オアシス・オブ・ザ・シーズ
オアシス・オブ・ザ・シーズ(Oasis of the Seas)は、アメリカのロイヤル・カリビアン・インターナショナルが運航するクルーズ客船である。2009年10月に同社に納入され、同年12月1日に就航、2010年には初のオアシス級の姉妹船としてアルーア・オブ・ザ・シーズ[1]両船はフロリダ州フォートローダーデールのエバーグレーズ港からカリブ海の航路で運航されている。[2]2010年3月には乗船旅客数6,000人を超す記録を樹立した。[3]
オアシス・オブ・ザ・シーズ | |
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基本情報 | |
船種 | クルーズ客船 |
船籍 | バハマ |
運用者 | ロイヤル・カリビアン・インターナショナル |
母港 | ナッソー |
姉妹船 |
アルーア・オブ・ザ・シーズ ハーモニー・オブ・ザ・シーズ シンフォニー・オブ・ザ・シーズ ワンダー・オブ・ザ・シーズ |
信号符字 | C6XS7 |
IMO番号 | 9383936 |
MMSI番号 | 311020600 |
経歴 | |
起工 | 2007年11月12日 |
進水 | 2008年11月22日 |
竣工 | 2009年10月28日 |
就航 | 2009年12月1日 |
要目 | |
総トン数 | 225,282トン |
載貨重量 | 25,000トン |
排水量 | 約10万トン |
全長 | 361.0m |
幅 | 46.9m |
全幅 | 65m |
高さ | 72.0m |
喫水 | 9.1m |
機関方式 | ディーゼル・エレクトリック |
主機関 | ヴァルチーラ-ディーゼル×6基、 |
推進器 | アジポッド電動推進器×3基 |
出力 | 60MW(約81,500馬力) |
航海速力 | 20.2ノット |
旅客定員 | 5,400名(最大6,300名) |
乗組員 | 2,160名 |
また、オアシス・オブ・ザ・シーズは同社所有のフリーダム・オブ・ザ・シーズを抜き、当時世界最大のクルーズ客船となった。[4]しかし、同船より全長50mm長いアルーア・オブ・ザ・シーズに同記録は更新された。ただし、この長さの差は同一規格で設計された両船の測定時の鋼材の温度差によるものであると考えられている。[5]
概要
ロイヤル・カリビアン・インターナショナル社のフリーダム・オブ・ザ・シーズ級の拡大版とされ、総トン数においてフリーダム級を、サイズにおいてキュナード・ラインのクイーン・メリー2を抜き、世界最大のクルーズ客船となった。総客室数は2,706室で、そのうち2,210室はオーシャンビューとなっている。ちなみに、本船の全長361m、全幅47mは2014年に予定されているパナマ運河拡張工事完了後に通過可能な限界値、全長366m・全幅49mに非常に近い値ではあるが、通過は可能である。
船内施設
コンセプトの「近所付き合い」を基に造成された。
商業施設など
- ロイヤル・プロムナード
- 20世紀初頭のアメリカを再現。他船に比べ幅が二倍になり、上にあるセントラルパークから自然光を取り入れたため、より開放的な空間になった。周りには多数の店舗が並び深夜までオープンしている。イベントも時々行われる。
- セントラルパーク
- 船上公園。本物の草木が植えてあり散歩も楽しめる。遊歩道が左右にあり、真ん中にはロイヤル・プロムナードに日光を取り入れるための窓がある。屋根がないため雨が降ると傘をささなくてはいけない。
- ボードウォーク
- 回転木馬がある海岸沿いの遊歩道をイメージしたエリア。船の前方側にはセントラルパークやロイヤル・プロムナードがあり、後方のアクアシアターとも繋がっている。周りには子供やファミリー向けのショップが並ぶ。
エンターテインメント
スポーツ
- ロッククライミング壁面
- RCI最大の6フロア分に設けてあり壁面も2つある。
- ミニゴルフ場
- 無料でゴルフが楽しめる。
- メインプール
- 普通のプール。
- スポーツプール
- 水上バスケットボール、水上バレーボールなどが楽しめる。
- ビーチプール
- ビーチ風になっていて奥へ行くほど深くなる。手前にはデッキチェアも並んでいる。
- H2Oゾーン
- 子供用プール。カラフルな生物のモニュメントが並び、タコの中にはウォータースライダーもある。その他、水鉄砲や噴水などがあり水遊びが楽しめる。
- ソラリウム
- 18歳以上しか入ることのできない屋内プール。椰子の木やオウムのオブジェが並び、展望ジャグジーからは海面から45mの高さからの眺めが楽しめる。
- 船上サーフィン
- 「フローライダー」とも呼ばれる。オアシス・オブ・ザ・シーズでは2カ所にあり、それぞれがフリーダムクラスよりも大きくなっている。
- ジップライン
- 9層下のボードウォークの上を斜めに滑空するターザンロープ。全長25m。
- アイススケートリンク
- アイススケートリンク、コンサートスタジオ、テレビスタジオ、トレードショー会場など、あらゆる目的で使用することができる多目的ホール。通常、昼は一般の人がスケートを楽しむことができ、夜はスケートのショーが上演される。貸し靴などは無料。
- ジョギングトラック
- 普通の船では屋上階に設置されているが、オアシス・オブ・ザ・シーズでは5デッキの甲板に設置されている。大海原を眺めながら船を一周できる。
他船に無い施設
- アクアシアター
- セントラルパーク
- ボードウォーク(回転木馬)
レストラン
- メインダイニングルーム
- 1920年代をイメージした3層吹き抜けの開放的なダイニング、アールデコデザインで船内最大規模。日本語メニューが用意されているので簡単に注文することができる。朝食・昼食時は自由席で、夕食のみ指定席。時間は18:00スタートのメインシーティングと、20:30スタートのセカンドシーティングの2つの中から選ぶことができる。ドリンク以外全てクルーズ料金に含まれる。
デッキ5・6
デッキ8
デッキ12〜16
- コンシェルジュ・クラブ
- グランドスイート以上に宿泊している乗船客しか利用することのできない高級ラウンジ。夜は特別メニューがある。
- ソラリウム・ビストロ
- 朝食・昼食はヘルシーメニューのレストラン。
- サンバ・グリル
- アルーア・オブ・ザ・シーズのみ。夜はソラリウム・ビストロがシュラスコがメインのブラジル料理店になる。
- ワイプ・アウト・カフェ
- スポーツエリアにあるビュッフェ形式のカフェ。
- ウィンジャマー・カフェ
- 朝食・昼食時に人気の16デッキにあるレストラン。眺めが良く寄港地もよく見える。
- 日本食いずみ (IZUMI)
- 日本食(寿司バー)やアジアの料理を楽しめるレストラン。アラカルト料金。座席料$5。
バー
デッキ4〜6
- ジャズ・オン・フォー
- ジャズとブルースを楽しめるラウンジバー。
- ブレイズ
- ナイトクラブ。炎のドアと黒こげになった敷居がある。
- カラオケ
- 日中はスポーツバーとして楽しめ、夜にはカラオケになる。
- モンド・コーヒーバー
- スターバックスコーヒー
- アルーア・オブ・ザ・シーズのみ。日本にもある国際チェーン店のスターバックスコーヒーが船上初の店舗を出した。
- ボレロ
- ラテンバー。テキーラなども楽しめて人気。
- グローブ・アトラスパブ
- オアシス・オブ・ザ・シーズのみ。パフォーマンスの際はバーの上にある銅製の地球儀が半分に割れ舞台となる。
- ボー&スタームパブ
- アルーア・オブ・ザ・シーズのみ。カントリー音楽の生演奏もある。
- ライジング・タイド・バー
- 洋上初の動くバーとして注目を浴びている。セントラルパークとロイヤルプロムナードの間を往復していて、ロイヤルプロムナード側ではバーが上に上がると下から噴水が吹き上がる。運転はスタッフがしてくれる。
- シャンパン・バー
- 気軽に立ち寄れる上品なバー。シャンパン以外もある。
- スクーナー・バー
- 帆船をイメージしているピアノバー。
- ボードウォークバー
- ボードウォークにあるバー。アクアシアターのスクリーンを眺めながらサンドウィッチなどを食べられる。
- アイスクリームパーラー
- 1950年代風のパーラー。アラカルト料金。
デッキ8〜17
- トレリス・バー
- あずまや風バー。
- ダズルズ
- 2デッキが吹き抜けになっているダンスラウンジ。毎晩テーマに合わせた音楽が楽しめる。
- ワイプ・アウト・バー
- スポーツコートと船上サーフィンの近くにある立ち飲みバー。アイスクリーム機も人気。
- ソラリウムバー
- ソラリウムの上にあるバー。船の船首付近にあるので眺めが良い。
- スカイバー&マストバー
- プールエリアが見えるバー。
- バイキング・クラウン・ラウンジ
- 一番高い場所にあるバーでプールが見える。ピアノの生演奏がありダンスステージもある。
客室
スイート
- ロイヤルロフトスイート
- 141.5m2(客室)+78.3m2(バルコニー)。船内で一番高級な客室。デッキ18の端にあり、スポーツエリアなどが見渡せる眺めの良い場所にある。中には名前の通りロフトがあり2階建て構造になっている。またグランドピアノもある。
- ロイヤルスイート
- 118.4m2(客室)+31.1m2(バルコニー)。
- プレジデンシャルファミリースイート
- 106.1m2(客室)+44.2m2(バルコニー)。
- スカイロフトスイート
- 67.0(客室)m2+38.0m2(バルコニー)。眺めの良い18デッキの端に2室ある高級客室。ロイヤルロフトスイートよりは広くもなくグランドピアノもないが、普通の家ほどの設備を持っている。
- アクアシアタースイート
- 62.5m2〜76.4m2(客室)+56.6m2〜71.7m2(バルコニー)。船の最後尾のアクアシアターの左右にある客室。客室からは直接アクアシアターで行われているショーを観ることができ、中も広い。デッキ8〜10。
- オーナーズスイート
- 51.6m2(客室)+22.5m2(バルコニー)。
- ファミリースイート
- 53.8m2(客室)+22.1m2(バルコニー)。船の中央部にある広い面積を持つ客室。最大定員が8人で大家族でも1部屋で泊まれるように工夫されている。
- クラウンロフトスイート
- 50.6m2(客室)+10.5m2(バルコニー)。
- グランドスイート
- 34.4m2(客室)+9.7m2(バルコニー)。
- ジュニアスイート
- 26.6m2(客室)+7.4m2(バルコニー)。
内側バルコニー
- ファミリーバルコニー
- 25.1m2(客室)+7.6m2(バルコニー)。
- ボードウォークバルコニー
- 16.9m2(客室)+4.8m2(バルコニー)。客室のバルコニーからボードウォークの町並みや回転木馬を眺めることができる客室。
- セントラルパークバルコニー
- 16.9m2(客室)+4.8m2(バルコニー)。他のクラスの客船と違い、船の中にもセントラルパークの空間を設けたことから、内側でもバルコニーを設置し外が眺められるようになった。特にセントラルパークバルコニーは客室数が多く景色もいいことから注目されている。
- スーペリアバルコニー
- 16.9m2(客室)+4.6m2〜7.4m2(バルコニー)。
海側
- ファミリー海側
- 25.1m2。
- セントラルパークビュー
- 18.4m2。
- ボードウォークビュー
- 17.4m2。
- スタンダード海側
- 16.6m2。
内側
- ファミリー内側
- 24.1m2。
- プロムナード
- 18.0m2。内側客室でも窓がありロイヤルプロムナードを眺めることができる。ロイヤルプロムナードの町の一角にある家のようで人気が高い。
- スタンダード内側
- 13.8m2〜15.9m2。
船内イベント
- ボン・ボヤージュ・パーティー
- 出港時にプールサイドで開催。バンド演奏が楽しめる。
- キャプテンズ・シャンパン・レセプション
- クルーズ2日目の晩にロイヤル・プロムナードで開催。フォーマルの服装でキャプテン(船長)主催のカクテルパーティーがある。
- ビンゴ
- 時間・場所は船内新聞に記載。カードはシーパスカードで何枚でも購入可能。
- パレード
- ロイヤル・プロムナードで開催。ドリームワークスのシュレックなどのキャラクターが出演。
- シアターショー
- ヘアスプレー(オアシス・オブ・ザ・シーズのみ)、シカゴ(アルーア・オブ・ザ・シーズのみ)などのミュージカルや手品など。
- アクアシアターショー
- オリンピック出場経験があるプロのダイビングショーや噴水ショーなどが世界最深・最大のプールで行われる。
- スケートショー
- 夜にスケートリンクで開催。プロのスケーターによるショーやドリームワークスのキャラクターが出演。
- コメディライブ
- 2人のコメディアンが毎晩1時間のトークショーを2〜3回開催。
- 大道芸
- ロイヤル・プロムナードでは時々大道芸人が出現しパフォーマンスを披露する。
- オークション
- 絵画やアニメーションセル画などのオークションが楽しめる。
- アクティビティ
- 船内ではストレッチ、エアロビクス、フィットネスなどのスポーツプログラムをはじめ、ワークショップや語学教室などのアクティビティが用意されている。
- フェアウェルショー
- さよならパーティー。船内の数カ所で用意されていて、シアターでは食事に合わせ2回開催される。
寄港地
- フォートローダデール(アメリカ合衆国フロリダ州) - 出航地
- ラバディー(ハイチ)
- ファルマス(ジャマイカ)
- コスタ・マヤ(メキシコ)
- コスメル(メキシコ)
- ナッソー(バハマ)
- シャーロット・アマリー(セント・トーマス島)
- フィリップスバーグ(セント・マーチン島)
など
準備物
ギャラリー
- 建造中のオアシス・オブ・ザ・シーズ
- 建造中のオアシス・オブ・ザ・シーズ
- オアシス・オブ・ザ・シーズ
- オアシス・オブ・ザ・シーズ
- オアシス・オブ・ザ・シーズ
- オアシス・オブ・ザ・シーズの救命ボート
- オアシス・オブ・ザ・シーズ
- オアシス・オブ・ザ・シーズ
- セントラルパーク
- ロイヤル・プロムナード
- 夜のセントラルパーク
- オアシス・オブ・ザ・シーズ
同型船
- 2番船 - アルーア・オブ・ザ・シーズ[1](Allure of the Seas) (2010年10月28日竣工)
- 測定時の鋼材の温度差により、オアシス・オブ・ザ・シーズより全長が50mm長い[6]
- 3番船 - ハーモニー・オブ・ザ・シーズ(Harmony of the Seas) (2016年6月就航)
- 全長362mでオアシスクラスの中でも最大の大きさ[7]
- 4番船 - シンフォニー・オブ・ザ・シーズ (2018年4月就航) [8][9]
- 5番船 - ワンダー・オブ・ザ・シーズ (2021年春就航予定)[10]
- 6番船 - 未定(2023年秋就航予定)
脚注
- “Royal Caribbean announces Allure of the Seas' inaugural season”. Royal Caribbean International (2009年3月30日). 2009年5月29日閲覧。
- Honeywell, John (2009年10月27日). “Oasis even bigger than we thought”. Mirror.co.uk. 2009年10月27日閲覧。
- Sloan, Gene (2010年4月8日). “Record set as Oasis of the Seas sails with more than 6,000 passengers”. Cruise Log at USAToday.com. 2010年8月14日閲覧。
- Giovis, Jaclyn (2008年6月19日). “New Royal Caribbean cruise ship offers many firsts”. Sun-Sentinel. オリジナルの2008年6月20日時点におけるアーカイブ。 2008年6月19日閲覧。
- Sjöström, Pär-Henrik (2010-12-10). “Larger than her sister”. Shipgaz (6): p. 22 .
- Sjöström, Pär-Henrik (2010-12-10). “Larger than her sister”. Shipgaz (6): p. 22 .
- “First steel is cut for Royal Caribbean's Oasis 3 which will become the biggest cruise ship in the world - Mirror Online”. 2015年5月17日閲覧。
- “STX France - Référence”. 2015年5月17日閲覧。
- ロイヤル・カリビアン、シンフォニー・オブ・ザ・シーズを正式発表 - DECKP
- “Royal Caribbean Orders 5th Oasis Class Ship & Two Additional Edge Class Ships for Celebrity”. 2018年1月6日閲覧。
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