30日閲覧。

関連項目

外部リンク

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